オイラが生前の野坂昭如さんと交わしていた、
「戦争」と「男の強さ」の話。
デビッド・ボウイが死んで『戦メリ』が再注目されてることもそうだけど、大島監督って死んでもいまだに世間を騒がせてるね。2015年に野坂昭如さんが亡くなった時だって、とっくに死んでる大島さんが野坂さんと同じくらいテレビに出てた(笑)。パーティの壇上で主役の大島さんをぶん殴っちゃう野坂さんもムチャクチャだけど、マイクで迎え撃つ大島さんもそれ以上だよ。
野坂さんとの思い出もあるよ。野坂さんはオイラのことを可愛がってくれたからだと思うけど、けっこう飲みの場で議論をふっかけられたんだよな。あの人は『アメリカひじき』『火垂るの墓』みたいな小説を読めばわかるように、徹頭徹尾「反戦」に生きた人なんだけど、そのくせオイラにはこんな風に言うんだよな。
「たけし、お前は普段言いたい放題やりたい放題でも、戦争で他の国が攻めてきたら、真っ先に逃げるタイプだ。実は気が弱いヤツなんだよ」って。
オイラは「自分が気が弱いのは認めるけど、戦争から逃げるヤツが気が弱いって解釈はおかしいよ」って言ってやったの。「日本中が『お国のために戦争に行け』ってなってる時代に、『俺は逃げる、兵隊にならない!』って言えるヤツのほうがよっぽど根性が据わってるじゃないか」って反論したんだ。
野坂さんなら、オイラが言いたかったことを最後はわかってくれたんじゃないかと思うけどね。