アバター:視覚世界のアイデンティティ

icon性別も種族も全てが自由

第二に、メタバースのアイデンティティを認識する三つの軸のうち、視覚世界のものである、「アバター」の外見について見ていきましょう。

2004年に放送された日本のSFアニメ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』第13話『顔』では、最愛の相手の全てを自分のものにしようとした女性が、想いを寄せた男性の義体(サイボーグ用のボディ)の姿かたちを奪い、最後には男性を殺してその人自身に成り代わろうとする未来の事件が描かれました。私たちの姿かたちは、作業をするための単なる道具ではありません。視覚世界において私たち自身の存在を証明するアイデンティティそのものなのです。

物理現実の世界では、基本的に生まれたままの肉体の姿で生きていくことしかできませんでした。私たちの人生は、その姿の美醜や性別、属性により大きく左右されてきました。これからは、それらは旧時代の強いたやむを得ない理不尽であったと認識されるようになるでしょう。

メタバースの世界では、3章の「アバター技術」で解説したとおり、「なりたい自分になれる権利」が既に確立しつつあります。物理現実の肉体と違い、「アバター」はあなたの好みによって自由自在にデザインできます。

あなたは、メタバースの世界でどんな姿になりたいですか?

顔や身長、体型も、思うがままに設定できます。また、物理現実における今のあなたの性別に合わせる必要はありません。男性になるのも、女性になるのも、あなたの自由です。そもそも、人間である必要すらありません。ロボットや怪獣、超常の姿で生きていくことすら可能なのです。

メタバースでは「アバター」という視覚世界のアイデンティティをデザインすることによって、「なりたい自分」の「姿」で自由に生きていくことができます。実際に現在ソーシャルVRに住むユーザーがどんなアバターを使って生活しているのか見ていきましょう。