「バーチャルリアリティ」とは何か

そもそもバーチャルリアリティとはなんでしょうか?

2011年刊行の日本バーチャルリアリティ学会『バーチャルリアリティ学』によれば、「バーチャルリアリティ(VR)」とは「人間が実際の環境を利用しているのと本質的に同等な状態でコンピュータの生成した人口環境を利用することを狙った技術」とされています。要するに「実質的に現実にいるのと変わらない環境を人工的に作り出す技術」のことです。

当時VR機器の普及の足かせになっていたのは、技術的進歩だけでなく、体験できるVRコンテンツの制作コストが非常に高かったことであり、無尽蔵のコンテンツを生み出す「メタバース」がその足がかりになると期待されていました。つまり、VR機器が普及したからメタバースが可能になった、という単純な話ではなく、VRの普及とメタバースの普及は相互に依存する関係にあるということです。現在ようやくメタバースが普及しつつあることで、今後のVR機器の普及がさらに加速する足がかりが生まれたと言っていいでしょう。

また同書ではVRを実現するための「バーチャルリアリティの三要素」として、以下の三つを挙げています。

  1. ① 人工的に作られた人間にとって自然な空間である「等身大の三次元仮想空間」
  2. ② 人間と空間がリアルタイムに相互作用する「実時間インタラクション」
  3. ③ その空間の中に入っている感覚を作り出す「自己投射」

本章では、2章で解説したソーシャルVRでこれら三つの要素を実現するために使われている最新技術である、以下の三つについて順番に解説していきます。

  1. ① 仮想空間に入るための「VRゴーグル」
  2. ② 仮想空間とリアルタイムにインタラクションするための「トラッキング技術」
  3. ③ 仮想空間での自分の分身(自己投射)を作り出す「アバター技術」