『笑点』を本気で面白いと思っているなら、

視聴者はナメられたってしょうがない。



 テレビ業界全体が元気のないなかで、数少ない高視聴率番組が、日テレで50年以上やってる長寿番組の『笑点』だ。

 前の司会の桂歌丸さんが引退するって時は20台連発で、春風亭昇太が司会になって、新メンバーに林家三平が加わってからも、その調子は落ちてないらしい。

 まァ、オイラにとっての『笑点』は、初代司会の立川談志さんの時代で終わっちゃってるけどね。だけど「あの頃は面白かった」って言いたいわけじゃない。当時も相当つまんなかった(笑)。それでも談志師匠の時代はけっこうブラックなネタもやってて、今からは想像できないくらいアブない番組だったんだよ。談志さんは、そりゃひどかった。若い落語家の答えが気に食わないっていうんで、番組中ずっと説教してたこともあるんだから(笑)。そんな奇抜なスタイルが長続きするわけはないんだけどさ。

 だけど、その後のマンネリよりはよっぽどマシだよな。今の『笑点』は何が面白いのかオイラにはゼンゼンわからない。何をやってもなかなか視聴率が取れないこの時代に、なんで『笑点』だけが数字を取れるのか、まったく理解に苦しむね。いつも同じことの繰り返しで、こんなもん毎週のように観てる人がよくいるなって思っちゃうくらいでさ。

 別に歌丸さんだって、「体力の限界」だなんていって辞めなくたって、ゼンゼン大丈夫なんじゃないの。今の『笑点』に、そんなに体力や精神をすり減らすような芸が必要とされているとは思えない。別にメンバーが全員ボケちまったってできちまう内容じゃないかってさ。漫才や芸のコーナーはまだしも、大喜利なんて何の芸にもなっちゃいねェぞ。

 これはテレビじゃ言えない本当の話だけど、大喜利のネタは何人もいる放送作家がウラで作っていて、落語家たちはそれを覚えて喋ってるのがほとんどなんだからさ。昔、1番目のお題の時に間違えて2番目のお題の答えを言っちゃって、観客から「ついにボケたか」と思われちゃった人もいたぐらいなんでね。

 そんなもんを、なんでニッポン中がありがたがってるんだろう。『笑点』の視聴率が高いのは、テレビをつけたまま気を失ってるジジイやババアが多いからじゃないか。

 こないだの司会交代劇の時には、三遊亭円楽やら林家木久扇みたいなレギュラーメンバーと一緒に、オイラの名前も新司会候補に挙げられていたのは笑ったよ。だけど、想像すると面白いよな。『笑点』をこれだけ批判しているオイラでもいいってことなら、ぜひ司会をやらせてほしいよ。そしたら、談志さんでも顔をしかめるくらいの大改革を断行してやっからさ。

 まずは「放送作家の全面撤廃」だよ。大喜利に参加する噺家は「キッチリ自分の頭で考えたネタだけで勝負する」っていう原点に戻すんだよな。ズルがないように、本番直前はケータイを取り上げてホテルの部屋に隔離してさ。まるでレース前の競馬のジョッキーじゃないかってさ。現状の『笑点』メンバーでそれが無理だっていうんなら、メンバーだって総入れ替えだよ。爆笑問題の太田光や田中裕二、くりぃむしちゅーの上田晋也やら若手のイキのいいヤツをガンガン入れちゃおうぜ。そういうヤツラをガンガン競わせて、つまんないヤツはご退場願うということでいいんじゃないか。

 ついでに何にも喋れない今の放送コードも『新・笑点』では撤廃しちゃうぜ。「ポコチン」「コーマン」なんて序の口だよ。オイラを会長とする「カツラKGB」が調べ上げた芸能界の大物ヅラタレントや「ゲイ能人」も勝手にカミングアウトしちゃうというさ。

 今の大喜利は「はい、小遊三さんに1枚!」って座布団を毎度配ってやがるけど、アレもウンザリだよな。座布団をもらったって嬉しくもないし、予定調和の極みなんでさ。

 座布団運びには、山田クンの代わりに吉原のナンバーワンソープ嬢を雇ってね。座布団じゃなく、マットプレイ用のマットを運んできてもらうんだよな。で、特に面白い答えをいったメンバーには、特別にスケベ椅子を贈呈してさ。マットやスケベ椅子が10コ貯まると、実際にソープ嬢がメンバーを舞台袖に引きずり込んで、笑点ならぬ「昇天」させてくれるというオチなんだよ。その様子がチラチラ画面に映りゃ、きっと視聴率50超え間違いないぜってね。ビートたけし版『笑点』は、すぐさま『昇天』に番組名を変更だよ。

 一方で、つまらないことを言ったヤツにはお仕置きをしないとな。熱湯風呂を用意して、その場で着物を着たまま沈めちまおうかってさ。

 それじゃあオイラが昔やってた『スーパージョッキー』(日本テレビ系)と変わらないじゃないかって? 『スーパージョッキー』は、教育上よろしくないってことでPTAからギャンギャン苦情が来て、日テレのお偉いさんの逆鱗に触れて結局打ち切りになっちゃったからね。もしオイラが『笑点』の司会をやったら、日テレの誇る長寿番組の息の根をついに止めちまうかもしれないぞ(笑)


 オイラの笑点改革案を聞いて、「ふざけやがって」という『笑点』ファンも多いんだろうけど、オイラから言わせりゃ『笑点』が毎週高視聴率という今のテレビ界のほうがよっぽどふざけてるし、危ないよ。どんなに新機軸のチャレンジ企画を入れた番組よりも、こんなマンネリ番組のほうがウケるっていうんなら、作り手側は「変わったアイディアを出すより、中高年向けに安易な焼き直し番組を作っとけばいい」と考えるに決まってる。だから、今のテレビはどの局を見ても同じような番組であふれているんだよな。

 ネットの隆盛とかテレビの劣化とかいう前に、「視聴者が作り手にナメられている」って状況があるんじゃないの。「テレビがつまらない」のはもちろん作り手が悪いんだけど、もしかしたら「見る側」の責任もある気がするぜ。