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 フィリピン・マニラ──。

 こうそうビルぐんこうきゅうショッピングモールがならきんだいてきまち。そのちゅうしんにあるこうきゅうホテルのまえを、いぬのボルゾイをれたじんゆうさんをしていた。おおきなつばのぼうかぶりサングラスをかけたそのじんは、ベルモットだった。ごうふんすいまえまり、ったスマホをる。グリーンのマニキュアがほどこされたゆびさきしたには、【──をつぶせ】とじゅしんメールのいちえた。

(そううとおもったわ……)

 ベルモットはニヤリとほほみ、メールをつ。

りょうかい、ボス】

 そうしんボタンをすと、ふたたあるした。

 さんえたベルモットは、とあるメイクスタジオにかった。

 だれもいないでキャミソール姿すがたになり、おおきなかがみまえこしかけて、ながかみをアップにまとめる。スツールからりたベルモットは、ゆかいたおおきなスーツケースをけた。なかには、とくしゅメイクのどうやたくさんのウィッグ、さらにろうじんきのふくじょこうせいせいふくなどさまざましょうすきなくびっしりとめられている。

 それらをてベルモットがほほんでいると、ゆかそべっていたボルゾイがきて、ベルモットにじゃれついてきた。

「あん、じゃしないの」

 ベルモットはいとしそうにボルゾイのあたまをなでて、ほおずりをした。


 ぼうはんカメラえいぞうなにかにづいたレオンハルトは、パシフィック・ブイないきょじゅうエリアにかい、あるじんぶつおとずれた。

「あれはどういうことだ!」

 はいるなり、レオンハルトはこえあららげた。はビジネスホテルのようなコンパクトなつくりになっていて、そのじんぶつおくかれたベッドのまえっている。

「なんとかったらどうなんだ! あのログは昨夜ゆうべまえがメインルームにいたときの──」

 おくはいってきたレオンハルトは、そのじんぶつうしろにまわしたなにかをっているのにづいた。

なにやってんだ、おまえ

 そのじんぶつはニヤリとわらった。そのたいにイラついたレオンハルトは、あいをつかもうとした。するとそのじんぶつびてきたレオンハルトのをすばやくひだりはらい、そのままレオンハルトのあたまってかかむと、ベッドにたおした。

「ぐがっ! ぐう……っ!」

 もがくレオンハルトをちからづくでさえつけながら、みぎったハンカチでレオンハルトのはなくちもとおおう。

 やがてうごきがまり、レオンハルトのあたまあしちからなくれた。


 ぎょこうすずざいばつのクルーザーがちゃくがんすると、どもたちしぶしぶんだ。

らんほんとうのこるの?」

 クルーザーのまえそのがたずねると、らんは「うん」とうなずいた。

あいちゃんがしんぱいだし」

「だよね……」

 そのひょうじょうくもらせると、らんすこほほんでとなりがさはかた。

「でもだいじょうはかのこってくれるし」

「すまんが、どもたちたのむわい」

「まぁ、あのガキんちょどものはわたしにまかしといて! れたもんよ」

 そのあかるい調ちょういながら、はいのクルーザーをおやゆびしてぶんむねたたいた。

その、ありがとう」

 らんそのやさしさにかんしゃした。

 そのんでからもなく、クルーザーがしゅっこうした。かいのデッキからどもたちおおきくる。

「じゃあなー! お土産みやげいっぱいってきてくれよ~、ぜったいだぞ~!」

「バイバーイ!」

「またみんなでいっしょましょうね!」

 らんがさはかもクルーザーにかってった。そのどもたちせたクルーザーはしろなみのこしてとおざかり、やがてちいさなてんになってえなくなった。


 メインルームでは、エンジニアたちぼうはんカメラのえいぞうかいざんしたログをさがしていた。コンソールをそうしていたエドがとつぜん、えっ? とこえらす。

「ちょっとみんな、これてよ!」

 きょだいモニターにえいぶんメールめんひょうさせたエドは、をくるりとかいてんさせてまきのデスクのほういた。

「レオンハルトからだわ!」

 さしだしにんまえたグレースがす。すばやくメールをいちどくしたまきは、あおざめたかおがった。

「……そんな……どうして……」

 えいめないろうが「え、なに? なに?」とまきのデスクにちかづく。すると、まきよりさきにコナンがえいぶんメールをやくした。

なおさんをしたはんにんきするため、システムにバックドアをけたって!」

「ええっ!? ……え?」

 メールのないようおどろいたろうは、どうにコナンがえいんだことにおどろく。

じっこうはんについては……」

 ぐれろうかたしにたずねると、

かねやとわれたからめいだそうだ」

 そばにいたくろさきこたえる。

 いちどうえいぶんメールをちゅうするなか、コンソールをそうしていたグレースが「レオンハルトをつけました!」とさけんだ。

「カフェにいます!」

 きょだいモニターにカフェないかんカメラのえいぞううつされた。みぎにコーヒーのかみコップをったレオンハルトがまり、なにかをつまんだひだりゆびさきをじっとている。

「あれは? くすりか?」

「なんだ……?」

 ぐれまきがつぶやきながら、きょだいモニターをちゅうする。すると、レオンハルトがつまんだものをくちれ、さらにコーヒーをんだ。かみコップのふちひだりおやゆびぬぐい、あるす。

「ねぇ、なんか……」

ようへんだぞ!」

 へんづいたのはグレースとエドだった。

 あるしたレオンハルトがくるしそうにくちさえ、をよじった。そのままふらふらとまえのめりにすすみ、ちゅうおうのテーブルにたおむ。

「あっ!」

 レオンハルトのからだがずるりとテーブルからすべちた。ゆかたおれたレオンハルトは、テーブルのかげになっていてえない。

「レオンハルト! ちがうカメラをはや!!

 まきさけぶと、べつぼうはんカメラのえいぞうわった。それは、さきほどのカメラとはんたいがわせっされたカメラのえいぞうだった。

 テーブルのしたでうつせにたおれたレオンハルトがうつっている。っていたコーヒーがぶちまけられて、ゆかちゃいろいしみがひろがっていた。


 レオンハルトがぼうしたカフェのぐちには、すぐさまいろいテープでせいせんられ、しょくいんたちがテープのそとがわあつまっていた。

だれか、てたスタッフはいないか?」

 せいせんうちがわはいっているまきがたずねると、いちばんまえしょくいんが「ていれいせいそうかんでしたから」とこたえた。

「……ああ、そういえばそうだったか」

 うでけいづけながら、まきった。ぐちちかくのかべぎわってかんがごとにふけっていたコナンは、おくすすんだ。ちゅうおうのテーブルあたりでは、しらとりとうがレオンハルトのたい調しらべている。

 うつせでたおれたレオンハルトのなかには、たおれたもたれがっていた。みぎのそばにはコーヒーのかみコップがちていて、よこいたレオンハルトのかおゆかちゃいろえきたいせいだいにぶちまけられている。

 たいのそばにしゃがみんだとうは、コーヒーにまみれたレオンハルトのくちもとた。

くちまわりがただれてる。……どくぶつかしら?」

 とうのつぶやきに、そばにいたコナンもしてレオンハルトのくちもとぐ。

「じゃあ、このニオイって?」

 コナンがたずねると、しらとりもレオンハルトのくちもといだ。

「コーヒーのニオイだね」

「それもするけど、ほんのかすかにシンナーみたいなニオイがしない?」

 コナンがったとたん、ろううしえりをつかまれてげられた。

「まーた、いつもいつもげんまどわせるようなことばっかりって! どうてもふくどくさつだろうが!!

 れたこうけいに、とうが「まぁまぁ」とろうをなだめる。

「でもへんじゃない?」

 げられたコナンがうと、ろうは「なにが!」とえた。

「レオンハルトさんはぶんのおがあるんでしょ? なんでカフェでんじゃったのかなぁ」

 コナンのことに、とうがハッとする。

「……たしかにそうよね」

「そんなのまってんだろ。さいにうまいコーヒーがみたかったんだよ!」

 しんまんまんこたえるろうに、コナンは(おいおい)とこころなかんだ。

 そしてあらためてレオンハルトのたいける。コーヒーまみれになっているたいて、コナンはレオンハルトがたおれたときのえいぞうあたまかべた。

(ってか、あのかみコップのかたで、こんなふうになるか……?)

 たおれたときにとしたコーヒーが、ここまでかおからだにかかるものだろうか──コナンがしんおもいながらたいつめていると、そばにっていたくろぐれこえをかけた。

たいはヘリではこび、かいぼうらいする」

「はっ」

 ぐちかおうとするぐれに、まきが「あの」とこえをかける。

にっぽんけいさつは、さつたいほうかいぼうしないはずでは?」

「……ねんのためですよ」

 くろもうきんのようなするどえられて、まきおもわずせんをそらした。そんなまきわきを、ぐればしりですれちがっていく。


 せんすいかんきょじゅうにあるりょうりょうあししばられたなおはいばらは、だんベッドのだんならんですわっていた。

されたゆうに、こころたりは?」

 はいばらがたずねると、なおはぽつりぽつりとはなした。

「……『ろうにゃくにんしょう』がかんせいしたとき、せっしょくしてきたじんぶつがいたの」

ったの?」

 なおくびよこった。

「メールだったから……でも、『ピンガ』ってってた」

「ピンガ……」

(ブラジルげんさんじょうりゅうしゅね)

 はいばらはそのまえしきのコードネームだとすぐにかいした。

ばくだいほうしゅうていされて、システムのどくせん使ようかいりょうしんされたけど、ことわった。そのときにはもう、インターポールのために使つかうシステムだとめてたから」

「……つまり、『ろうにゃくにんしょう』は、それだけ組織かれらにとってがある」

 はいばらあたまなかかんがえていたことをこえしていた。

かれ?」

 ドアのほうからこえがして、はいばらおどろいてかえった。いつのにかドアがすこひらいていて、ウォッカがっていた。

「その『かれ』ってかた、ホントにシェリーみたいだぜ。むかしからアイツはんでなかったからな」

 いやみをかべながらはいってきたウォッカは、ダンッとかべあしをついた。

「で、おれたちのためにシステムをかいりょうするけっしんはついたか?」

「…………」

 なおこたえなかった。ウォッカがチッとしたちをする。

「しょうがねぇな。──て!」

 ベッドにちかづいたウォッカは、なおえりもとをつかんでげると、そのままやりそとした。


はいれ!」

 ウォッカがなおれてきたのは、キールがいるおうせつしつだった。ドアのまえでウォッカにされて、なおゆかたおれる。

「ウォッカ」

 ソファにすわっていたキールは、ウォッカにちかづいた。

「どうした?」

まつしたって」

 キールがごえつたえると、ウォッカは「なに?」とまゆをひそめた。

「ピンガのやつけいかくにないこうどうしやがって……」


 一人ひとりのこされたはいばらは、キールのパーカーのフードにれたとうちょうで、ウォッカたちかいいていた。

けいかくにないこうどう……?)

 いったいなんのことだろう──はいばらちゅうぶかみみましていると、

『さっさとい!』

 ウォッカのごえこえてきた。


 ゆかたおれたなおげたウォッカは、パソコンがあるデスクまであるかせた。

「これをろ」

 なおあたまをつかみ、かおをモニターにける。モニターめんひょうされただんせいしゃしんたとたん、なおひょうじょうこおりついた。

とうさん……!」

 メガネをかけ、くちひげをたくわえたイタリアけいだんせいは、なおちちおやだった。

ちちをどうする!?

あたまのいいおまえなら、そうぞうできるだろ?」

 ウォッカはニヤリとほほんだ。なおのうに、ろうにゃくにんしょうシステムがしゅんかぶ。ウォッカはなおちちおやろうにゃくにんしょうシステムでさがして、がいくわえるつもりなのだ。

「あれは……わたしちちかいへいかしたいとって、じつげんしてくれたシステムよ!」

「そんなてきちちおやごろしにするってのか。ひでぇむすめだな」

 あたまをつかまれたなおは、よこでウォッカをにらみつけた。そのにはなみだかんでいる。

「あなたたちにはぜったいわたさない!!


 ウォッカとなおかいとうちょうしていたはいばらは、ベッドのうえくちびるみしめた。

 しきころされたあねかおかぶ。

 しきのやりかたは、いつもどうれつだ。

『ほぉ……それじゃあおたのしみタイムといくか』

 あざわらうウォッカのこえこえてきた。はいばらむねいかりとかなしみのかんじょううずいて、かおをゆがめる。

たすけて、どうくん──)

 うししばられたで、はいばらたんていバッジをギュッとにぎりしめた。


 レオンハルトのたい調しらえたコナンたちは、メインルームにもどっていた。

 きょだいモニターにうつされたカフェのかんカメラえいぞうやレオンハルトがさいおくってきたメールをまえに、コナンがあんめぐらしていると、

「バックドアだ!」

 コンソールをそうしていたエドがさけんだ。

「どういうことだ!?

 ぶんせきについていたまきす。

かんけいしゃけんさくされたらっかかるように、トラップをけておいたんです!」

 エドがせつめいしながらあわただしくキーボードをつと、きょだいモニターにイタリアけいだんせいしゃしんおおきくうつされた。メガネをかけくちひげをたくわえたそのだんせいなにものなのか、しらとりたちはわからない。

だれですか、かれ!?

「……マリオ・アルジェント!」

 グレースがつらそうなひょうじょうこたえる。

イーユーかいいんで、なおちちおやです!」

 まきどうようしたこえくわえると、

「なんだって!?

 ぐれたちはまるくした。コナンもきょうがくする。

 なおしたくろずくめのしきが、なおちちおやであるマリオを『かおにんしょう』でけんさくしてしょさがしているのだ。

かれのおかげで、ここがユーロポールのぼうはんカメラとつなげられたんです」

 せつめいするまきかたわらで、グレースが「エド!」とさけぶ。

いまならせるはずよ!」

「ああ、もうやってるよ!」

 エドはモニターをながらコンソールをそうした。

「ユーロポールにいんようせい!」

 まきこえに、そばにいたじゅつしゃつうしんようマイクへはしる。


 フランクフルトにあるユーロポール・ぼうはんカメラ・ネットワークセンター。そのコントロールルームに、ハンスとジェイムズの姿すがたがあった。おびただしいかずのコンソールがならなか二人ふたりけわしいひょうじょうだいスクリーンをている。

「マリオいんしょざいはんめい!」

 コンソールについたじゅつしゃ一人ひとりこえげると、だいスクリーンにフランクフルトのがいとうカメラえいぞううつされた。たてものまどしにしつないあるくマリオの姿すがたうつっている。えいぞうよこにはフランクフルトのマップと、がいとうカメラにうつっているホテルのがいかんひょうされた。

「エッシェンハイマーとうちかくのシティホテル401ごうしつです!」

 ハンスはワイヤレスのイヤホンマイクにかってげた。フランクフルトないたいしているジョディとキャメルがくるまかうはずだ。

「マリオいんれんらくれます!」

 スマホをかたったハンスがあしばやくと、ジェイムズはふたただいスクリーンにせんもどした。リアルタイムのえいぞうなかで、マリオはホテルのまどかれたソファにこしかけてしんぶんんでいる。

 はんにんはジェイムズたちとどうに、ホテルにいるマリオをつけたはずだ。そしていま、ジョディたちとおなじようにかっているだろう。

 あとはかんとのたたかいだ。


 フランクフルトのちゅうしんにあるエッシェンハイマーとうじょうくうに、くろいヘリコプターが姿すがたあらわした。とうちかくのビルおくじょうちかづいたかとおもうと、ホバリングするヘリコプターからロープがらされ、ライフルをなかかついだコルンがするするとりてくる。

 ビルおくじょうちゃくしたコルンは、ロープをはずしてエッシェンハイマーとうほうこうはしった。おくじょうふちまでて、ライフルをかまえてスコープをのぞく。エッシェンハイマーとうかいがわにある、シティホテルがスコープにはいった。ゆっくりとスコープをうごかすと、まどぎわしんぶんんでいるマリオの姿すがたとらえる。

つけた。マリオ」

 コルンはライフルのがねひとゆびをかけた。

「いつでもいい」


 せんすいかんなかで、なおはマリオのリアルタイムえいぞうせられていた。

とうさん! はやげて!!

 うししばられたなおは、モニターにうつちちおやかってさけぶ。はいったウォッカは、ニヤニヤとおもしろそうにわらった。

はやいとこけっしんしたほうがいいぜ?」

とうさん! げてぇー!!

 なおつうさけびがしつないひびいた。ちちおやぶそのさけびが、そばでていたキールのおくます。


       


 キール──おもてかおはアナウンサーのみずなしほんみょうほんどうひでかのじょちちおやは、むすめおなシーアイエーちょうほういんで、しきせんにゅうしていた。

 おなじくしきせんにゅうしたひでにんは、ちちおやのイーサン・ほんどうあたらしいつなやくちょうほういんしょうかいすることだった。しきつぎとりひきしょにイーサンがしたることをったひでは、あたらしいつなやくしょうかいするために、とりひきしょであるよこはまはいそうでイーサンとった。

 しかしそのとき、ひでうわえりうらにははっしんけられていた。しんりのひでるために、しきがつけたのだ。

 そうそとからジンのくるまのエンジンおとこえてきて、むすめしょうたいがバレるとおもったイーサンは、ひでなぐり、さらにじゅうひでかたった。

 ぶんくびみ、ひでくちまみれのくびむと、っていたけんじゅうにぎらせる。

あきらめるなよ、ひで!!

 くちもとだらけにしたイーサンは、ひでをまっすぐえてちからづよった。

つづければかならかたあらわれる!! おれわりににんまっとうしろ!!

 それがさいことだった。

 イーサンはひでにぎらせたけんじゅうじゅうこうぶんあごて、がねいた。


       


とうさん……)

 ちちおやさい姿すがたおもしたキールは、こぶしをギュッとにぎりしめた。

げてぇ! とうさん!!

 まえでは、ウォッカにくびうしろをつかまれたなおさけんでいる。

 キールはモニターのえいぞうけた。

 キールたちがているがいとうカメラのえいぞうなかで、まどぎわのソファでしんぶんんでいたマリオがスマホをってがった。しんぶんをベッドにほうり、あるきながらなにやらはなむととつぜんあしめて、まどかえる。あわててまどってそとわたしたかとおもうと、すぐにかべかげかくれた。


づかれた」

 ビルのおくじょうでライフルのがねゆびをかけていたコルンは、スコープからかおげた。

「でものがさない」

 ぽつりとつぶやいたコルンは、スコープをのぞきながらライフルをエッシェンハイマーとうまえこうてんけた。

 ひっきりなしにくるまこうてんなかで、コルンはシティホテルほうこうすすむトラックをスコープのじゅうせんとらえた。


 シティホテルのまえきゅうていしゃしたくるまから、ジョディがした。うんてんせきのキャメルもドアをけててくる。

 二人ふたりがホテルのしょうめんぐちかったそのとき──バンッ!

 こうてんほうれつおんがした。ジョディがくと、タイヤをたれておうてんしたトラックがばならしながらめんかっそうし、そのしゃたいこうぞくしゃぞくぞくたった。

 はげしいしょうげきおんとともにつちけむりがり、とうにとまっていたとりがいっせいにっていく──。

 まえとつぜんきたさんに、ジョディはしばしぼうぜんとした。が、すぐにこれがわなだとづいてホテルをかえる。

 しょうとつおとづいたマリオが、かべかげからはんしんしてまどそとのぞいている──!

まどからはなれて!!

 ジョディがさけぶとどうに、ホテルのまどガラスがかれてマリオがゆかたおれた。


「いやああああ──!!

 マリオがたれたのをて、なおぜっきょうした。

つぎはおまえははおやだ」

 きながらこうべれるなおに、ウォッカはややかにった。

「それでもおれたちとのとりひきことわか? よぉくかんがえたほうがいいぜ」


 それはほんとういっしゅんごとだった。マリオがかべかげからはんしんしたしゅんかんたれたのだ。

 メインルームできょだいモニターにうつされたカメラえいぞうていたひとびとは、あまりにもいっしゅんすぎるごとに、ぼうぜんとする。

 ゆかたおれたマリオのからだかべかくれて、されたあしだけがえた。そのあしはピクリともうごかない。

「くそっ……!」

 コナンはくやしそうにかおをゆがめた。


 きょじゅうもどされてからも、なおはベッドにしてつづけた。

わたしが……わたしちちころした……!!

 そとにはなおもどしたキールがのこっていた。なおつうさけびをいて、いかりにかおをゆがめる。

 ベッドのうえすわったはいばらは、つづけるなおまもることしかできなかった。

「あのときとおなじように……こんとうさんをてた!」

ちがう。あなたは──」

 いかけたとき、なおかおげてはいばらた。

「このままじゃ、あなたもころされちゃう! わたしのせいでみんな……!」

 うつむいたなおから、おおつぶなみだがこぼれる。

 はいばらは、しきころされたあねのことをおもした。りょうしんはやくにくして、ゆいいつにくしんだったあねたのしそうにまちあるあね姿すがたおもかぶ。

 づいたらはいばらからもなみだがあふれていた。

「うっ、ううっ……」

 なおのしゃくりげるこえきながら、はいばらこえころしていた。


 らんがさはかは、うしのクルーザーにっていた。

 そのたちをおくったあと、パシフィック・ブイにいるコナンやろうでんなんもかけてみたがいっこうないので、なにかあったのかもしれないとしんぱいになり、うしにパシフィック・ブイにれていってほしいとたのんだのだ。

うしさん、すみません」

 ライフ・ジャケットをけたらんかいそうじゅうせきがり、うしあたまげた。

にするな。パシフィック・ブイはおれちかくでてみたかったんだ。それにかれたのみだしな」

「え?」

 うししょうめんのデッキにっているがさはかけた。デッキのすみには、がさはかってきたすいちゅうスクーターとかいちゅうヘッドセットがかれている。

かれつくったはつめいひんせてもらった。たいしたおとこだよ、がささんは」

「……はい」

 らんへんをしながら、がさはかたのもしそうにた。