icon敷居の高さが人口増加への課題

このように、一見完璧なメタバースに思えるNeos VRですが、現時点では「アクセス性」「大規模同時接続性」に大きな課題を抱えています。

・「アクセス性」「大規模同時接続性」の課題

「アクセス性」については、要求スペックがVRChatなどと比べてもさらに高く、ゲーミングPCの中でもかなり上位の性能の持つパソコンでないと快適に楽しむことができません。また「大規模同時接続性」については、同スペックのパソコンで比較すると、同じワールドに同時に入って快適に楽しむことのできる人数はVRChat以上に少なくなってしまっています。パソコンのスペックは日進月歩の世界なので、いずれ世界が追いついてくるのを待ちつつ、現在実現できる最高のメタバースを全力で実現していくのがNeos VRのスタイルのようです。

こうした課題により、革新的な世界に関わらずまだ人口は多くはありません。特に日本人コミュニティはまだ非常に小さいです。創作目的のクリエイターはいいのですが、単におしゃべりをしたいライトユーザーは相手を見つけるのに苦労するため、なかなか住人として定着しづらいです。

こうした状況を改善するための活動も行われています。Neos VRの日本人コミュニティ主催でクリエイターの成果物展示会イベント「NeosFesta」が2020年5月から始まりました。私も2021年7月の第三回からNeosFesta公式アンバサダーに任命いただいており、イベントのプロデュースやプロモーションに協力させていただいています。それ以外にも、Neos VRでは日本人向けの初心者案内のイベントも毎週行われていますので、要求スペックを満たすゲーミングPCをもっている方はぜひ一度参加してみることを強くおすすめします。未来のメタバースの世界に感動することは間違い有りません。

・「経済性」が制限されている事情

また先進的な「経済性」システムについても、非常に残念なことに実はNeos VRの主要バージョンであるSteam版では仮想通貨の交換に関する機能は現在無効化されてしまってます。これはアメリカのソフトウェア配信サービス「Steam」が2021年10月に仮想通貨やNFTの交換を全面禁止したことによるものです。仮想世界のアイテムが現実世界のお金に換金できてしまうと、ゲーム内の行為がギャンブルに当たるのではないかと現在アメリカでは訴訟問題になっており、これを受けてのものだと思われます。

つまり、メタバースの中で経済行為が可能になるかどうかは、何もシステム開発だけの問題ではないのです。こういった議論や法整備が一刻も早く進み、健全な経済活動のための取引なら問題ないとされることを祈っています。