軽くドアをノックした。はーい、と聞き慣れた声が帰ってくる。瞳の奥がじわっと熱を帯びるのを感じながら、ドアを開ける。
白い清潔な部屋の中で、壁の色よりも白い白衣を着たその人がいた。
「兎斗?」
亜利沙は立ち上がって、私のことを見つめた。本当に大きくなったなぁ、と思ったら、少し笑えてきた。私の隣には、雪と宮地が立っている。
「先生、お誕生日おめでとうございます」
私が言うと、先生はびっくりしたように目を見開いた。そんな先生に、薔薇の花束を手渡す。受け取った先生は、照れたような困り顔で肩を竦すくめた。