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 コナンたちがパシフィック・ブイにいたころにはかんぜんちて、ふなかりがともっていた。

 ふなでは、ろうくろとうっていた。

「それにしても、まさかこのボウズのうとおり、ホントにせんすいかんがいたなんて……」

 エントランスにかうちゅうで、ろうがまだしんじられないといったひょうじょうでつぶやくと、

かいじょうえいたいしゅつどうせいようせいした」

 くろがコナンたちにげた。

「さぁ、しつかいましょう」

 とうもうにくるまったなおはいばら、コナンをしつれていった。

 しつにはよんだいのベッドがかれていて、コナンとはいばらいちばんおくのベッドにならんでこしかけた。

さむかったでしょう。えとあたたまるものをようするわね」

「あ、つだいます」

 とうなおそろってしつく。ドアがじたのをかくにんしてから、コナンははいばらはなしかけた。

「さらわれたときのじょうきょうおぼえてるか?」

「ええ。エーテルでねむらされたわ」

 はいばらはそううと、かけていたメガネをはずしてふともものうえいた。そしてりょうをごしごしとこする。

「エーテル?」

「それをベースにピンガがつくったすいやくだとおもう」

 はいばらこといて、コナンはレオンハルトのくちもとからしたニオイをおもした。

「シンナーみたいなニオイするか?」

「ああ……まぁ、てるわね」

 レオンハルトのくちもとからしたニオイはエーテルだと、コナンはかくしんした。

(だとすると、レオンハルトさんはぼうするまえねむらされていた……)

ほかにはなにいてないか?」

 コナンにきかれて、はいばらはメガネをけててんじょうあおいだ。

〝ピンガのやつけいかくにないこうどうしやがって……〟

 なおがどこかへれていかれたときに、ウォッカがぼやいたことおもす。

「なんか……けいかくにないこうどうについておこってた」

けいかくにないこうどう?」

 コナンはあごててかんがえた。

 ピンガがおかしたけいかくにない『こうどう』──あんめぐらせたコナンのあたまに、ふたことかぶ。

けいかくにない……『さつじん』……?」

 そのとき、しつのドアがひらいた。かみコップをったとうなおはいってくる。

「おたせ。はい、どうぞ」

 とうあたたかいこうちゃはいったかみコップをはいばらした。

「ありがとう」

え、ここにくわね」

 はいばらえをベッドにとうのそばで、コナンはかみコップのフタをはずしてあつこうちゃいききかけた。

「おいしい」

 コナンのまえいたまるすわったなおは、りょうったかみコップにくちをつけてこうちゃんだ。そして、かみコップのふちおやゆびでそっとぬぐう。

 そのいちれんどうを、コナンはなにげなくていた。

 そのしゅんかん、コナンのあたまなかかんけいにバラバラにらばっていたものが、いっぽんすじつながる──。

「……そうか。そういうことか……!」

 すべてのなぞけたコナンは、ニヤリとみをかべた。

はいばら。ここでってろ!」

 っていたかみコップをまるにタンッといて、ベッドにてかけたスケボーをわきかかえてす。

「ぜってェなんとかしてやっからよ!!

「ちょっとコナンくん!?

 とうこえかけをして、コナンはしつからはしった。

(……ったく)

 コナンのうし姿すがたおくったはいばらは、しずかにほほんだ。

たせるのきよねぇ……しんいちくん


 メインルームには、しつにいるとうたちのぞいたいちどうあつまっていた。

 きょだいモニターのそばで、くろしらとりはプリントアウトしたかみまきせた。

「これは?」

「レオンハルトさんのけつえきけんけっです」

 くろうと、まきはピクリとまゆげた。

「……それで?」

きょうアルカリけいどくぶつけんしゅつされています」

ぶんせんざいなにかだろうとっていた」

 みじかかいだんがったところにあるまきのデスクのまえで、ろうらんならんでっていた。ろうかおをしてくろたちはなしいている。

「だからくちがただれてたんだな。やはり……ふにゃあぁッ!」

 二人ふたりはいにあるかいだんからりてきたコナンが、うでけいがたすいじゅうった。

 すいばりくびめいちゅうしたろうは、たおれるようにかいだんうしきにりて、ゆかでぐるりといっかいてんした。かいてんしたいきおいでがったろううしろにたたらをみ、たおれそうになったところに、ちかくにいたがさはかがすばやくける。

 ドスンといきおいよくこしろしたろうは、ひらいたひざうえひじをついてふかくうつむいた。まるでねむっているようないつものポーズに、

「なにぃッ!?

「こ、これは、ねむりのろう!!

 ぐれとエドがまるくする。

 コナンはすばやくまきのデスクにかくれて、ちょうネクタイがたへんせいくちてた。

「えー、みなさん。やはりなおさんのきし、あいくんをさらい、レオンハルトさんをさつがいしたはんにんがこのなかにいます」

 コナンがろうこえうと、いちどうそうぜんとなった。まきまゆをひそめる。

かれさつでは……?」

「いえ。すいやくねむらされたあとどくぶつさつがいされたのです」

「なんでそんなまわりくどいほうほうを……」

 しつからやってきたとうかいだんりて、くびかしげるぐれはいった。けいさついちどうはもちろん、グレースやエドをふくめたメインルームにいるしょくいんぜんいんが、ろうちゅうもくしている。

こんかいさつがいけいかくてきではなく、とっぱつてきはんこうだったからです。だから、あいくんしたときに使つかったのとおなすいやく使つかうしかなかった」

 そこまでうと、コナンはまきのデスクからひょいと姿すがたあらわした。

「エーテルのニオイのするくすりだよね」

 とってすぐにみ、ふたたちょうネクタイがたへんせいくちてる。

「ああ。そのニオイをごまかすために、たいをコーヒーまみれにしたんです」

「……しかし、あのえいぞうは?」

 しらとりいっまえて、たずねた。カフェのかんカメラえいぞうでは、レオンハルトがみずかどくやくらしきものをくちにしてコーヒーをみ、くるしみしてたおれたのだ。

さつそうするための『ディープフェイク』です」

「ええっ!?」「あれが!?

 いちどうおどろなかで、らんだけがきょとんとする。

「ディープフェイク?」

かんたんうと、ニセどうのことよ」

 とうおしえると、らんは「えっ、ウソ!?」とまるくしてろうほういた。

 レオンハルトのさつえいぞうがディープフェイクだといて、くろはすぐにてんがいったようだった。

「なるほど。だからカフェなのか」

「ええ。しつにはかんカメラがありませんから、ていれいとなっているカフェのせいそうかんようしたんです」

「だがじっさいにはせいそうおこなわれていない、ということか」

 くろことに、コナンはろうこえで「はい」とこたえた。

「キャンセルのれんらくれているはずです。そしてはんにんはそのなおさんどうようせいそうカートにねむらせたレオンハルトさんをれてせいそういん姿すがたでカフェにき、せいそうちゅうのプレートをぐちまえいてだれはいれないようにした。もちろんかんカメラはループえいぞうにしてね。そこではんにんはレオンハルトさんにどくやくませてさつがい。おそらくはんにんは、レオンハルトさんがいきえるまでそのにいたはずです。にざまをかんさつするためにね」

「ひどい……」

 らんおもわずくちもとさえた。そのにいるいちどうぜんいんが、けわしいかおをしてろうすいいている。

さきえいぞうつくってしまうと、どんなかたをされるかわからないですからね。そのはんにんはレオンハルトさんにふくえ、どくやくくるしむしばをしたんです。テーブルにかくれるようにたおれたのは、じっさいのカフェにあるかんカメラのえいぞうとリアルタイムでえるときに、しょうじないようにするためです」

ふくっていうのは……?」

 しらとりがたずねる。

「ああ、なにしろこのえいぞうは、かおだけがシージーからだはんにんですから」

「なんだって!?

 ぐれをはじめいちどうそうぜんとなった。そして、だれもがきょだいモニターにうつされたレオンハルトのえいぞうちゅうする。

からだまでシージーつくるにはかんりなかったんでしょう」

「しかし、どうやってそんなことを……」

 えいぞうながら、しらとりしんじられないといったかおでつぶやいた。

なおさんがかいはつした『ろうにゃくにんしょう』のじゅつ使つかったんです」

 コナンがろうこえこたえると、きょだいモニターをていたくろろうほうかおけた。

シージーかおつくじゅつか。しょくいんのデータならぜんっていたのうせいたかいな」

「しかしもうくん

 ぐれいっまえた。

「ワシにはほんものにしかえん。これがニセどうだっていうこんきょは……」

わたしはじめにこのえいぞうたとき、つよかんおぼえました」

かん?」

かれもとをよくてください」

 いちどうきょだいモニターをげた。

 えいぞうなかで、レオンハルトはコーヒーのかみコップをってカフェないあるいた。ふとまり、どくやくらしきものをくちふくむとつづけてコーヒーをむ。そしてかみコップのふちおやゆびぬぐう──。

「あっ!」

 さいしょこえげたのは、らんだった。

「あれって……」

 そばにいたとうがつぶやき、二人ふたりかおわせてうなずいた。

くちべにをしているじょせいとくゆうのしぐさ。おかあさんもよくやってた」

「そうなんです。このコップのふちくしぐさ。あなたはここでよくそうしてましたよね……グレースさん!」

 うつむいてせていたグレースは、まえばれて、メガネのおくひらいた。

 コナンは、グレースがコーヒーをんだときにかみコップのふちおやゆびぬぐっていたのをおもしていた。

「きっとそのしぐさがくせになっていたんでしょう。じょせいであろうとするあまりに……」

じょせいであろうとした?」

 しらとりはそのことっかかった。

「ええ。わたしかんただしければ、このひとはおそらくじょせいではないとおもいますよ」

!!

 そのにいたいちどうきょうがくして、グレースにせんけた。パンツスーツ姿すがたにスカーフをくびもといたグレースは、まんがおこしてている。

はんろんしないということは、やはりあなたは……」

おどろいてこえないのよ!」

 グレースはかみをかきげながらった。

おんなじゃないなんてわれるとおもってなかっ──」

「コナンからいたんだが、らん

 コナンはろうこえでグレースのことさえぎった。

あいくんした二人ふたりぐみ一人ひとりは、おまえりでくびしょうしてるとか」

「……あ、うん」

 らんちゅうしゃじょうはんにん一人ひとりまわりをはなったことをおもした。くびにヒットして、はんにんくるまんだ──。

なにを……ッ!」

 とつぜん、グレースがこえげて、らんかおげた。くろがグレースのくびいたスカーフをったのだ。

「そのアザ……!!

 スカーフをられてあらわになったグレースのくびには、あおいアザがあった。

「て、てか、のどぼとけがある、まじかよ!!

 エドにされたグレースは、ごくりとのどぼとけうごかした。フッフッフ……とちいさなわらごえげながら、メガネをはずしてて、カツラをつかみる。

 カツラのしたからあらわれたのは、コーンロウにげられたかみだった。

 コーンロウのおとこ──ピンガはどうどうとしたたいでそのかおをさらけした。

だれだ」「なにものだ」としゅうがざわつく。コナンはデスクのかげからピンガをじっとつめた。

 ぐれがピンガにいっちかづく。

「コーンロウのおとこ……フランクフルトのせつしんにゅうしたのもおまえか?」

「ああ」

「そのとき、ユーロポールのしょくいんつかったワケか……」

 はいせまったくろわれて、ピンガはからだきをえながらみぎみみにつけたピアスをひだりみみにつけえた。

かえったはずだったんだが、わるおんなだよな」

「レオンハルトさんをさつがいしたどうは?」

 くろがたずねると、ピンガはゆらりとかえった。

「……ていがいのせいでな。ぼうはんカメラえいぞうかいざんするひつようてきた。かりしょしたあとかんぜんこんせきそうとしたんだが、あのガキがついきゅうしたおかげで、レオンハルトがこんせきかんづきやがったんだ。だが、かいざんしたろくした。おれがやったしょうはない。あとはレオンハルトさえせばばんうまくいくはずだったんだがな」

 まきのデスクにかくれていたコナンは、くやしげにはなすピンガのみぎそでからスマホがてくるのをた。ピンガはうでげたまま、そでしたでスマホのめんをすばやくタタタとタップする。

 つぎしゅんかん、ピンガははしした。みじかかいだんがり、さいじょうにあるぐちかう。

のがすな!」

 くろさけぶとどうに、とうしらとりぐれはしした。

 みじかかいだんのぼったピンガは、そばにいたしょくいんたちばし、デスクにった。さらにジャンプして、ぐちつづてっこつかいだんすりにる。おどまわんでさらにかいだんがると、さきまわりしたらんこぶしにぎってびかかってきた──!

「ハアァァァ──!!

 ピンガはとっさにそくてんでかわした。

「またおまえか!」

 おどちゃくしたらんはすぐにがり、すりをえてピンガをう。

「おらっ!」

 ピンガがっていたカツラをげつけた。すりをえたらんはカツラをよけ、ダッシュした。そのしゅんかん

!?

 ナイフがんできた。ギリギリでかわしたらんに、ピンガがそくてんりをす。うでふせいだらんからだうしろにび、すりをえてちていく──!

「きゃあああー!」

 コナンはぜんりょくした。だがわない……!!

 コナンやがさはかよりはやらってんにたどりいたのは、くろだった。うでして、らんめる。

だいじょうか?」

「あ、はい……」

 くろきかかえていたらんをゆっくりとゆかろした。

みぎせいけんしたあとからだひだりながれるくせがある。をつけなさい」

「は、はい……!!

 コナンはしたまままっていた。となりがさはかおなじポーズをしている。そのうしろで、ろうからゆかたおちた。

 コナンはしたぶんちいさなた。このからだではったとしてもめることなんてできやしない──。

「どこにくつもりなんだ」

 まきこえがして、コナンはかえった。

げられるわけがない」

 ぶんのデスクについたまきが、パシフィック・ブイのかんカメラえいぞうをチェックしている。

 えいぞうなかで、コントロールルームをはしたピンガは、そのさきていみぎがった。

みぎがったぞ!」

りょうかい!」

 コントロールルームをしたしらとりは、つうはしった。ぐれとうあとう。

 コナンはきょだいモニターにうつかんカメラえいぞうていた。し、つうはしるピンガをちゅうする。

(いや、そうじゃない。あれは……)

 なにかにづいたコナンは、スケボーをってはしした。メインルームをてスケボーでつうけ、ていひだりがる。


 ピンガはドライデッキがあるかいちゅうぐちかっていた。うすぐらつうあるきながら、おんなものふくて、くろのジャケットをる。ドアのまえまったピンガは、ゆるんだネクタイをなおした。

て!」

 こえがしてくと、スケボーにったコナンがあらわれた。

「またおまえか。なぜわかった」

ろうかんカメラをいちはんてんしたんでしょ?」

 スケボーからりたコナンは、ニヤリとほほんだ。

「ピアスがぎゃくになってたよ」

「!」

 ピンガはひだりみみにつけたピアスにけて、まゆをひそめた。

「……いつからグレースがあやしいとにらんでた?」

「コーヒーをたのんだときだよ。フランスじんなら、これが『ふたつ』をあらわすってことをらないわけないからね」

 コナンはいながら、おやゆびひとゆびててせた。

 ほんじんゆびすうかぞえるときはひとゆびからてるが、フランスじんおやゆびからてる。グレースがフランスしゅっしんだといて、コナンはフランスしきの『2』をゆびつくってせた。しかし、グレースはコナンのゆびて〝オーケーとうりコーヒーをひとつね〟とったのだ。

「オメーはそれがわからなかった。そのときおもったんだ。このひとなにかのゆううそをついている、たいれないひとだってね」

 だまっていていたピンガは、ニヤリとくちはしげた。

「……さすがだな。どうしんいち

「なッ……!?

 コナンはいっしゅんみみうたがった。がくぜんとするコナンのまえで、ピンガはスマホをす。

おれもおまえになって調しらべたよ。まさかちいさくなってきていたとはな」

 そうってせたスマホのめんには、どうしんいちとコナンのぞうならんでいた。ぞうしたには『ろうにゃくにんしょういっ』のがある。どうしんいちを『ろうにゃくにんしょう』でけんさくしたのだ。

(やべぇ……)

 どうしんいちきているとバレた──。かつてないピンチにおちいったコナンのしんぞうなみつ。

(どうする? どうする!?

 コナンはあせちをさえながら、ひっかんがえをめぐらせた。

なおとシェリーはのがしちまったが、これをラムにせればおれしきでのしがり、おまえまつしたとおもっているジンのかおをつぶすことができるってわけだ」

 スマホをふところにしまったピンガは、かたをすくめてりょうひろげた。けっしたコナンが、いっいっちかづいていく。

つうじょうさつじんおかしてしまったひとへいじょうしんではいられない。だからつうとはちがこうどうってしまう。だが、アンタはぎゃくだ。れすぎてんだよ、ひとに!」

 コナンはピンガのまえまった。ピンガがいぶかしそうにコナンをる。

「アンタ、ジンにそっくりだよ……っていたいところだけど、やつならこんなヘマはやらねぇ。ジンもどきのただのチンピラってところかな?」

!!

 ピンガのひょうじょういっぺんした。

「ムカつくやつまえすんじゃねぇ!!

 いきなりコナンのくびもとをつかんでげ、ばした。ドアにぶつかったコナンのからだゆかちる。ピンガはゆかたおれたコナンにちかづき、バンッとドアにをついた。

「ジンのろうてるってだけでもむしはしるっつうのによォ! あのクソろうよりしたのもどきだと!?

 ピンガはゆかころがるコナンをった。

「がはッ!」

 からだこしてげようとするコナンに、なんりをれる。やがてれいせいさをもどしたピンガは、コナンのくびもとをつかんでげた。

どうしんいち! もちろんおまえれていく。いい土産みやげになるぜ。からだちぢんだからくりをラムのまえかせてやる!」

 ちゅうげられたコナンは、つうかおをゆがめ、れたくちはしめた。ピンガはコナンをげたままドアをけると、ドライデッキのまえにあるはいった。ドアをけたまま、ドアのよこにあるボタンをす。

 すると、つうおくからとうしらとりはしってきた。ピンガは二人ふたりている。コナンはとっさにピンガのジャケットのうちポケットにばした。

「くっ! このろう!」

 スマホをろうとするコナンにづいたピンガは、コナンのからだはなした。うちポケットからられたスマホをかえし、コナンにひざりをらわす。

「ぐっ!」

 りをれられたコナンはつうんだ。はいでドアがまる。

「コナンくん!」

 つうはしってきたとうが、コナンのそばでひざをついた。

「アイツ、なんてことを! はやしつに──」

だいじょう

 コナンはゆっくりとがった。

「……それより、あのときってごめんなさい」

 とペコリとあたまげる。

〝オレはホントにせんすいかんたんだ!!

 はいばらされたあと、ホテルでこえあららげてしまったことをあやまった。

「いいのよ、わたししんじてあげられなくてごめんね」

 とうも、コナンをしんじてあげられなかったことをびる。がったとうしらとりともにドアのまえった。

「おいけろ!」

けなさい!」

 ドアをたたいたり、ドアよこにあるたんまつのボタンをすが、ドアはかない。コナンはドアにけてはしした。

がすかよ!)

 そのとき、ポケットにれたスマホがふるえた。スマホのめんると──むろからのちゃくしんだ。

むろさん!」


 ないとうくるまめたむろは、コナンにでんをかけていた。

 うみこうがわにはたくさんのこうじょうのきつらね、すうしょうめいがプラントをらしして、げんそうてきこうけいつくしている。

「まだパシフィック・ブイにいるのか?」

 むろがたずねると、

『え? うん』

 イヤホンマイクからコナンのそうなこえこえてきた。

なにやってる。すぐにげるんだ。もうすぐそこに──」


「なんだって!?

 つうまったコナンは、むろことまるくした。

はやくみんなにらせないと──」

『いや、それはもうんだ』

 むろいたこえった。


 メインルームでは、くろこえげていた。

かえす! みんかんじんきゅう退たい! ぎょらいねらわれているのうせいがある!」

 しょくいんたちつぎつぎぐちかうなかぶんのデスクについたまきは、くやしそうにデスクをたたいた。

「ここにいるにんげんをシステムごとほうむるつもりか……ッ!」

 くろしょくいんどうするのをとどけながら、「ぐれ」とんだ。

じんとうたのむ」

「はい!」

 ぐれかいだんりて、ゆかころがっているろうった。がさはか二人ふたりろうからだこし、ろううでかたまわしてかつぐ。

「おとうさん、きてよ! おとうさん!」

「にゃあ~、ハッハッ……」

 らんこえしきもどしたろうは、きゅうわらしたかとおもうと、すぐにカクンとうなだれた。

 じゅつしゃたちとのこっていたまきは、コンソールをそうした。

あいはたかがせんすいかんいっていそうかずちがう。『デコイ』のじゅんだ!」

「はい!」

 あわただしくキーボードをまきうでしたで、デスクのうらがわりつけられたはっしんがキラリとひかった。


『デコイ?』

 むろみぎみみにつけたイヤホンマイクから、コナンのつぶやくこえこえてきた。

ぎょらいゆうどうするおとりだ。それよりはやくそこから──」

『あ、ちょっとって!』

 コナンのこえむろことさえぎった。

 イヤホンマイクから、ピッとスマホのそうおんこえてくる。そして、

あかさん!』

 コナンのこえがして、むろおおきくった。

あかだと!?


 むろつうしているちゅうべつのスマホがり、コナンはむろたせてでんた。

『どんなじょうきょうだ、ボウヤ』

 でんあかからだった。

「……って」

 コナンはそううとスマホのめんをタップして、スピーカーフォンにえた。さらにむろつうしているスマホもスピーカーフォンにえる。

「ピンガはせんすいかんむつもりだよ」

 コナンはいながら、りょうほうのスマホをゆっくりとちかづけた。

せんすいかんにダメージをあたえるべいぐんかられてある』

 ひだりったスマホからあかこえがすると、

べいぐんにっぽんこくない使つかか』

 みぎったスマホからむろけわしいこえこえてくる。


 あかせたヘリコプターは、はちじょうじまじょうくうんでいた。ヘッドセットからむろこえこえてきて、がいそうなかおをする。

「そのこえむろ……いや、ふるれいくんか。にっぽんせまきょうはらうのも、ざいにちべいぐんやくわりじゃなかったかな?」

 あかにくじりにうと、ヘッドセットのこうでむろが『フン』とはならした。

にっぽんかっかつどうしてるエフビーアイ台詞せりふとはおもえんが……いまいっこくゆうもない。められるんだろうな、そので』

「ああ。せんすいかんさえわかればな。──できるか? ボウヤ」

『うん! やってみる』

 コナンのちからづよこえつづいて、むろこえこえてくる。

しきずいいちのスナイパー……かいまえませろよ、ライ』

「もちろんそのつもりだよ、バーボン」

 二人ふたりたがいにコードネームでった。


 つうったむろくるまそとうみながめていると、こうあんけいさつかんかざゆうはしってきた。

ふるさん! あとふんようしゃとうちゃくします!」

 こえをかけてもはんのうしないむろに、まったかざげんそうなかおける。

「……ふるさん?」

「ああ、わかった」

 むろかざほうくと、しずかにあるいていった。