法案成立日に「国会前で反対デモ」なんて、愚の骨頂だ。
デモをするなら投票日。でなきゃ手遅れだよ。
「政治に無関心な若者」ってのはもちろん問題だけど、一方で「政治参加に熱心な人たち」のやり方も、そんなに賢いとは思わない。
2015年の安全保障関連法案成立の時には、国会前やらで反対派のデモが起こって大騒ぎになった。「SEALDs」はじめ、若者たちが参加しているっていうのが話題だったよな。それを褒める声がある一方で、元ライブドアのホリエモン(堀江貴文)や爆笑問題の太田光が「デモをしたって意味がない」というようなことを言って、賛否両論が巻き起こっていた。
オイラの意見を言おうか。まァ、パフォーマンスとしては理解できるけど、デモの「効果」は不明だよ。まず、安保に反対しようって動きだったのに、妙に反対運動がアメリカかぶれな感じがするのも変だ。「SEALDs」って名前も英語だし、ラップみたいな音楽を連呼してたりさ。安保法案の向こうにアメリカって存在があるのは明らかなんだから、もうちょっと「純和風」のやり方で対抗したほうがいいんじゃないかって思うんだけどさ。こういう左寄りの人たちだけじゃなく、保守や右翼と言われる中にも、「アメリカに追従しよう」ってのが多いし、右も左もアメリカかぶれってのはなんだか笑っちまう。
あと、国会前で法案成立前にデモを起こすっていうのも、よくよく考えりゃ珍妙な話でね。もともと国民が選挙で国会議員を選んで、その結果として法案を通しているわけでさ。「反対って言ったって、選んだのはお前らじゃねえか」って思っちまう。
だから、本来なら、デモの矛先は「一般のニッポン国民」っていうのが正しい。「こんなバカな政治家を当選させるな」「キチンと投票に行け」ってことを、ちゃんと国民に訴えるほうが先だろ。法案が通る頃になって騒ぎ出したって、とっくに遅いって話だよ。実は選挙の日に9割方勝負がついちまってる。
まずデモを起こすべき場所は、投票前日の夜の東京・新橋の駅前だ。焼き鳥を食って酔っ払ってるオヤジに、「お前らが何も考えないからバカ議員がはびこるんだ」「こんなところで酒を飲んでる場合じゃない」と大音量でやってくれってね。あとは、選挙の朝の高速道路の入り口やサービスエリアで「旅行やゴルフに行ってる場合じゃないぞ!」ってやったりね。
政治の話をしていて特に思うことだけど、ニッポン人は、どんどん「当事者意識」がなくなってる。相変わらずの投票率の低さってのは、まさにその象徴だろう。
だけどニッポンは、こんなことでいいんだろうか。世界中で無差別テロは止まないし、シリアやら情勢不安の中東から流入する移民でヨーロッパは揺れている。イギリスではEU離脱を決めた国民投票もあった。すぐ隣の北朝鮮だって、いつ暴発して難民が押し寄せてくるかわからない危険を孕んでいる。
これまでパレスチナ紛争ではノーベル平和賞受賞者が出たりもしたけど、まったく解決には至っていない。もうこれだけ問題がこじれてしまえば、「平和を」なんて何度叫んだって意味がない。「第一に○○をする」「第二に××をする」ときちんと解決への筋道を提示して実践できたら、その人にノーベル賞を5個やってもいいと思うぐらいだ。
それくらい世界中で真剣に考えなきゃいけない問題がたくさん起こってる。それなのに、ニッポンじゃ話題になるのは『ゲスの極み乙女。』やショーンKのスキャンダルばかり。政治の話題だって、小物の政治家のセコい汚職ぐらいが賑わすばかりだ。問題の深刻さがまるで違うのに、ニッポンじゃ国内のどうでもいい話題のほうが注目を集めて、国際問題はほとんど見向きもされない。
もしかしたらニッポンは世界の中で「テレ東」みたいなもんなのかもしれない。テレ東は、田中角栄が逮捕されたときだって他局がみんな特番をやっていたのにアニメを放送してたし、東日本大震災3周年の日も、各局が震災特番をやる中で1局だけ映画の再放送をやっていた。ニッポンは世界からそれぐらい特異な存在だと思われているんじゃないかって気がするぜ。
もちろんテレ東の場合はカネがない中、どうやって先行する他局に対抗するか、どうやって視聴者のニーズをつかむかって考えた上での独自路線なんで、単純に「他の国に興味がない」ってニッポンとは根本的に違うんだけどさ。だからテレ東のみんな、こんなことを言っても悪く思わないでくれよ。
とにかく、国として、人として、「よその国で人が毎日死んでいることに無関心」ってのはやっぱりまずいんじゃないだろうか。