ソーシャルVRとしての基本的なしくみでは、VRChatの基本的なしくみを見ていきましょう。細かい部分や用語には違いがありますが他のソーシャルVRも似ている部分が多いので、VRChatを理解するとソーシャルVRのイメージがぐっと深まると思います。
まずVRChatは、SNSに似た「ソーシャル機能」を備えています。VRChat内で知り合った相手と友達になるとフレンドの一覧に表示され、どのフレンドがいまVRChatでオンラインになっているかを知ることができます。フレンドリストからは、今自分がいる場所にフレンドを召喚する「インバイト」 、逆に友達がいる場所に自分が瞬間移動する「リクイン」(=リクエスト・インバイト)という二つの魔法のようなコマンドが使えます。
相手のアバターの頭上には常に「ネームプレート」と呼ばれる名札が表示されていて、この色によって相手がフレンドかどうか等がわかるようになっています。物理現実のように「相手の名前がどうしても思い出せない」ということはおこらず、とても便利です。
また、非常に多くのユーザーで賑わっている反面、どうしても迷惑ユーザーと遭遇してしまうこともまれにあります。例えば、大声や不快な発言で嫌がらせをしてくる人、付きまとい、不快なアバターを使う人やアバター表現で相手の視界を埋め尽くす「視界ジャック」などです。こうした対策として相手の音声を無効化する「ミュート」や、お互いに存在が認識できなくなる最後の手段「ブロック」などのコマンドも用意されています。
コミュニケーションのための仮想空間を「ワールド」と呼びます。じっくり会話を楽しめる落ち着いたリビングルームや、海に潜って魚と一緒に泳ぐことのできるビーチ、みんなで麻雀したり剣を握ってモンスターと戦うゲームワールドなど、ユーザーが自由に作ってアップロードしたさまざまなワールドを楽しむことができます。ワールドの広さなどにもよりますが、一つのワールドに同時に入れる人数は表示上は最大40人とされています(実際はこの人数を超えて収容できますが、人数が増えると負荷が大きくなります)。
こうしたワールドをユーザーが無限に生成できるのもVRChatの特徴です。ワールド一覧からワールドを実体(インスタンス)化して入れるようにすることを「インスタンスを開く」と言います。その際に、招待した人しか入れないようにしたり(インバイトオンリー)、友達しか入れないようにしたり(フレンズ)、逆に誰でも入れるようにしたり(パブリック)、目的に応じて入室権限を自由に設定することができます。ワールドの上限人数に達したときや負荷が大きくなって不安定になったときなどは、同じ見た目のワールドを複数の「インスタンス」として同時に開いて、複数の部屋でパーティをするような利用もあります。
メタバース内での自分自身である「アバター」は、運営や他のユーザーが公開設定でアップロードしたものを自由に選んで「着る」ことができます。さらに自分がデザインした唯一無二のアバターを自由に作ってアップロードすることも可能です。ゲームのように統一した世界観やルールがあるわけではないので、アニメ調のネコ耳美少女や、二頭身のキャラクター、巨大ロボット、宇宙人、人魚など、さまざまなアバターの姿の人々が並んで会話をしているさまは、まさしくカオスそのものです。アニメの魔法少女のように光に包まれて変身したり、目からビームが出たり、さまざまなエフェクトも搭載できます。
アバターの顔の表情は手のジェスチャーと連動しており、例えばピースをしたら笑顔、親指を立てたらウインク、のように設定することができます。