【第3章】処女膜なんてあるはずなかったのに
ローラさんと美奈──母娘の人格が入れ替わってから、数日が経過した。
ふたりの人格が元に戻る兆しは、今のところは全くない。
そのため、生活のリズムはちょっと変わった。
「(コンコン)美奈ー、朝だよー。そろそろ起きようかー」
「…………あれっ? おっぱい!? えっ、どういうこと!?」
「……そろそろ、それにも慣れようかー」
「えっ……あ、ああ、ママの部屋だ……」
美奈を起こす時は、本人が『ローラさん』の身体の中にいることを自覚するまでの、ちょっとしたタイムラグが必要になった。
「ローラさーん、そろそろ起きないと学校に遅刻するよー」
「(ガチャッ)おあよー、きょーま……」
「はい、おはよー……って、どうしてパンツ一丁で出てくるのさ!」
「今さら良いではないか、パンツの中身だって何度も見たじゃろう、お主も……」
「美奈が怒るよ、そんな言いぐさ! 百歩譲って、せめてブラくらい着けようって。いや、もっと譲らなきゃダメだけど……」
「このちっぱいに、乳当てなど要らぬじゃろ……ふぁ〜あ……」
ローラさんは、元の身体の時より『すっぽんぽん率』が上がってる気がする。親しき仲にも礼儀あり、そこら辺は口うるさいくらい注意するのが日課になっていた。
「行ってきまーす」「行ってくるぞ」
「いってらっしゃーい。車に気をつけてねー」
『ローラさん』──の姿をした美奈に見送られて、『美奈』──の姿をしたローラさんと登校する。さほど回数を重ねたワケじゃないけど、これにもだいぶ慣れてきた。
おかげで道すがら、こんな会話をする余裕も出てくる。
「ローラさん、授業は大丈夫? 教科によっては、結構しんどいんじゃない?」
「うむ……古文とか日本史は、それなりの覚悟もあったんじゃが……英文読解が予想外に難物じゃの」
「英文読解が? イギリス人以外でも、ヨーロッパの人は英語平気だって聞いたけど」
「ワシらの住んでおったあたりの日常会話は、もっと古めかしい言葉遣いが普通じゃったからのう。ワシからすると、授業の英語は……ええと、日本語で喩えると……そうそう、『ぎゃる語』っぽいんじゃな」
「……ギャル語ッスか……そりゃ厳しい……」
「そもそも、欧州をひとくくりにしてはいかぬぞ。確かに文法の似ておる言語は多いが、全く違う地域もあるしの。ていうか、仏蘭西あたりの連中になると、英語が分かるクセに、英吉利人相手にも仏語を使うへそ曲がりも多いしのう」
──何か、偏見が混じってるような。
「おはよう、美奈!」「神浦ちゃん、おはよー。今日もロリ可愛いねー」
「おはよー、久美ちゃん。明日香ちゃん、褒め言葉に『ロリ』はいらないよぉ」
教室に入り、クラスメートと和やかに会話を交わす『美奈』。いつの間にか、ぎこちない感じはすっかり鳴りを潜めていた。よく見ると、微妙に本物と仕草が違うけど、よほど注意して見ないと気づかない誤差にすぎない。大した化けっぷりである。
特に、クラスメートの名前と顔が既に一致しているのが素晴らしい。本人に言わせると、
『客商売じゃぞ? そのくらいは雑作もないわ』
とのことらしい。その割に、俺に答えた時は得意げだったけど。
ただ、その点ではひとりだけ、要注意人物がいる。
「お、おはよー、経真」
──恬子である。
「よ、よう」
「……最近、どう?」
「はっ?」
この数日、俺や『美奈』に対する態度が、あからさまにオカシイのだ。
よそよそしいというか、警戒しているというか──もちろん、恬子とローラさんにあまり長話をさせて、ボロが出るのも怖いので、このくらいの距離感の方が当面は安全なのだが。
(でも、何かオカシイって察してそうなんだよなあ……こいつ、家の手伝いで巫女さんやってるからか、昔から妙に霊感強いし)
そんなわけで、
「ま……まあ、ボチボチかな」
「そう、そりゃよかった」
「…………」
「…………」
(キーン、コーン──)
と、俺たちの会話は不自然さたっぷりなまま、終わる。
ちょっとこれは、放っておくと問題になりそうな気がする。
相手が恬子だから、いっそ俺たちの状況を全部打ち明けて、力を貸してもらうという手もないではないが。
(もし万が一、本当に美奈が言う通り、こいつが俺を好きでいてくれたとしたら……どのツラ下げてお願いすればいいんだよ……)
そこまで無神経な男にはなりたくない。恬子は大切な──親友だから。
──何とか無事に学校での一日を終え、俺とローラさんは『ホラーハウス・カーミラ』の店舗側から家に帰った。
「ただいま、美奈」「うー、脳みそが疲れたのじゃー!」
「いらっしゃいませ……あ、お帰りなさい、ふたりとも」
エプロン姿の美奈は、ブラシを使って、売り物のホコリ取りに余念がなかった。
「今日も大丈夫だった?」
「まあ、何とかな。ただ、ローラさんは──」
「ワシは夕飯まで、少し昼寝をする……お主らはここで、好きに乳繰り合うておれ……」
苦笑する俺の脇をすり抜け、ローラさんはひとり疲れ果てた顔で自宅に戻っていく。
「……どうしたの?」
「知恵熱だってさ。脳の普段使わない部分をフル回転させてるから、大変みたいだよ」
「そっかあ……後で、甘いお菓子を用意してあげようかな」
「そういう美奈こそ、『店長代理』の調子はどうだ?」
「うん、何とかなってる。でも、商品の仕入れとかはママじゃないと分からないから、いつまでも私が店番ってわけにもいかないよねえ……」
「うーん、どうしたもんだろうなあ……」
すぐには解決しそうにない難題に、俺たちは顔を見合わせてうめく。
それにしても──。
「……経真くん?」
「うん?」
「どうしたの、私の顔をジッと見て」
「ああ、何でもない。ただ、ずいぶん雰囲気が変わるなと思って」
「雰囲気?」
そう、雰囲気。
普段のローラさんは、男勝りで、快活で、挑発的で、それでいて色っぽさ全開で。
だけど、美奈の人格になった『ローラさん』は、漂わせる空気がほんわかしてるというか、上品な色気がジワジワとにじみ出ているというか。
(いわば……天然お姉さん、か……)
「……そんなに見つめられると、困っちゃう」
気がつくと、『ローラさん』の顔がほんのり赤らんでいた。
「ああ、ごめん……これはこれで可愛いなと思って……」
「え、ええっ!?」
「いや、そんなに驚かなくても」
「でも、見た目はママだよ!?」
「ハハハ、その表現もローラさんに失礼だな」
そういう意図じゃないのは承知の上で、ちょっと美奈を茶化してみたくなる俺。
「ただ、どんな見た目になっても、美奈は美奈なんだなって、妙に感心しちゃってさ」
「……ホントに?」
「もちろん」
「おっぱい、小さくないよ?」
「どんだけおっぱいがコンプレックスなのさ、キミは」
「だってぇ……」
「大きさが問題じゃないんだよ。美奈のおっぱいが良いおっぱい……ってことじゃダメ?」
「…………」
「…………」
──しまった。自分で言ってて、すげえ恥ずかしくなってきた!
「セ、セクハラでごめん! 気にすることないって言いたかっただけなんだけど、何か変な感じになっちゃった──」
「ううん……ありがとう」と、美奈は『ローラさん』の顔で、上目遣いで俺を見つめて笑った。
「私、経真くんにさえ喜んでもらえるなら、それが一番だから……」
「美奈……」
「経真くん……」
「…………」
俺は、赤面している美奈の右肩を左手でそっと抱き寄せると──空いた右手で近くの商品棚から『切り裂き魔のナイフ』(ジョークグッズ・吸盤型ダーツ)を1本掴んだ。
「……そこだ!」
振り向きざまに投げると、ダーツはわずかに放物線を描いて宙を舞い──店舗と自宅を繋ぐ出入り口の陰からこちらを覗いていた、ローラさんのおでこに、
(ピタッ!)
「にゃあっ!?」
「えっ……ママーッ!?」
「ローラさん、昼寝してたんじゃないの!?」
俺がしかめ面を作ると、おでこにダーツを生やしたローラさんは、それはそれは悪い表情を作って捨て台詞を吐くのだった。
「ちっ……いつまで童貞気取りなんじゃ。男ならガッといけ、ガッとぉ……!」
(……ガラの悪い『ロリババア』だな、この人……)
「そんなワケでじゃ。ワシは夕飯を食べたら、ちょっと散歩をしてから店の倉庫の整理をする。よって、この家はふたりきりとなる。覗いたりはせぬから、お主らさっさとヤッてしまえ!」
「…………また、色気も風情も全くない無茶振りが来ましたよ……」
──美奈が台所で夕食の準備の仕上げをしている最中、ローラさんは「何が無茶振りか」と渋い表情を作った。
「お主ら、一度はまぐわったではないか。それなのに、見たところお主も美奈も、お互いまともにアプローチのひとつもない。お主らは同じ屋根の下で暮らしておって、珍棒がたぎったり女陰が疼いたりせぬのか?」
「年頃の娘さんの親が言う台詞じゃないよ、それ」
何故に俺の方が、ローラさんをたしなめなければならないのか。
──そもそも、ヤリたくないわけがないじゃないか。
俺だって、年頃の健康な男子だ。性欲なんて、それこそ売るほど有り余ってる。
それなのに、親戚とは言え、気になる女の子と若すぎるお母さんが、俺とひとつ屋根の下で暮らしているんだ。
エッチな本を買ったところで、それをオカズにオナニーする機会は限られてる。
邪念を断ち切って暮らしていこうにも、美人母娘のパジャマ姿やお風呂上がりの様子、時には下着姿まで見せつけられる。
特に今年に入ってからというもの、美奈を恋愛対象としても見ることが増えたこともあって、日々悶々とした生活を送ってきたのだ。
そして、美奈への告白と、初めてのセックス──本当ならその日を境に、坂道を転げ落ちるようにヤリまくっても、不思議じゃないのかもしれない。
ただ──できなかった。
そう簡単には、『同居中の彼女とヤリまくりライフ』とはいかないのだ。
理由は、至って単純。
「……『ローラさん』の身体に手を出すのは、さすがに問題あるじゃん」
「ほっ?」
「何だよ、その意外そうな顔」と、俺はローラさん以上に渋面を作って説明した。
「あのね、俺がこれまでエッチをした身体は、美奈のものだけなんだよ。今、ローラさんの人格が入ってる、その身体。中身がローラさんのままでエッチするのも充分問題だと思うけど、とにもかくにも俺は、美奈の身体以外には手を出してないの」
「ふむ……それが、どうしたんじゃ?」
──どうしてそこで、ローラさんは要領を得ない顔をしてるんだろうなあ。
「ていうかさ……自分の身体に俺が手を出すのって、ローラさん的には大丈夫なことなの? 俺、さすがにそれは失礼だと思って、いろいろ我慢してるんだけど」
義理の伯母さん相手にこんな赤裸々な話をすることなど、今まで想像したこともなかった。それでも俺は、恥を忍んで道理を説く。すると。
「…………おー!?」
ローラさんは急に、疑問が氷解したと言わんばかりに手をポンと打って、しきりにうなずいた。
「おー、おー、そういうことか! お主、そういうことを気にしておったのか!」
「分かってくれた?」
「分かった! よう分かったぞ! それなら、ここでお主に言うておこう──」
そして、俺の耳元に口を寄せると、ボソリと一言。
「ワシの完熟ボディー、存分に堪能するが良いわ♪」
「……よくもまあ、簡単に言うな、この人は……」
「難しく言うのは、また今度じゃ」と、イタズラっぽく笑うローラさん。
「ともあれ、ヤるなら今のうちにヤるが良い。ワシにも心の準備というものがある」
「はっ? それって、どういう──」
「お待たせしました〜。今夜はクリームシチューだよー」
──俺が問い返そうとしたところで、美奈が料理を運んできた。
「学校に行かない分、仕込みの時間も取れるから、こういう煮込み料理も作れるんだ♪」
「おー、美味そうじゃ! ほれ、さっそく馳走になろうぞ、経真よ」
「う、うん……」
つまり、今のところは答える気がないということだろう──俺は不承不承、この場は引き下がることにした。
「ところで美奈よ、かくかくしかじかで、今日は頑張って経真とまぐわうのじゃ♪」
「えええーっ!? だ、だけどこの身体、ママのだよ!?」
(……やっぱり美奈もか。普通はそういうリアクションになるよなあ……)
夕食が終わり、『では励めよ♪』と手で卑猥なサインを出しながらローラさんが外出して。
──そして今は、美奈とふたりきり。
「…………」
「…………」
ローラさんの寝室ベッドの上で、俺と美奈はお互い向き合って正座したまま、しばらく無言の時間を過ごした。
「…………す、すごく切り出しづらいな、こういう雰囲気……」
「あ、あはは……ホントにそうだね……ものすごく照れちゃう……」
俺がようやく口火を切ると、美奈は『ローラさん』の顔に照れ笑いを浮かべてうなずいた。
どちらも、既に入浴は済ませてある。歯磨きもバッチリ。変な汚れや臭いで雰囲気を壊すことは、ないはずだ。
──しかし実は、そこまで準備万端な状態でエッチを始めた経験が、俺にはなかったりする。
(初エッチも、風呂に入る前だったしなあ……次の朝、ローラさんにフェラチオされた時は言わずもがな。学校のトイレでヤッたのなんか、論外だよな……)
「……あ、あのさ、経真くん……」と、その時不意に、美奈の方から口を開いた。
「ちょっと、試してみたいことがあるんだけど……いいかな?」
「え? いいけど……」
「じゃあ……は、裸になって、ベッドの端っこに腰掛けてね」
「…………?」
試してみたいこととは、エッチのプレイの話か──それなら、協力しないワケにもいくまい。俺は言われた通り、上も下も全部脱いで、ベッドの端に腰を下ろす。
その間に、美奈も着衣を脱ぎ捨て、シルクのブラジャーもそっと外して、俺の正面にひざまずいた。
「んっと……も、もう……大きくなってるね……」
「そ、そりゃあ、美奈とエッチできると思えば……ねえ」
「クスッ……そう言ってもらえると、嬉しいな……んしょっ」
『ローラさん』の顔ではにかみながら、たわわな巨乳を下から持ち上げる美奈。
そのボリュームに、俺は想わず感嘆の声を上げた。
「……デカイな、やっぱり……!」
「ね? 何を食べたら、こんなに大きくなるんだろ……」
実はこの巨乳──風呂上がりのローラさんがふざけてノーブラで家中を闊歩した時など、何度か直に見た経験はある。
『そんなことすんなよ!』と抵抗したことも一度や二度ではきかないが──その都度、張りのある乳房や、少し色づいた乳首などが網膜に焼きついて、俺はそのたびにベッドで悶々とさせられたものだ。
そんな、俺の煩悩を刺激して止まなかった双乳が──今、俺の怒張に近寄せられ、左右に広げられ、そして、
「んっ」
「おぅ……」
──怒張を両側から挟み込んだ。
「や、柔らけー……っ!」
俺は瞬時に、無意識のうちにうめいてしまった。
この間は、『美奈』の微乳ですらとても柔らかくて感動した俺だったが、美奈に失礼なのを承知で表現するなら。
(……格が違う! おっぱいって、これなのか!!)
「すごい……経真くんのが、もうこんなに熱い……」
美奈も、初めての感覚に目を丸くして驚いている。
「人間の身体って、こんなに熱くなる部分があるんだね」
「ま、まあな……それをいうなら、女性のオマ×コの中の方が、よっぽど熱い気がするんだけど……で、これはひょっとして、アレをしてくれるのかな?」
「うん。昔、雑誌で読んだことがあったから……私じゃ一生できないと思って、その時は気にもしなかったんだけど……」
「なるほど」と、俺は大きく納得した。ある意味、今しかできないかもしれないことを、美奈はしようとしているのだ。
「じゃあ、お願いしようかな──パイズリ」
「……うんっ」
改めてお願いする俺に、美奈は嬉しそうにうなずいてくれた。
そして、左右の乳房を外側からさらに押し、間に挟まっている剛直を圧迫した。
柔らかな圧迫感が、俺の性器と理性を包み込んでいく。
「んー……おっぱいが温かくて、気持ちいいな……」
「動くけど、何かおかしかったら言ってね……んっ」
いよいよ、美奈が動き始めた。両乳肉を外側から押さえつけたまま、身体を前後にゆっくりと揺すったのだ。
「んっ……んふっ……ん……」
美奈の密やかな息遣いだけが、寝室に響く。
そのたびに、赤紫色に充血した亀頭が、歪んだ乳肉の合間から出たり、埋没したり、再び突き出たり──を繰り返す。
「おお……この見た目は、いやらしいな……」
「何か、変なの……経真くんはジッとしてるし、動いてるのは私だけなのに……何だかここ、別の生き物みたい……」
俺の肉棒と、『ローラさん』の巨乳──どっちもまぎれもなく人体の一部なのに、このように合わさって蠢くと、まるで密林の奥や深海に潜む、未知の無脊椎動物のようにも見えてくるから、不思議だ。
「んしょ、んっ、んっ……ど、どうかな? 気持ちいい?」
「うん、気持ちいいよ……」
俺は単純に答えたが、この気持ちよさは、精神的なものの方が大きいかもしれない。
巨乳にチ×コが挟まれているという感慨と、その巨乳が美奈のものであるという新鮮さは、実際のソフトな圧迫感以上に、俺の情欲を掻き立てる。
それは逆に言えば、元々の美奈の微乳でもきっと問題ないだろうという、妙な安心感にも繋がっていた。
だけど──それって、あまりおっぱいにこだわりがないってことでもあるんだろうか? 俺って、おっぱい星人じゃないってことなのかな──?
「……いや、おっぱいはおっぱいだろ……」
「えっ、どうしたの?」
「ああ、ごめん、何でもない」
「…………?」
小首を傾げつつも、美奈は乳肉で俺の怒張をしごき続ける。
やがて──その柔らかな塊の表面が、しっとりと湿り気を帯びてきた。美奈が熱心に動いているうちに、少しずつ汗ばんできたのだろう。
「ん……ふぅ……これ、結構動くんだね……」
「疲れるまでやらなくてもいいよ」
「ううん、私がやりたいの……胸に挟まれてるオチ×チンが、ピクピク震えるのが、何だか可愛くて……♪」
「お、おう……可愛いか、これ?」
「アソコの中にいる時は、あんなに逞しいのにね」
「…………」
「……あっ、膨らんできた」
「ははは……今の美奈の一言に反応しちまった」
普段のロリロリした風貌じゃなくて、『ローラさん』の──しかも、普段のローラさんより角の取れた『優しいお姉さん』な感じの見た目だからだろうか。
俺の心をくるむように響く、おっとりした声色で、ふとした拍子にエッチな言葉を投げかけられると、普段より激しく俺の性欲が反応している気がする。
「んっ、んしょ、んしょ……アハ♪ 何だか、経真くんの顔つきが、ちょっとトロンってしてきた。気持ち良くなってくれてるのかな?」
「も、もちろんだけど……俺、そんなにだらしない顔になってる?」
「どうなんだろう……キリッとした感じとは違うよね。私、嫌いじゃないよ?」
「そ、そか……」
強く圧迫されることなく、じっくりと高められていく俺の射精衝動。
汗ばんできたことで、少しずつ立ちこめ始めた『ローラさん』の芳香。
「ん……んふ……あ、あれ?」
「どうした?」
「何か……私の乳首も勃ってきちゃってるみたい……私も気持ちいいのかな?」
「さすがにそこまでは分からないなあ。でも、興奮はしてるんじゃないか?」
「興奮、かあ……えへへ、私もエッチな女の子なのかな」
「……そ、そうだと俺は嬉しいかも……」
不覚にも、ドキリとした。
俺を見上げての『ローラさん』の照れ笑いが、反則級に可愛い。
もともと見た目よりはずっとしっかり者だった美奈が、こうして『大人の女性の器』に入ると、こうも魅力的に映るのか。
「そうは言っても、経真くんにだけだからね?」
「分かってるって……あ、どうしよう……」
「どうしたの?」
怪訝そうに尋ねる美奈に、俺はちょっと恥ずかしげに告げた。
「うん……そろそろイキそうになったなと思って」
我慢できないほどではないが、本気になれば恐らく1分とかからず発射できるだろう。なので、ちょっとおうかがいを立ててみたくなったのだ。
「いったんやめて他のプレイに移っても良いし、口に発射しても、このまま胸に発射しても……美奈はどういうのがいい?」
「え、ええっ!? そんなの、考えたこともないよう!」
目を白黒させる美奈。普段の『ローラさん』なら絶対しない表情なのが、面白い。
「そりゃ、まだ1回しかエッチしたことないしねえ……でも、意味は分かるだろ?」
「わ、分かるけど! 分かっちゃうけど! ど、どうしよう、ええっと、ええっと……」
アタフタと考えた挙げ句、彼女の口から出た言葉は、
「……1回だけで終わり?」
「い、いや? 普通にエッチもしたいんですけど……」
「ホッ、よかった♪」
──畜生! 見た目は『ローラさん』なのに可愛いじゃねーか!
「じゃ、じゃあ……このままでイッて?」
そう告げつつ、美奈はパイズリを再開する。
「分かった。ただ、慣れない匂いだと思うから、臭かったらごめんな」
「うん……んっ、んんっ、んしょっ……オチ×チンがもっと熱くなってきた……」
膝立ちで、巨乳を駆使して男根を擦り続ける美奈。その姿を、座ったままの状態で見下ろすのは、不思議な充実感があった。
充実感の正体が『征服欲』と呼ばれるものだとしたら問題だろうけど、それよりも、美奈が俺のためにこういうことをしてくれてる──という事実が、単純に嬉しいんだと思う。
「血管が浮き出て、ビクビクいってる……すごい……」
熱っぽい呟きが、下半身に染み渡るように心地よい響きを帯びている。その声に自分の衝動を乗せるようなイメージで、俺は敏感な先端に意識を集中していった。
そして。
「おっ……そろそろ、来るっ……」
「わ、先っぽがプクッて膨らんできた……」
「イ、イクぞ美奈っ……くっ……」
「うっ、うん、いつでもどうぞっ……んしょ、んしょ……」
「くぁぁああああ……ッ!!」
──その瞬間、腰が反射的に、前に突き出た。
俺の怒張は自然と乳肉の向こうに突き抜け、美奈の顔面に照準を合わせて──そして、熱い白濁を思うさまにぶちまけた。
「ああああっ!? ……あぶっ! ……ぷあっ、いっぱい出てきてるぅっ!!」
顔面に──特に口や鼻のそばに大量の粘液を受けて、美奈は思わず驚きあえぐ。
「く……くぁぁっ……!」
ドクドクと、新鮮な精が次々に吐き出され、『ローラさん』の美貌を汚していく。だけど、その様子がなおさら、彼女の色っぽさを際立たせているように見えて、俺は下半身を何度となく痙攣させながら、息を呑んだ。