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「──よし、行こう」
「うん、今日も天気
──いつも通りに、
俺の自宅アパートを出て通りを歩きながら。
「もうすぐ六月だし……今年も暑くなりそう」
「だなあ、予報によると、雨も少ないらしいしな」
「えーそうなの? 早く
そんな風に言葉を
黒い
ほどよくメイクされたかわいらしい顔。
どこか楽しげにカーブを
高校で再会してもう二ヶ月ほど
「……そういえば」
と、俺はそこでふと思い立ち、
「
「あーそうだね」
言われて気付いた様子で、
「夏用の
「だな。
──
高校入学と同時に
そんな二人が
羊を数えても音楽を
そんな不可思議な現象が起きていることに、気が付いてしまったのだ。
以来。俺たちはクラスではちょっと
交代でお
──ちなみに、俺たちは彼氏彼女でも
ただの幼なじみだし、五年間
だから、最初はそんな彼女と
とは言え──時は流れて再会から二ヶ月が
「あ、じゃあ今日も
「ああ、全然構わんよ。じゃあもう、学校から
「そうさせてもらおうかな。助かるー」
当たり前のような口調で、そんなことを言い合う俺たち。
俺たちにとって、二人で
前みたいに心臓が飛び出しそうになることもなければ、変に罪悪感を覚えることもない。
やり場のない気持ちにもやもやすることだって、ほとんどない。
この変化には、実は本当に助けられていた。
毎晩いちいち
……あれかもしれない。アニメ好きやアイドル好きが、自分の
ちなみに、
授業中
これも全部──
始まった当初は、どうなることかと思った高校生活だけど。
一時期は、実家に帰るしかないんじゃないか、なんて
──そんな風に、油断をしていたから。感覚が、マヒしていたものだから──、
♡
「……ねえねえ、あの二人……」
「……あー、うん、たまに見るよね……」
数メートル後ろから聞こえたその声に。
明らかに、わたしたちのことを
多分同世代くらいだろう、若い女の子二人の声……。
本人たちに聞こえているとは思っていないのか。
彼女たちはちょっとはしゃいだ様子で──、
「本当に──お似合いのカップルだよね」
「ねーめちゃくちゃ仲良さそう」
カ、カップル!?
ちらりと視線をやると……案の定女の子二人組だ。
わたしたちとは
あの子たちにはわたしと
めちゃくちゃ仲良さそうに見えるの!?
……気まず!
ちょっとこれ、どうするの気まずいよ!
完全に変な空気になっちゃったじゃん!
けれど、そんなわたしたちの気も知らず、女の子二人は話を続ける──。
「割と二人の感じにギャップあるよね?」
「確かに。でもそれも良くない? お
「あーわかる! なんか
「あの初々しさは、多分付き合いたてとかだろうなー。手も
「いいねいいねー。一番楽しい時期だねー」
──
べ、別にわたしたちそういうのじゃないし!
ただ、しかたない事情があってこうなってて……毎晩
いやまあそっちの方がヤバいんだけど!
付き合ってるとかより、毎晩
うわあ……もうこれフォローしようがないよ……。
多分今日一日くらいはずっと変な空気のままだ……。
あの二人、なんてことしてくれたの本当に……。
……でも、と。
「──わたしも彼氏欲しー。ああいう
「──ていうか、女の子の方だいぶかわいくない? しかもお
相変わらず続いている背後の会話を聞き流しながら、わたしはふと考え直す。
冷静になってみれば、後ろの女の子二人の
こんな朝から男女が二人で登校していたら、しかもそれが何日も続けば……当然カップルだと思うだろう。
わたしだって、同じような二人を見たらそう考えると思う。
むしろ、おかしいのはわたしと
「……ふう」
一度息を
ちょっとわたしたち──油断していたかもしれない。
それが日常になり始めていたけれど、それじゃ本当はいけないんだ。
そうしないと、いつか問題が起きてもおかしくないんだ──。
──そして、その出来事がきっかけだったように。
わたしたちはその日から、ちょっとしたドタバタに巻き込まれていくのだった──。