知ってる知識を活用し

「改めてどうした? 今日は仕事の日じゃないだろう」

休日にオランゼのところを訪れた。

ジケが用もなく遊びに来たわけじゃないのはオランゼも理解している。

ジケがグルゼイの弟子になってから数ヶ月が過ぎた。

当初は顔を腫らして仕事に来たジケを誰かに暴力を受けているかもしれないとオランゼが心配していたが、事情を話して誤解は解けた。

グルゼイの訓練は体力づくりが大部分を占めている。

当然剣も持たせてもらえず基礎的なことをやっている。

体力不足はジケも痛感していたので不満はなく、積極的に取り組んでいる。

続けていると子供の身体は体力が付くのも早く、早朝のゴミ処理の移動も速くなって余裕ができてきた。

信用と金。

グルゼイの指導とは別にオランゼの仕事も頑張って少しずつではあるけれど積み重ねてきた。

この二つを同時に、さらに、高める時が来た。

早すぎる気がしないでもないが、ジケは早いうちにやっておかねばならないと考えていた。

「それで何の用だ?」

オランゼはちょうど休憩する時間だったのか、ついでにジケにも紅茶を淹れてくれた。

かなり普及してきたがそれでもまだやや高めなお値段のする紅茶をポンと出してくれる。

オランゼとて紅茶は安い買い物ではない。

しかしジケは五人分の仕事を一人で行い、しかもクレームも今のところついていない。

お茶ぐらい出すというものだ。

「二つ。二つ提案があって来ました」

ビッと指を二本立てる。

営業スマイルも忘れずに。

「いきなり訪ねてきて提案とはな。これがここで働く他の奴だったらお茶も出さずに蹴って追い出している」