帰る時大婆にポケットにねじ込まれた銅貨一枚も使って、ジケは食材とちょっと出来合いの料理を買った。

料理の紙袋は双子に持ってもらい他の荷物はジケが担当する。

両手が塞がっているので抱えられないフィオスはジケの頭に乗っている。

どうやっているのかは知らないが、上手くバランスを取っているようだ。

「よう! 久しぶりだな」

買い物も終えて帰路についているとジケたちに数人の子供達が近づいてきた。

見ると平民、貧民どちらの子供もいた。

「おう、リュシガー、元気そうだな」

一際身体の大きい先頭の子供がリュシガー。

鍛冶屋の息子で貧民に近い方の平民で平民ながら貧民の子供とも仲が良く、子供の中心的存在になっている。

ラウやエニがいた頃からジケとリュシガーは友達である。

実はラウに贈ったナイフもリュシガーの親父さんの鍛冶屋で購入したものであった。

だから安くしてもらえた。

「何だ、どっかでサイフでも拾ったのか?」

三人が持つ荷物を見てリュシガーが首をひねる。

食材を買うぐらいのことは時々ならジケでもやっていた。

しかし自分よりも幼いタミとケリの面倒を見てご飯まで買ってあげるなんてリュシガーも不思議に思って首を傾げた。

リュシガーは別にジケをケチだと思ったことはないけど人に施しできるほど金があるとも思っていなかった。

ジケはと言えば目立つので人に働いてることを言っておらず、リュシガーもジケが稼いでいることを知らなかった。

リュシガーの少し口の悪い言い方にジケも思わず笑みがこぼれる。

「ちゃんとサイフ拾ったら大人に届けるさ」

「嘘こけ〜! あれだろ、中身だけ抜いてってことだろ?」

別に悪意があるのではない。

平民や貧民の子供なら拾ったサイフをどうするかなど分かりきっている。

「はははっ、ヒドイな」

「タミとケリも悪い大人にはなるなよ?」

「ジケ兄は優しくてとっても良い人だよ」

「そんなことを言うリュシガーの方が悪い人ー」

頬を膨らませ双子がジケをフォローする。

思わぬ反撃を喰らってリュシガーが目を丸くした後大笑いする。

「みんなして何してるんだ?」

「ああ、今日はメンバーを探してるんだ」

「メンバー?」

リュシガーも品行方正とはいかない。

中心的な役割を果たして大人びた雰囲気も感じる少年だが年相応のヤンチャさもあってイタズラに情熱を傾けることもあった。

人を集めているとあれば何か大規模な計画でもあるのかとジケは思った。

「貧民街のハズレに古い洋館が立ってるだろ? みんなであそこに肝試しにでも行こうと思ってな」

「貧民街のハズレ……?」

そんなのあったかなと記憶を探るが思い出せない。

大人になってからの記憶にそんな建物はなかった。

ジケが大きくなった時にはもうなかったが子供の頃、つまり今はまだそんな建物があったのだろう。

「そっ。うちの兄貴も昔行ったことがあるって言っててさ。そんときゃ奥の部屋になんか置いて勇気を確かめるなんてことやったみたいだけど、俺はそんなん興味ないからみんなで見に行こうと思ってな。流石に夜抜け出してそんなとこにゃいけないから今から入ることになるけどさ。お前らもどうだ?」

「いや……」

中身は一応大人なので廃墟はいきょ探索ツアーに興味も湧かない。

それにジケはグルゼイと鍛錬がある。

そう言おうとしてタミとケリに服を引っ張られる。

何かを訴えかける目をしている。

どうやら行きたいらしい。

「俺は行けないがこの子らを連れて行けないか?」

ジケがタミとケリに視線を向けるとリュシガーも同じく双子を見る。

場所も場所だし心配がないわけじゃないが止める立場でもない。

これが自分が子供の頃なら一も二もなく飛びついて一緒に行っていただろうことを考えると双子にも自由にさせてやりたい。

他の子供も行ったことがあるならそんなに危ない所でもないだろうと思った。

それに、ジケは何でもかんでも口を出すような小うるさい爺さんにはなりたくなかった。

「もちろんいいに決まってるさ」

リュシガーはグッと親指を立ててニカッと笑う。

こういう時のリュシガーは大抵大人数の子供を連れてワイワイと行動をする。

双子と同じか、それよりも幼いぐらいの子供がいる可能性もあるし、こうしたことは慣れっこなので心配は少ない。

最悪でもリュシガーは平民の子供だから問題があれば一応兵士や警備隊が動く。

荷物をリュシガー達にも持ってもらい一度家に置きに行く。

数日分にと思って買った安いパンをみんなに配って簡単な昼食代わりにしてもらい双子の面倒見を頼む。

軽く行って帰ってくるから心配するな、そう言ってリュシガーは双子と数人の子供達を連れ立って出発した。

廃墟といっても本当に危ない建物なら大婆あたりが黙っておらずに取り壊しているだろう。

心配しないのは無理だけど、したところで何か変わるでもない。

ジケはみんなが出発するのを見送ると自分も家を出て師匠であるグルゼイの元に向かう。

一緒に出てもよかったけどグルゼイに剣を習っていることも自分では言って回っていないので少しタイミングをずらした。

グルゼイに剣を教えてもらっていることを誰かに言ったりもしなかったのは、グルゼイが騒がしかったり目立ったりするのが嫌いだし、ジケもそれで何か言われるのが面倒だからである。

噂や話のネタとしてはすでに出回っているのだが、探る人もいないのでこのまま噂程度であればそれで良い。


「ほれ、今日の昼飯だ」

グルゼイのところに到着すると紙に包まれた何かを投げ渡される。

包みを開けてみると焼いた肉が挟まれたパン。

弟子になってさほど日数も経ってない頃からグルゼイは昼から来るジケに昼食を食べさせるようになっていた。

最初こそは戸惑いもしたけれど今では素直に受け取って食べている。

それに伴いグルゼイの身なりも若干小綺麗になった。

髭も髪も長いままではあるがボサボサとしていた以前に比べて整っている。

やはりグルゼイとしても小さめなジケの体格は気になっていた。

自分で稼げるようになってご飯を食べられるようになり、ジケも過去に比べればマシにはなっていたけれどまだ小さい。

成長の限界はあるので無理に大きくさせようとはしなくてもジケが成長できる最大限には成長させてやりたい思いがグルゼイにはあった。

身長はなくてもかまわないがあって困るものでもない。

グルゼイの上背うわぜいは普通だし筋肉が付きにくい方で体格の良い奴に比べられてしまうという苦労があった。

成長の助けになればいいと思うグルゼイなりの優しさ。

グルゼイはジケが食べ終わるまで腕を組んでジッと待っている。

頑固で寡黙かもく、非常に厳しい人物な印象を持っていたが思いの外ジケを見る目は優しい。

まだ過去から含め一度もグルゼイに弟子だと明言されたことはない。

弟子入りする時に弟子だと言われたがあれは酒が入っての発言なのでジケとしてはやはりシラフの時に言ってほしい。

ジケが食べ終わるとグルゼイは修行の準備をする。

丸く囲うように木の棒が立てられた一角。

棒から棒へとひもが渡されていて、傍目はためからみてもそれが何なのかは分からないだろう。

グルゼイが張り巡らされた紐にさらに紐を垂らすようにくくり付けていく。

垂らされた紐の先には大小様々な石が吊り下げてあって軽く紐を揺らして落ちないか確認する。

異様な光景であるのだが少しずつ増えた棒と紐を毎日眺めていれば脅威でもないのですぐに面白い見世物と周りの認識が変わった。

頑張れよ! なんて声をかけて貧民街のおじさんがジケの頭に布を巻いて目をふさぐ。

ジケは木の棒の囲いには入らずその一歩手前で集中を高める。

何も見えないが集中していくと世界が分かり始める。

グルゼイの技の中でも重要な部分を占める感覚を養うための訓練が始まる。

どんなものでも魔力を持っている。

そして生物は魔力を感知することができる。

人は魔物に比べて魔力を感知する能力が劣っている。

劣ってはいるのだが魔物と違い、人はその感覚を磨くことができる。

したがって魔力を感知する感覚が極まると感知した魔力で世界が見えてくる。

たとえ壁の向こう側にあってもそれなりに魔力を持っている物ならば分かる。

実はジケはこれを過去でグルゼイに習っていた。止むに止まれぬ事情から教えてもらうことになって、どうにかできるようになったが体が若返って感覚が違っているために最初は苦労した。

まずは吊り下げられた魔石に触れないように通り過ぎることからこの訓練はスタートする。

これですら上手くいかずに失敗するたびに棒で突かれたりもして、身体がアザだらけになるほど突かれてようやく魔力を感じられるようになる。

魔力が感じ取れるようになってくるとさらに訓練の難易度を上げる。

吊り下げた魔石を揺らし、それに当たらないように通り抜けなきゃならない。

それも出来るようになってくると今度はグルゼイが棒を持ち、先に魔力を込めて揺れる魔石をかわして通り抜けるジケを時々突くのだ。

ジケがグルゼイの棒を感知できずに突かれると痛みに悶えることになる。

グルゼイ一人では両手に持っても魔力の発生源は二つが限界になる。

そこで紐にいろいろ括り付けて数を増やすことで感知の精度をより高めさせようとした。

速度を上げたり魔力を持つものを増やしたり段々と難易度が上がっていった。

グルゼイは吊り下げた石を適当に揺らし始め、回すように揺らしたり遅めたり速めたり、色んな方向からジケを通り抜けさせる。

今吊り下げられているのは魔物から取れる魔石を適当に砕いたもので、小さくても大きめの魔力を含んだものや大きくても魔力の弱いものまで様々である。

ただ物が持つ魔力よりも感知がしやすいので魔石を使っている。

始めた頃は一つだけだった石は二つになり、三つになり、今では十数個まで増えていた。

「始め」

グルゼイの合図でジケが囲いの中に足を踏み出す。振り子のように揺れる魔石を感じ取りタイミングを合わせて進み、出来る限り少ない動きで回避する。

大きくかわしてしまうと次がかわせない。

そして隙が出来るとグルゼイから棒が飛んでくる。

「何回見ても凄いな」

見ている人から感嘆の声が漏れる。

一個でもいっぱいいっぱいだったジケはあっという間に十数個まで対応してみせた。

こんな訓練見たことがなく暇な大人たちが興味を持って見学していた。

いつしかジケを応援したりいつまでかわし続けられるか賭けの対象にしていた。

「ふっ!」

囲いの外側の隙間からグルゼイが先に魔力を込めた棒を、ジケを目掛けて突き出す。

魔石がどう揺れているのか感知出来て一定のリズムが出来かけていたところだった。

一瞬の判断で魔石をかわした体勢からさらに身体を反転させて棒をよける。

そうしている間にも魔石は次々とジケに迫る。

少々不恰好ではあるがタイミング悪く複数の魔石がジケの方に振られたのをギリギリかわして一息整える。

「しまっ……」

ペシっと魔石がジケの頬に当たった。

魔力をほとんど込めない棒を感知するのが遅れて、咄嗟に上半身を捻ってかわしたけれど次は小さく魔力の弱い魔石をかわしきれなかった。

「まだまだだな」

グルゼイが大きくため息をつく。

しかしよく出来た方だったので棒で突かないでやった。

「もう一回!」

今のは悔しい、とジケは思った。

もう少し集中して感知できていれば魔石の速度も遅かったのでかわせたはずだった。

「分かった。配置を変えるから待ってろ」

グルゼイは水の入った革袋をジケに渡して吊り下げられた紐の位置を変え始めた。

全力で魔力を感知して魔石をかわし続けていたので大粒の汗をかいているジケはグイッと水をあおる。

グルゼイはジケに対して内心驚きの感情を抱いていた。

オーランドの名前を出す貧民の少年が弟子にしてくれと言って、しょうがなくそれを受け入れてからどれほどの時間が経っただろうか。

すぐに逃げ出す、来なくなるものだとグルゼイは思っていた。

魔獣はスライムだと言うし剣を扱えるようになれば何か変わるかもしれないと、わずかな希望を持って来たのだろうが人生そう甘くはない。

蜂蜜酒分ぐらいの働きはしてやろうと基礎的な身体を作る訓練や魔力感知の入り口を教えた。

とは言っても身体を鍛える以外のことは、本人の感覚次第で掴むことができない者は一生かかってもできない。

泣かれでもしたら面倒だと思いながら真面目に訓練をこなすジケを見て少し感心していたところだった。

そして、ジケはまるで思い出したかのように突如魔力感知が出来るようになった。

魔力感知の感覚を掴むだけでも大したものだ。

認識を改めて本気で教えてもいいかもしれない、そんな思いがグルゼイに芽生えた。

しかし驚きはそれだけではなかった。

魔力感知における視覚化。

ただどこに魔力があると感知するだけでなく物の表面を覆う魔力や濃淡を正確に感知し、まるで目で見ているかのように世界を捉えることをジケはやってのけた。

グルゼイすらどれだけかけてその領域に達したのか覚えていない。

一つ言えるのは到達することは容易くはない。

そんな感心した気持ちをジケに悟られないようにしながらもグルゼイは慌てて修行の準備を整えた。

この才能がどこまで行けるのか、どう育つのか見てみたくなった。

グルゼイは少し見た目を整え冒険者ギルドに行って依頼をこなした。

魔石も入手できるしお金も手に入る。

ジケは仕事をしているとかで午前中は来ないことになっていたのでグルゼイは昼までに依頼をこなして早々と準備を進めた。

同時にやはり気になったジケの貧相さに昼飯を出して少しでも改善出来ないものかと思案した。

子供だからしっかりと身体を鍛えて栄養を与えれば見栄えはするはずと考えた。

問題としては逆に感覚を掴むのが早すぎる。

剣を使った訓練を始めるのにまだまだ身体が追いついていない。

もう少しジケの身体ががっしりしてからと考えていたのに予定していた計画が前倒しになっている。

「木の剣ぐらいは与えるか……」

順当に計画をこなしていくのは良いことであるが調子に乗らせてはいけない。

おおよそ男子は木の棒を剣に見立てて遊ぶため、木で作られていようと剣を与えられれば大体舞い上がるものだ。

ジケに関してそんな心配はしていないがそれでもしっかりした剣を一度持たせて重さや扱いの難しさ、注意をした上で木の剣で訓練を行うことも検討する。

「少し難しい依頼をこなさなくてはな」

揺れる魔石を完璧にかわし続けるジケを見てグルゼイは思わずため息をついた。

ジケはグルゼイとの鍛錬を終えて家に帰っていた。

遅いなと思っていたらタミが泣きながら帰ってきた。

リュシガーが真っ青な顔をしてジケに頭を下げた。

「ケリがいなくなった!」

タミの言葉にジケは意識が遠のく思いがした。

なんて事はない肝試し、ちょっとした冒険のはずなのに何が起きたのか。

リュシガーから話を聞く。

目的地は北のハズレにある古い洋館の廃墟。

今は断絶した貴族が住んでいたもので丈夫な造りと、曰く付きなお話のせいで壊されないまま長らく放置されて幽霊屋敷などと呼ばれている。

曰くも、断絶した貴族の幽霊が出るとか夜中に女性の泣き声が聞こえるとか、変哲もないもので、もちろん幽霊の存在なんて確認はされていない。

普段門は閉じられて入れないが横の塀はボロボロになっていて簡単に乗り越えることができる。

いつ頃からか男子の度胸試しや子供たちの身近な冒険の場所として選ばれるようになった。

廃墟の近くに住む子供ならば誰しも一回は行ったことがある場所になる。

危険はない、はずだった。

十数人ほどの子供を連れてちょっとしたピクニック気分で廃墟を訪れたリュシガー達は部屋を覗いたり、先達たちが残したちょっとしたイタズラなんかを楽しんだりしてグルッと廃墟を回った。

最初気づいたのはタミだった。

隣にいたはずのケリがいつの間にかいなくなっていた。

ケリがいなくなって周りを見てみると、何人か一緒に回っていたはずの子供がいなくなっていた。

特に迷うわけもなさそうな廃墟の中で迷子になったのか。

リュシガー達はもう一周していなくなった子供を捜した。

けれどもいなくなった子供は見つからなかった。

むしろさらにいなくなった。

訳の分からない状況に恐怖したリュシガー達は泣いてケリを捜すと言い張るタミや他の子供を連れて一度帰ってきた。

「俺、どうしたらいいか分かんなくて」

リュシガーは泣きそうな顔をしている。

いなくなったのはタミをはじめとする貧民の子だけでなく平民の子も含めて一人二人でない。

体格は良くてもリュシガーもまだまだ子供である。

ましていきなり他の子がいなくなるなんて対処のしようもない。

ちゃんとみんなのことを見ていなかった申し訳なさと、この状況の混乱にどうしたらいいのか分からないのだ。

「ごめん、ちゃんと二人の面倒を俺が見るべきなのに」

「……リュシガー、お前は大人にこのことを言うんだ」

「えっ?」

「俺は大婆のところに行く。早く行くんだ!」

「わ、分かった……」

嫌な予感がする。

「タミ、大婆のところに行くぞ」

「で、でも……」

「ケリを助けるためだ」

「ッ! 分かった!」

ジケとタミは家を飛び出して大婆のところに向かった。

タミが追いつけるようにジケは加減しながら、だけれどタミは全速力でジケについていく。

「大婆!」

大婆は相変わらず起きているか寝ているか分からないような表情のまま、テントの奥に鎮座していたが息を切らせて入ってきたジケに目を開けた。

「なんだい? そんなに急いでどうしたんえ?」

「子供が失踪した」

「前に言ってたそれについては今調べさせてるよ」

「違う、さっきまた子供がいなくなったんだ」

「……それは本当かい?」

「こんな嘘ついてどうするって言うんだ。失踪した子供にはこの子の妹もいるんだ」

ジケの後ろには息を切らせるタミ。

ジケはリュシガーから聞いた話を含めて何が起きたのか大婆に説明する。

「これは悠長に構えてる場合じゃないね」

事の重大さを理解した大婆はフォークンを飛ばした。

「この子を頼みます」

「どうするつもりなのか、聞かなくても分かるが止めてもどうせ無駄なんだえ?」

「当然です」

「ふむ、その子は任せな」

「タミ、大婆と一緒にいるんだ。俺はケリを捜してくるから」

「私も……」

ジケはダメだと首を横に振る。

ジケの考えている通りならタミがいても足手まといにしかならない。

「ケリを見つけて無事に帰ってきてね……」

目いっぱいに涙を溜めるタミの頭を優しく撫でてジケはテントを後にする。

その日の夕方、街の巡回を担当する兵士数人が北のハズレの廃墟を捜索した。

しかし行方不明になった子供たちの痕跡は見つからず日が暮れてきたことから捜索は次の日以降に持ち越された。

その日の夜になってもケリを捜すと言って出て行ったジケは帰って来なかった。