インターネットは本当に「いいことばかり」か?

現実は「バカのための拡声器」になっている。



 テレビがいかに規制だらけで不自由かってことは話したけど、一方で「ネットは規制がなく自由で素晴らしい」って論調も間違ってる。そもそもテレビががんじがらめの自主規制を強めたのはネットの影響が大きいだろう。

 ネット社会では、番組へのクレームが直接メールやらでスポンサーに行ってしまうから、テレビ局がなおさら萎縮してしまう。「お前の会社が提供している番組はこんなふざけたことを言っていたぞ!」と企業に直接苦情を入れたり、「不買運動を起こせ!」とネットでけしかけたりするヤツが出てきた。だからスポンサーに迷惑をかけたくないテレビの制作側が勝手に「言葉狩り」や「問題タレントの排除」を始めちゃうんだよ。

 ネット社会じゃ、相反する2つの意見があったとしても、多くの場合論争にならない。論争というより、多数派が少数派を寄ってたかって袋叩きという図式になってしまう。名前さえ出さない匿名のヤツラが、ターゲットを決めてリンチする。そんなもんに狙われちゃたまらないってことで、テレビが臆病になってる。

 ネット=悪とは言わない。情報ツールとして活用したり、仕事や表現の可能性を広げてる人も多いだろう。だけど、「バカが簡単にモノを言う社会」を作ってしまったのも確かだ。


 思い出すのが、2歳の長男にタバコを吸わせた24(いずれも当時の年齢)が、その様子をフェイスブックにアップして逮捕された事件だ。注目されて「いいね!」をたくさんもらえればいいってぐらいに軽く考えてやったんだろうけど、やっていいことと悪いことの区別すらつかないんだから、どうしようもない。

 結局、このバカ親のやってることは、カエルをストローで膨らませたり、昆虫の脚をもいで面白がっているクソガキと変わらない。そんなヤツは昔から腐るほどいたけど、今と決定的に違うのは「バカに発信手段がなかった」という点だ。昔はバカなヤツが自分のバカさを拡散する方法なんてなくて、「近所にヤバいヤツがいるから近づくな」程度で済んだ。だけど、今や誰もがスマホから自分のバカさをワンタッチでアピールできる。だからやることがエスカレートするし、迷惑をかけられる対象も広がっちまう。

 もう情報化社会がここまで来てしまったら、いっそのことスマホやパソコンの所持も、自動車運転や飲食店の営業みたいに「免許制」にしたほうがいいのかもしれない。たとえば一定の常識問題や倫理観のテストをしないと、ネットにアクセスできないようにするとかね。それくらい「バカが物申す社会」が深刻だということは、考えておいたほうがいい。