メタバースは世界と世界を結びつける

iconオープンメタバースとクローズドメタバース

これら七要件に加えて「⑧オープン性(相互運用性)」を必須だとしている人もいます。Epic Games社CEOのティム・スウィーニーなどは、真のメタバースとは特定の運営主体が提供する単一のサービスではなく、複数のサービスが相互に接続したオープンなものであるべきだ、と主張しています。こうした考え方を「オープンメタバース(Open Metaverse)」と呼びます。

オープンメタバースでは、手に入れたアバターやアイテムなどのコンテンツは運営主体ではなくユーザーに帰属し、自由に他のプラットフォームでも利用することができます。プラットフォームの垣根のない世界です。

現在のソーシャルVRでは基本的にユーザーがコンテンツを自由にアップロードでき、著作権もユーザーに帰属するので、程度の差はありますがオープン性の高いメタバースであると言えます。

これに対して、一社が提供して他プラットフォームと互換性のないものを「クローズドメタバース(Closed Metaverse)」と呼びます。

現在のインターネットでも、Facebook改めMetaをはじめとした「ビッグ・テック」(GAFA)に権力が集中していることが世界的な問題となっています。仮に新たな現実そのものとも言うべきメタバースがクローズドなものになり、その中でのユーザーの行動データやルールの決定権が一社に握られてしまうと、その深刻さは現在のインターネットの比ではありません。特定の会社が国家を超えた権力としてメタバースを支配してしまう危険性が指摘されています。

Metaの発表でザッカーバーグはオープン性を重視すると語っていましたが、現在のFacebookは比較的クローズドなSNSです。Metaが覇権を握った場合、クローズドメタバースの世界になってしまうことを懸念する人は少なくありません。

こういった観点から、オープンメタバースからさらに一歩進めて、そもそも運営主体の存在しない、ユーザーが自治を行う「非中央集権型メタバース」をブロックチェーン等の分散型技術を活用して作るべきだ、という考え方もあります。ただし、これは現時点ではあくまで概念上のものです。オープン化や非中央集権化にはデータの規格化や法整備など幅広い課題があり、現在のブロックチェーン技術を活用すればすぐに実現できるようなものではありません。