『遺跡街』でメノウを仕留める。そのためにミシェルから指令を受けていたモモが受け取ったものが万魔殿パンデモニウムの右腕だ。

 影が、広がっていく。

 光をさえぎってできる、通常の影ではない。存在そのものが光を飲み込む、真っ黒な影だ。

 あれこそが、人間の負の思念が渦巻く広大無辺な異界への入り口。『遺跡街』から脱出しながら、見極めを終えたモモは小さく呟く。

「あの人は……」

 メノウの姿を脳裏に浮かべ、双眸そうぼう憤怒ふんぬを浮かべる。

「絶対に、許しませんよ」