icon指トラ:アバターの指を自由自在に動かす

「フィンガートラッキング」略して「指トラ(ゆびとら)」とは、フィンガー、つまり一本一本の指の動きをアバターと連動させるトラッキング技術のことです。

指トラが内蔵されているコントローラーの代表はValve社の「Indexコントローラー」です。こちらはVIVEと同じライトハウス規格を採用しているので相互に互換性があり、私はVRゴーグルはVIVEですがコントローラーだけは主にこちらを使っています。このコントローラーはバンドを掌に巻きつけて固定できるようになっているのが特徴で、手を開いた状態でも落ちないようになっています。87個の静電容量センサーが内蔵されており、10本の指の動きを自由自在に動かすことができます。親指は開く・閉じるのみのデジタル的な動きですが、それ以外の8本の指はアナログ的に動かして、繊細に動かすことができます。

指トラには「VR Chat」「Neos VR」「cluster」「バーチャルキャスト」など多くのソーシャルVRが対応しています。

指トラを使うと、手をつかって非常に繊細な感情表現をすることができます。ソーシャルVRでは、指トラがなくてもボタンなどで、手のジェスチャーを切り替えられるものが多いですが、やはり圧倒的に表現力のバリエーションが増えますし、自分の手と全く同じように動くのがやはりわかりやすいし、細かい表現も可能になります。

一番ちからを発揮するのは、アバターの身体でお互いに触れ合うときです。5章で詳しく説明するように、ソーシャルVRの世界ではお互いのアバターの身体に触れ合うスキンシップが重要なコミュニケーションになっています。掌を開いたままお互い触れあったり、相手の肌の立体感に合わせて掌を自在に動かせるフィンガートラッキングは、お互いに「触れ合っている」感覚を醸成する、VR内のスキンシップに非常に有効です。

あたかも相手の手が実際に自分に触れているような表現をしてもらうことで、7章で詳しく解説する視聴覚刺激によりアバターの皮膚に芽生える触覚体験「触覚ファントムセンス」の開発にも有効だと考えられます。