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 ろううでかたかついだがさはかたちがエレベータでかいじょうがると、おおぜいひとたちがふなかっていた。なおはいばら姿すがたもある。

 がさはかみぎかたおおきなバッグをかけていた。そのバッグをふなつづはしまえてる。

 がさはかともろううでかたかついだぐれは、はしわたりながらった。

「もうすぐけいていとうちゃくします。みなさんはそれでなんしてください!」

 すると、ふなほうからうしばしりにやってきた。

おれぶんふねがある」

「あ、たのみます」

 ぐれろううでぶんかたからはずして、うしあずけた。


 そのころ。ベルモットはないのベイエリアにあるホテルにいた。

 リビングとしんしつられたスイートルームで、バスローブをったベルモットは、うつくしいけいえるまどぎわのデスクについていた。イチゴとシャンパンがかれたデスクでノートパソコンをひらき、タッチパッドにゆびすべらせる。

 そして、ひとゆびでキーをした。


 かいすいたされたドライデッキのなかで、ドライスーツにエアタンクをったピンガはかいちゅうドアがくのをっていた。

 やがてかいちゅうハッチがゆっくりとひらはじめた。

 ピンガはみずをかきけてハッチにかった。ひらいたハッチからかいちゅうへとく──。


 コンソールをそうしていたエドが、ハッとかおげた。

「またえんかくそうされている!」

なに!?

 まきまえきょだいモニターをた。ぶんかつされたモニターのなかに、かいちゅうハッチかいじょげるけいこくひょうている。

じたはずだろう」

 くろうと、エドはくやしげにくちびるんだ。

あらたなバックドア! グレースのやつ!!

「いつのに……」

 まきしんじられないといったかおつきで、きょだいモニターをつめた。


!!

 せんすいかんはつれいしょで、ジンがさけんだ。

 つぎしゅんかんはっしゃかんそうてんされたほんぎょらいあっしゅくくうされて、いっかいちゅうはなたれた。はなたれたぎょらいひょうてきかってかいちゅうすすむ──!


ぎょらいたん!」

 じゅつしゃこえとともに、けいこくおんがコントロールルームにひびいた。

 きょだいモニターにひょうされたレーダーめんでは、ぎょらいしめふたつのアイコンがものすごいスピードでパシフィック・ブイにせまっている。

「デコイはっしゃ!」

「デコイはっしゃりょうかい!」

 じゅつしゃまきめいれいふくしょうすると、パシフィック・ブイをかこきょだいなリングからはつのデコイがはっしゃされた。ぎょらいしんかってすすんだデコイは、よんまいすいへいひろげて、かいちゅうゆうしながらおんはっしんかいした。

 パシフィック・ブイにせっきんするはつぎょらいが、おんはっするデコイにせられ、しんおおきくえていく。

ぎょらいしんへんこう!」

「デコイにかかりました!」

 きょだいモニターのレーダーめんでは、しんえたぎょらいがデコイにかってすすんでいた。ぎょらいのアイコンがデコイのアイコンにとうたつすると、コントロールルームがおおきくれた。ぎょらいがデコイにぶつかってばくはつしたしょうげきが、はなれたパシフィック・ブイまでつたわってきたのだ。

「いいぞ!」「やった!」

 じゅつしゃたちはれにえながらも、しょうよろこんだ。


 せんすいかんはつれいしょでレーダーめんまえにいたウォッカは、ぎょらいきゅうしんえてひょうてきかられていくのをて、くそっとみした。

「デコイにられた!」

かまわん。つづけろ」

 ジンがめいれいくだすと、ぎょらいはっしゃかんしつのりくみいんもんはっしゃかんぎょらいそうてんした。


 むろたちとのでんえたコナンは、スケボーをってエレベータでかいじょうがった。

めてやる! やつらのせんすいかんめてやる!!

 エレベータがかいじょうとうちゃくすると、スケボーにってふなかう。

 はしまえおおきなバッグがいてあった。がさはかてたバッグだ。

 コナンはバッグのまえまり、バッグのファスナーをけた。なかにはイルカがたすいちゅうスクーターとかいちゅうヘッドセット、そしてがたエアタンクがはいっていた。

「サンキュー、はか

 ふなとうちゃくしたコナンは、かいちゅうヘッドセットをけてがたエアタンクをくわえると、イルカがたすいちゅうスクーターをってうみんだ。

 パシフィック・ブイからはなれたかいめんには、おおきなみずばしらつづけにがった。それはデコイにゆうどうされたぎょらいばくはつしたみずばしらだった。


 まどそとひろがるけいながめながら、ベルモットはシャンパンがそそがれたグラスにくちびるをつけた。たんさんげきともに、じょうひんあまみとほうじゅんかおりがくちなかひろがっていく。

 シャンパンをしたベルモットは、デスクのうえひろげられたノートパソコンにうつした。めんにはパシフィック・ブイのスリーディーデータがひょうされている。

 ベルモットはからのグラスをかたったまま、キーボードをそうした。『ロックかいじょ』のともに、パシフィック・ブイのリングぶんかくだいされる。

「ダメよ。たまばこは、うみそこしずんでないとね」

 グラスをほおてたベルモットは、ひとゆびでキーをした。


 とつぜん、デコイのはっしゃこうのハッチがじられた。

「デコイのはっしゃこうきません!」

 システムをそうしていたじゅつしゃさけび、まきが「なに!?」とがった。

「エド!」

 びかけると、あおざめながらコンソールのモニターをていたエドがかえった。

「ダメだ。ぼうぎょシステムもえんかくそうされている……!」

「なんだと!?

 まきがくぜんとした。まさかぼうぎょシステムまでえんかくそうされるとはおもいもしなかったのだ。

 デコイがはっしゃできないとなると、てきからぎょらいまれたらもはやけられない──!

 そのとき、べつじゅつしゃさけんだ。

ぎょらいそく!」

 きょだいモニターにひょうされたレーダーめんふたつのぎょらいしゅつげんして、パシフィック・ブイにせまっている。

まききょくちょう! けつだん!!

 くろこえげた。

90びょうちゃくだん!」

 ふたたじゅつしゃこえひびき、デスクにりょうをついたまきかおあせつたう。

 じゅうかおをゆがめたまきは、じょうたいこしてじゅつしゃたちのほうかえった。

そういんきゅう退たい! せつないすべてになん!! いそ!!


 うみんだコナンは、すいちゅうスクーターのハンドルをにぎり、ぎょらいばくはつにごったうみなかすすんでいた。

みずくうくらべてあっしゅくされないから、すいちゅうしょうげきびょうそくせんひゃくメートルにもなる。ぎょらいしょうげきけるには、がんしょうたいしかねぇ……)

 そのとき、とおくのほうなにかがしろあわいていっちょくせんはしっていくのがえた。ぎょらいだ。パシフィック・ブイにかっている。しかし、パシフィック・ブイからデコイははっしゃされていない。

(デコイがてねぇ! なんったのか!?

 しゅんかいしたコナンは、まえき、すいちゅうスクーターのスピードをげてかいちゅうすすんだ。


 ふたたほんぎょらいはなったせんすいかんはつれいしょでは、レーダーめんまえにいるのりくみいんがカウントダウンをはじめた。

ちゃくだんまでじゅうきゅうはち……」

 せんぼうきょうのそばにっているジンがニヤリとほほむ。

「これでパシフィック・ブイはしまいだ」

ろく……」

 レーダーめんひょうされたぎょらいのアイコンが、パシフィック・ブイにちゃくちゃくせまる。

 キールはけわしいひょうじょうでレーダーめんつめた。

いち……ゼロ!」

 ジンがカッとひらくとどうに、ぎょらいのアイコンがパシフィック・ブイにとうたつした。


 しろこうせきいてすすんだほんぎょらいは、パシフィック・ブイをかこむリングをすりけ、ちゅうしんめいちゅうした。

 ドオオオォォォンッ!

 すさまじいばくはつおんとともに、パシフィック・ブイのちゅうしんび、かいちゅうほのおひろがった。さらにすいちゅうばくはつうみらし、きょうれつしょうげきはなつ──。


 けいていなんしたまきたちはなみられながら、ばくえんげるパシフィック・ブイをぼうぜんつめた。

「なんてことだ……」

「ああ、パシフィック・ブイが……」

 おなふねったなおくしていた。

ろうにゃくにんしょう』システムをとうさいしたパシフィック・ブイが、そのシステムもろともにいましずもうとしている──。


 くろたちけいさつかんったけいていは、さいしょくいんせてふなはなれた。

 パシフィック・ブイのかいじょうからはばくえんがり、きょだいなクレーンがはげしいおとててたおれていく。

 なかくろけわしいひょうじょうくずれていくパシフィック・ブイをつめた。

(あのシステムはいくらでもあくようできただろうに、まさかかいするとは……。それとも組織ヤツらかいせざるをないじょうが、なにかあったのか……?)


 ぎょらいはなったせんすいかんは、パシフィック・ブイからはなれたがんしょうたいひそめていた。

あに、ピンガからです」

 はつれいしょにいるウォッカが、にしたスマホをジンにけた。

せ」

 ジンはスマホをると、みみてた。

さいげがわったようだな』

はやごうりゅうしろ。おまえせたいもんがある」

 ジンはそばにあるタブレットをチラリとた。めんには、ベルモットからおくられてきたシェリーのろうにゃくにんしょうけっひょうされている。

『そいつはぐうだな』

 うみにいるピンガのとくげなこえこえてきた。

『こっちはおまえしきえらそうなツラができねぇような土産みやげってるぜ。ごうりゅうするのがたのしみだな』

「ああ、あとでな……」

 ジンはみみてたスマホをにらみつけながらうと、スマホをろした。


 すいちゅうスクーターでかいちゅうすすんでいたコナンは、そうしたとおりがんしょうたいせんすいかんつけた。まえにあるいわかくれ、そうちゃくしたかいちゅうヘッドセットで、ヘリコプターでんでいるあかつうしんする。

こえる? あかさん! せんすいかんつけたよ。がんしょうたいちゅうふくあたりにいる!」

がんしょうたいかいかくにんみだが、はんひろすぎる』

せんすいかんかたちえたら、げきできる?」

 コナンはいながら、しゅうまわした。


 はいばらがさはからんいっしょうしのクルーザーにっていた。

 パシフィック・ブイがばくはつして、コナンのことがしんぱいになったはいばらは、すいちゅうスクーターといっしょかんぱんいてあったかいちゅうヘッドセットをり、そうちゃくする。

 すると、あかつうしんするコナンのこえこえてきた。コナンはせんすいかんがいるがんしょうたいのそばにいるらしい。さらにせんすいかんげきするつもりだ。

『できるが、どうするだ』

『なんとかするよ』

 二人ふたりつうしんれて、はいばらかんぱんくした。

どうくん……」

 せんすいかんげきするなんて、ちゃだ。しかもコナンはなんらかのほうほうで、せんすいかんあからせようとしている。けんだ。けんすぎる──。

なにしてんのよ、あのバカ……!)

 はいばらかんぱんいてあったがたエアタンクをり、くちにくわえた。さらにサメがたすいちゅうスクーターをげる。

あいくん!」

 かいそうじゅうせきにいたがさはかが、すいちゅうスクーターをってふちはいばらづいた。

あいくん! それはダメじゃ! バッテリーが──」

はかあぶない!」

 らんがさはかるとどうに、はいばらうみんだ。


 ピンガとのつうったジンは、ウォッカらとともにコンソールのモニターをていた。

「パシフィック・ブイはもうしずみやすぜ」

「よし。ピンガとのごうりゅうてんいそげ」

 ジンはニヤリとくちはしげた。

 とがったかんのスクリューがかいてんはじめて、せんすいかんがゆっくりときをえる。


 せんすいかんからややはなれたいわで、コナンはあないたいわにボールしゃしゅつベルトをきつけていた。バックルにベルトのせんたんをカシャッとはめむ。

 そのとき、いわいたすいちゅうスクーターがつよすいりゅうながされた。

 コナンがおどろいてすいちゅうスクーターがながれていくほうこうくと、ていしていたはずのせんすいかんうごしてぢかせまっていた。

 つよすいりゅうにさらわれたすいちゅうスクーターは、せんすいかんのスクリューにまれてばくはつする。

 コナンはとっさにベルトをきつけたいわにつかまった。スクリューがこすきょうれつすいりゅうながされそうになる。

 いわにつかまったコナンは、はげしいすいりゅうひっえた。

(まだだ……もっときつけてから……)

 せんすいかんちかづくにつれて、すいりゅうがさらにはやはげしくなった。いわをつかんだがしびれ、さらにかいちゅうヘッドセットとがたエアタンクがはずれてながされてしまう。

 ゴボォッといきしたコナンは、すいりゅうえながら、いわきつけたベルトのバックルにみぎばした。

いま!!

 しゃしゅつボタンをすと、バックルからはなボールがした。はげしいすいりゅうまれたはなボールは、せんすいかんしたまれるようにながれて、ばくはつする。

 くらうみなかはなたれたいろとりどりのせんめいひかりが、くろがねせんすいかんらしした。


「う、うみひかってます!!

 せんすいかんはつれいしょで、すいちゅうカメラのえいぞうていたのりくみいんさけんだ。

なに……!?

 ジンはコンソールにあゆり、のりくみいんかたしにモニターをた。

 くらかいちゅうで、すうのまばゆいせんこうきらめいている──。


 がんしょうたいじょうくうでホバリングするヘリコプターのなかで、あかはロケットランチャーをかまえて、そのときをっていた。

 するととつぜんがんひろがるしっこくうみからまばゆいひかりひろがった。きょだいひかりちゅうしんに、せんすいかんえいかびがる──。

そくした」

 あかはロケットランチャーのがねにかけたゆびちかられた。

しずめ」

 ほうこうほのおいて、ロケットだんはなった。

 はくえんいたたまいっちょくせんうみつらぬき、せんすいかんかんきんさった。ばくはつして、がいかくおおきなあなく。


 ロケットだんけたせんすいかんは、かんたいおおきくふるわせた。りのようなはらひびばくはつおんが、かんほうがくからつたわってくる。

 はつれいしょにいたジンたちは、とっさにそばにあるものにつかまり、しんどうえた。

 かんないけいほうのけたたましいおとひびく。

「なんだ! なにきた!?

 ジンがれにえながらさけぶと、

「エンジンしゅっ!!

はつでんからしんすい!!

そくりょくてい!!

「モーターてい!!

 せいぎょばんにしがみついたのりくみいんたちがつぎつぎこえげる。

「サブでんりょくえろ!」

 せんぼうきょうにつかまったウォッカがさけぶと、のりくみいんくびよこった。

「ダメです! つながりません!!

 きずったせんすいかんは、スクリューのかいてんするそくじょじょよわまっていき、やがてかんぜんまった──。


 ロケットランチャーをったあかは、ちいさくなっていくはなひかりろしていた。

「ボウヤ、よくやったぞ」

 ホバリングしていたヘリコプターはいっじょうしょうすると、ぞら彼方かなたへとえていく。


 はいばらすいちゅうスクーターでコナンがいるがんしょうたいかっていた。すいちゅうスクーターのライトをたよりにくらうみなかすすんでいく。

 すると、かいすみをゆらゆらとただようものがかすめた。

(!)

 それは、メガネだった。はいばらすいちゅうスクーターのアクセルをゆるめて、それをキャッチした。くろいふちのコナンのメガネだ。

どうくん……)

 うみなかただようメガネに、むなさわぎがした。

 はいばらはメガネをスカートのポケットにれると、すいちゅうスクーターのアクセルをぜんかいにしてぜんそくりょくすすんだ。

 そのとき、こんはメガネよりもっとおおきなものがただよっているのがかいすみうつった。

 けると──それはコナンだった。あおけになったコナンがあしをだらんとひろげ、ちからなくただよっている。かいちゅうヘッドセットもがたエアタンクもけていない──!

 はいばらすいちゅうスクーターのきをえ、コナンのほうかった。するとすいちゅうスクーターがきゅうげんそくしてまってしまった。パネルをると、バッテリーのマークがあかてんめつしている。

 はいばらすいちゅうスクーターをばなし、およいでコナンのもとかった。

(ウソ……ウソ……どうくん!)

 ひっみずをかきけてコナンのもとにたどりいたはいばらは、コナンのかたをつかんだ。きゅうができなくなったコナンは、うしなっている。

 はいばらくちにくわえたがたエアタンクのくうむと、コナンのはなをつまみ、くちからいきんだ。くちはなすと、ちからなくひらいたコナンのくちからくうれていく。

(ダメ……ダメ……!)

 はいばらなみだをこらえ、がたエアタンクのくうった。そしてふたたびコナンのくちいきむ。くちびるはなしたはいばらは、コナンのくちもとた。こんくうれていない。

 ややあって、コナンのくちからゴボッといきされた。

(!)

 はいばらがたエアタンクをコナンのくちてた。すると、コナンががたエアタンクをつかんでくうはじめた。


 かくせいしたコナンは、くちにくわえたがたエアタンクのくうちゅうった。がたエアタンクをくちからはなしてけると、まえはいばらがいた。コナンをていたけわしいかおが、フッとおだやかになる。

あぶねぇ……たすかったぜ、はいばら

 コナンはがたエアタンクをはいばらわたした。はいばらがたエアタンクをくちにくわえて、くうう。

 コナンはみぎじょうゆびし、ひだりはいばらした。

(さぁ、ゆっくりじょうしようぜ。きゅうじょうするとげんあつしょうになっちまうからな)

 つないだコナンとはいばらは、がたエアタンクのくういながら、ゆっくりとじょうしていった。


 パシフィック・ブイからだっしゅつしたピンガは、がんしょうたいとどまっているせんすいかんにたどりいた。かんしゅにあるぎょらいはっしゃぜんとびらにつかまりながら、ぼうすいケースにはいったスマホをる。

とうちゃく】とメッセージをったのに、へんとうがない。ぎょらいはっしゃぜんとびらかない。

 ピンガはもういちメッセージをった。

とうちゃくけろ】

 しかし、なんのはんのうもない。

(……なかれないか? あのろう!)

 せんすいかんのセイルをげたピンガは、かんほうこうおよした。


(ねぇ、どうくん。わかってる?)

 くらうみをゆっくりとじょうしながら、はいばらつなぐコナンのよこがおつめた。

しきわたしがシェリーだとバレたじょう、このままかえったらみんなをむことになる。そう、わたしにはもうかえしょはどこにもないの……)

 がたエアタンクのくうったコナンが、はいばらがたエアタンクをした。はいばららずに、コナンをじっとつめる。

(だから、あなたといられるのはこれがさい。バイバイだね。がわコナンくん……)

 はいばらかなしげにほほむと、コナンははいばらをグイッとってぶんちかづけた。そしてがたエアタンクをはいばらくちにくわえさせると、グッとかおちかづけた。せてニッとわらう。

ったろ? オレがぜってーなんとかしてやるってよ! まあ、このあと、スッゲーいろいろたいへんそうだけど……〟

 そうっているのが、はいばらにはわかった。しゅんに、はいばらほおあかくなる。

 コナンはまえき、ふたたびゆっくりとじょうしょうした。

 コナンとつないだはいばらは、ぶんけられたコナンのさまざまかおおもしていた。

 ──げるなよ、はいばら…。ぶんうんめいから…げるんじゃねーぞ…。

 ──そーいうかおしてたらどもにしかえねーんだからよ!

 ──しんぱいすんなよ! ヤバくなったらオレがなんとかしてやっからよ!

 はいばらあたまかんだのは、コナンのしんけんかおしんちたかお、そしてやさしいがお

(……どうして?)

 つなぐコナンのうし姿すがたに、はいばらこころなかいかけた。

(どうしてあなたはいつも、いつも……そんなかおができるのよ)

 やがてかいめんちかづいてきて、ぞらまたたほしひかりえてきた。コナンがはいばらかえって、ニッコリとわらう。

 そのほほくちびるて、はいばらはコナンにじんこうきゅうをしたことをおもした。

どうくん……あなたはらないでしょうけど、わたしたちさっき……キスしちゃったのよ?)

 ようやく二人ふたりかいめんた。そこは、パシフィック・ブイのふなのすぐそばだった。

 かいめんからかおした二人ふたりは、むさぼるようにいきった。


 せんすいかんしおにゆっくりとながされていた。しおさからいながらかんほうこうおよいできたピンガは、セイルのこうほうがくぜんとした。じょうかんぱんとうさいされていたはずのがたせんすいていがなくなっているのだ。

 メッセージをおくってもはんのうがなく、ぎょらいはっしゃぜんとびらかない。そしてだっしゅつようがたせんすいていがなくなっている──。

(そういうことかよ、ジン……!!

 ジンのいんぼうさとったピンガは、くちはしをゆがめてわらった。

 せんすいかんにはもうだれのこっていない。のこされたのはおそらくせんすいかんばすばくだんだけだ──。

 つぎしゅんかんせんすいかんがまばゆいせんこうはっしてばくはつした。

 せんこうにのまれるしゅんかん、ピンガはニヤリとわらい、ばくりゅうなかえていった。


 コナンとはいばらふながるとどうに、かいちゅうからりのようなばくはつおんがした。

 とつぜんまえかいめんがり、きょだいみずばしらがる。

(まずい……!)

 コナンはきょだいみずばしらたかなみとなってふなせてくることにづいた。このままではふなもろとものみまれてしまう──!

 そのとき、ボートのブイがなみにあおられてはしほうんでいった。

 コナンははしかってはしした。

 はしさくり、キックりょくぞうきょうシューズのダイヤルをすばやくまわすと、んでくるブイにかっておおきくジャンプした。からだじょうさかさまにして、あしこうおもる──!

っけえええええ──!!

 ブイははいばらじょういっちょくせんすすみ、ふなおそいかかろうとするたかなみおおきなあなけた。あないたたかなみは、ふなけるようにせてくずれていった。


 ジンたちせたがたせんすいていは、パシフィック・ブイからかなりはなれたかいちゅうせんこうしていた。のりくみいんでいっぱいのせまていないで、ウォッカはジンとかたならべてっている。

かいしたんですかい?」

「あのせんすいかんにはしきみつまってるからな」

「ピンガにはつたえたのよね?」

 そばにいたキールがたずねると、ジンはせてニヤリとした。

「さぁ……どうだったかな」

 せんすいていおだやかなかいちゅうすすみ、やがてしっこくやみまれるようにえていった。


 ブイをはなったコナンは、はしうえよこたわり、きゅうととのえていた。

「コナンくーん!」

 うみほうかららんこえがして、コナンはガバッとがった。うみほうくと、うしのクルーザーがちかづいていて、デッキでがさはからんっている。

「おーい!」

でよかったぁ!」

 らんたちの姿すがたたコナンは、ホッとむねをなでろした。

たすかったぞ、はいばら!」

 ふなかえると、はいばらあおけによこたわっていた。こえをかけてもピクリともはんのうしない。

「おい、はいばら!」

 コナンはした。かいだんりて、ふなよこたわるはいばらけよる。

はいばら! おい、はいばら!」

 かたさぶったが、はんのうがない。

「くそっ! げんあつしょう!?

 コナンははいばらあごさきげ、じんこうきゅうをしようとかおちかづけた。すると、

「んぐっ」

 じたはいばらが、コナンのくちふさいだ。さらにっていたメガネを、コナンのふとももにく。

「……え?」

 コナンがおどろいていると、ふなちゃくがんしたうしのクルーザーかららんはしってきた。

たいへん! あいちゃん! コナンくんどいて!」

 らんはいばらあたまよこにひざまずき、はいばらかおのぞんだ。はいばらじて、ぐったりとしている。

「ウソ……どうしよう……」

 らんはうろたえながらも、じんこうきゅうをしようとはいばらかおちかづけた。するととつぜんはいばらがムクリとがり、らんかおりょうさえてくちびるにキスをした。

!?

 コナンがおどろいてまるくすると、はいばらなにごともなかったようにパタンとふたたよこたわった。

「……え?」

 とつぜんキスをされたらんは、おもわずコナンとかおわせた。

「ね、ぼけてるのかなぁ?」

 コナンはあわててメガネをかけて、ごまかすようにわらった。

 二人ふたりまえよこたわったはいばらは、こっそりとけてコナンをると、くちもとゆるませた。

(ちゃんとかえしたわよ、あなたのくちびる