一般ユーザーへのきめ細かいナビゲーションと創造性の提供アバターと並んで非常に力が入っているのが、Horizonではじめてメタバースを体験するユーザーへの懇切丁寧なナビゲーションです。まず仮想空間に入るときには「あなたが交流する相手は誰もが実在の人物であることを忘れないようにしてください」という警告が表示されます。たしかにVRChatなどでも、初めてソーシャルVRを体験する人は、目の前のキャラクターが現実の人間だという感覚になかなか馴染めず、問いかけを無視してしまったり、ついつい失礼なことをしてしまうことがよくあるので、これはなるほどなと思いました。
そしてなにより驚くべきことに、現在ベータ版にも関わらず、ユーザーが初めに訪れるワールド「Plaza(プラザ)」には、「モデレーター」と呼ばれるMetaの担当者がアバターの姿で常駐しており、操作方法を説明してくれたり、おしゃべりに付き合ってくれるのです。現在のソーシャルVRではこういった初心者への対応は一般住民のボランティアに任されているので、運良く親切な人に巡り合えないと、楽しみ方をわからないまま治安の悪いところに迷い込んで悲しい思いをして去ってしまうケースも少なくありません。ここは「さすがMeta」といったところです。
「創造性」も重視されていて、「ワールドクリエイトツール」というものが用意されており、仮想空間にいながらにして非常に直感的に新しいワールドを制作することができます。みたところ、Neos VRほどの圧倒的な自由度はない代わりに、ライトユーザーでもカジュアルに使いやすそうな印象を受けました。クリエイターの活動を促すため、総額1000万ドル(約10億円)の「クリエイター支援ファンド」を設立、コンテストの入選者などに最大1万ドル(約100万円)の資金提供をするとしています。
また、Facebook(SNS)でさまざまな批判の最前線に立ってきたMetaらしく、治安への配慮が非常にしっかりされています。自分のアバターの左手首には「セーフティボタン」が常に表示されており、不愉快なユーザーに巡り合ったときにはすぐに「セーフゾーン」と呼ばれる結界でコミュニケーションを遮断でき、その中でゆっくり相手をブロック・ミュート・報告するかどうか選ぶことができます。既存のソーシャルVRにももちろん同じような機能はあるのですが、正式リリース前からここまで作り込まれているのは異例です。一般ユーザーへの普及を意識してか、最重要機能の一つとして大きくプロモーションもされています。