「本当にダメになっちゃわないでよ、ちょっとぉ……」
──結局俺は、イッたまま失神してしまったローラさんを、おんぶして帰る羽目になった。
「さすがに、こんなところをクラスメートに見られたら、俺たち明日からナニ言われるか、分かったもんじゃないよ? 分かってる?」
「にゃあ〜……アニャルは出口にゃ、入り口じゃないにゃ〜……」
「アンタ、実は寝たフリしてるだけじゃないだろうな、オイ!?」
口にする寝言が、ロクでもなさ過ぎる。知り合いに見られたら、それこそ身の破滅だ。
「そもそも、美奈に顔を合わせづらいよぉ……いくら何でも、俺ひとりでこの状況を説明しきる自信なんかないぞ……」
俺はぼやきつつも、周囲を絶え間なく見回し、人の目がないのを確認しながら往来を駆け抜ける。
それにしても──俺とローラさんがエッチすることに、事態解決のどんな鍵が隠されてるというんだろう。何だか、調子よく丸め込まれただけな気もするけど。
(……まあ、俺も気持ち良かったのは事実だから、あまりローラさんひとりのせいにするのもみっともないよな……)
「ムニャ……きょーまぁ……」と、ローラさんの猫寝言はなおも続く。
「美奈を頼むにゃ……美奈が一番可愛いにゃ……」
「……あーもう! そこまで娘思いな寝言を言われたら、腹も立てられないよ!」
ぼやきながら、だけどちょっと微笑みながら、俺は金髪少女を背負って帰路を往く。
──放課後も、学級委員連絡会で校内に居残っていた恬子に、その姿をバッチリ見られていたことにも気づかず。
「…………ナニやってんの、あのふたり? が、学校の中でエッチしてたとか、そういうオチならまだいいけど……どうして、アタシの意識に引っかかるのかしらね……? 単なる嫉妬? それとも、何か別の……何かしら……?」