「アバター」とは何か最後に「バーチャルリアリティの三要素」の三つめ、仮想空間での自分の分身(自己投射)を作り出す「アバター技術」について解説します。
一般的に「アバター」とは、ゲームなどのオンラインサービスの仮想空間の中で、ユーザーの分身として画面に表示されるキャラクターのことです。他ユーザーと区別して個性を表現するために、顔の部品や衣装などのパーツを組み合わせて唯一のキャラクターを作ることができます。
VRにおけるアバターは、画面に表示されるキャラクターではありません。その視点に入り込み、仮想世界におけるあなたの肉体そのものになります。VRゴーグルを通して見る映像には、アバターの両手が、下を向けば揺れるスカートや脚が、あなた自身の身体として表示されます。それはもはや「分身」というよりもあなた「自身」だと言っていいでしょう。
ソーシャルVRのアバターは、基本的に人体のかたちをした3Dモデルです。単にありもののパーツを組み合わせるだけではなく、完全に自由にデザインした自分だけの3Dモデルを持ち込んで自身のアバターとして使うことができます。標準アバターが必ず用意されているため、もちろん自分専用のアバターを用意しなくても楽しむことは出来ますが、体験の質は全く変わってきます。なぜならアバターは、メタバースにおいて、4章で論じる自己認識「アイデンティティ」としての側面、5章で論じる「コミュニケーション」ツールとしての側面があり、あらゆる体験の出発点になるからです。
「アバター技術」とは、そんなアバターを誰もが自由に簡単に使える世界を実現するための技術のことです。