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 されたなおは、せまだんベッドのだんかされていた。かたわらにはベルモットがこしかけ、さらにベッドのよこにはバーボンがって、ねむっているなおつめている。

 ベルモットがなおちゃく調しらべていると、なおむなもとからネックレスがえた。

「あら、カワイイ」ひらたいかくすいけいのペンダントトップがついた、シンプルなネックレスだ。ベルモットはネックレスをげ、ペンダントトップを調しらべた。すると、ペンダントトップのそこがパチンとはずれて、ユーエスビーたんあらわれる。

「へぇ……」

 ニヤリとしたベルモットは、ねむっているなおのこして、べつどうした。

 ベルモットがはいったのはソファセットのかれたおうせつしつだった。すみかれたデスクには、ノートパソコンやモニターがならんでいる。ベルモットはデスクチェアにすわり、ノートパソコンのユーエスビーポートにネックレスのペンダントトップをんだ。ベルモットをかこむようにしてっているバーボン、ウォッカ、キールがモニターにける。

ぞうファイルみたいね」

 ノートパソコンにひょうされたフォルダをダブルクリックすると、『Recognitionレコグニションにんしき) testテスト』というファイルがてきた。さらにそれをダブルクリックすると、ぞうファイルがべつウインドウでひょうされた。

 そのぜんいんが、くぎけになる。

「これは……ッ」

「シェリー!!

 ひらいたぞうファイルには、ふたつのぞうられていた。ひとつは、まちなかあるみや(シェリー)のぞう。そしてもうひとつは、べつまちなかあるはいばらぞうだ。

となりのガキ……てるな」

 ウォッカがふたつのぞうくらべてった。

「……どもだいのシェリーかしら?」

 キールのことに、ウォッカは「いや」とていした。

さいしんぞうだ。おくろうもとろ。さいきんしゅだぜ」

 はいばらおくあるせいねんはスマホをっていて、それはあたらしいしゅだった。みや(シェリー)がどもころにはそんざいしないものだ。

「……なるほどね」

 がいするどいわね──ベルモットはウォッカをチラリとた。

「……つまり、どういうこと?」

 キールがたずねると、ウォッカはあらためてぞうのぞむ。

 シェリーのかおはいばらかおはそれぞれあかわくかこまれていた。さらにふたつのぞうしたには、『Allオール Agesエイジズ Recognitionレコグニション (ろうにゃくにんしょういっ)』のがある。

 ウォッカはサングラスのしたまるくした。

「まさか、このガキがシェリー!?

 それまでだまってようをうかがっていたバーボンのが、チラリとうごいた。



 フランクフルトにいるジンにウォッカからでんがかかってきたのは、よるけたころだった。かためたポルシェ356エーうんてんせきで、ジンは煙草たばこをふかしていた。じょしゅせきではコルンがぶんのスマホをいじっている。

「そいつはなんのじょうだんだ、ウォッカ」

 こうふんしたようでんをかけてきたウォッカのはなしひととおいて、ジンはいっしゅうした。

「シェリーはベルツリーきゅうこうんだはずだ」

 ベルツリーきゅうこうんだバーボンとベルモットが、シェリーをもつしゃごとばくだんばしたのだ。バーボンのまえばくしたと、ベルモットからほうこくけている。

 しかし、ウォッカはいっこうとはしなかった。

『だから、どものなりになってびてたんですよ!』

「……ども?」

『どんなからくりかはわかりやせんが、ただやつがくしゃだし、もしかしたら……。なんならぞうおくりやしょうか?』

「いや」

 ジンはそくことわった。

ちょくせつる。それまでにそのガキをしておけ」

『えっ? でもどこにいるかわかりやせんぜ?』

 まどうウォッカのこえこえてきて、ジンは煙草たばこをくわえたままくちはしげた。

「そういうやつつけるのに相応ふさわしいシステムを、れたばかりだろ?」


 ウォッカはじゅかべもどすと、ソファにこしかけて、ヘヘッとわらった。

「さすがはあにだ」

「……さらうつもり?」

 ソファのよこったキールがたずねると、ウォッカのかいにこしかけたベルモットがくちひらいた。

わたしはおことわり」

「ああっ?」

 ウォッカがまえのめりになると、ベルモットのうつくしいかおけんをはらんだ。

けいかくにないことはすべきじゃないわ。『ろうにゃくにんしょう』をかいざんして、ぼうはんカメラのろくからわたしたちこんせきす。それがボスのめいれいよ」

どうかんですね」

 キールのそばにつバーボンがった。

ていがいうごきは、けいかくしっぱいまねきます」

わたしえんりょするわ。こんなじょうたいだし」

 キールはそういながら、えりひろげてほうたいかれたみぎかたせた。さんにんことわられたウォッカは、いまいましそうにはならす。

「フン、さいしょからおまえらとむつもりはねぇよ。これはピンガにやらせる」

「あのピンガがあなたのうことをくかしら」

 ベルモットがれいせいかえすと、ウォッカはしんありげにみをかべた。

「ラムのうことならくはずだ。かつてラムのかたうでだったキュラソー……そのキュラソーいま、ラムのそっきんおさまっているのがピンガだからな」

 しきのナンバー2であるラム。そのラムのふくしんだったキュラソーはじょうほうしゅうしゅうのスペシャリストだったが、しきうらったため、とうすいぞくかんんだ──。

 バーボンは、テーブルランプのよこならべられたさかびんた。ジンやベルモットなどさまざまさかびんならなか、ラムのすぐしたにピンガのびんかれている。

 バーボンは、そばにつキールにせんおくった。

「ピンガがラムのいなりになっているのは、なぜだとおもいます?」

「ラムにられて、もっとうえのランクにがるためね」

 キールがこたえながらウォッカのほうくと、ウォッカはまんげにまゆせた。

ってるよ。ひととしてでもがりたいろうってこともな」

 ソファからがったウォッカは、台詞ぜりふのこしてく。

 ウォッカのなかおくったベルモットは、ぶんもとせんうつした。げて、きれいにられたネイルをつめる。

(じゃあこれもってる? そのピンガがいちばんとしたがってるのが、ジンだってこと)

 ろしたベルモットは、よこでデスクのモニターをた。シェリーとはいばらぞうならんだろうにゃくにんしょうけっめんを、けわしいつめる。

(それにしても、ろうにゃくにんしょうシステム……けてはならないたまばこかも……)



 しらとりらとともにコントロールルームにもどってきたまきは、エンジニアたちにじょうせつめいした。

なおされた!?

 まきせきあつまったグレースのこえに、ほかじゅつしゃたちがざわつく。コンソールにひじをついてかおまえりょうんだまきは、じてうつむいた。

「しかも……われわれなかはんにんきょうはんしゃがいるかもしれない」

「なんだそれは! バカげてる!!

 がってさけんだのはレオンハルトだった。まきかおげる。

「そう。だがわれわれはインターポールだ。みずからにかけられたうたがいは、みずからす」

かいちゅうハッチのログを調しらべればいいだけでしょ」

 ぶんせきについていたエドは、うんざりしたようでキーボードをそうした。するときょだいモニターに、ドライスーツ姿すがた二人ふたりぐみおな姿すがた一人ひとりかかえドライデッキへはいえいぞうこくひょうされた。さらにべつウインドウにシステムそうログがひょうされたが、えいぞうこくがっするそうこくたらない。

「ログは……ないわね」

 きょだいモニターをたグレースがつぶやくと、コナンがくちはさんだ。

「じゃあ、そとからハッキングされたってこと?」

 すわったレオンハルトが、おどろいてコナンをる。

(なんだ、あのガキ……)

 エドはやれやれといったかおで、りょうあたまうしろでんでもたれにりかかった。

「このシステムはほんけいさつやユーロポールとつながっている。そこからなら『バックドア』もけられるかもな」

「バックドア……」

 くろのつぶやきに、しらとりこたえる。

「ハッキングのためにける『うらぐち』ですか」

「……ねらわれたということか」

 しらとりからず、「はい?」とくろた。

「フランクフルトのしんにゅうけんはんにんしんねらいは、パシフィック・ブイがヨーロッパとつながる、今日きょうだったということだろう」

 くろことに、まきがハッとする。

「そうか。コンピュータセキュリティはなかからのこうげきにはよわいからな……」

 そういながら、まきかおおおってうつむいた。

「だとしたら、きょうはんしゃいまユーロポールにいるのでしょうか?」

 しらとりいに、エドが「いんや」とこたえる。

「バックドアがいちできたら、かいじゅうどこからでもそうできる」

 ごとのようにひょうひょうはなすエドから、くろしぶかおでうつむくまきせんうつした。

「つまり、このなかきょうはんしゃがいるのうせいのこるというわけですな」

 くろことに、だれかえものはいなかった。おもくるしいくうながれる。

 いちれんはなしいていたコナンのあたまに、くろずくめのしきおもかんだ。

やつねらいはおそらく『ろうにゃくにんしょう』システム……)

 コナンはおきからのでんおもかえした。

 くろずくめのしきのメンバーが、フランクフルトのユーロポール・ぼうはんカメラ・ネットワークセンターにしんにゅうした。しんにゅうしゃのコードネームは、ピンガ。

(このなかやつなかがいるのか、それとも……)

 コナンはあごてながら、けわしいひょうじょうをしているエンジニアたちた。そのとき、しらとりがスタッフぜんいんこえるようにこえげた。

「では、みなさんにはスマホやパソコンなどのにんていしゅつおよじょうちょうしゅけてもらいます。──いいですね、まききょくちょう

「……はい」

 うつむいたまきは、かたなさそうにこたえた。



 そのゆうがたとうちゃくきゃくしゅっぱつきゃくこんざいするはちじょうじまくうこうそうごうロビーで、サングラスをかけたベルモットはベンチにすわり、スマホでメールをっていた。

9696261』。タッチおんが〝ななつの〟のメロディとなってひびく。そして、めんのキーボードでにゅうりょくしていく。

 ばやえたメッセージをそうしんすると、ベルモットはベンチからがり、よこいたスーツケースをった。カツカツとくつおとひびかせながら、とうじょうぐちへとかう。



 エフビーアイのジョディたちがフランクフルトくうこうとうちゃくしたのは、そうちょうだった。とうちゃくロビーをると、スマホをったスーツ姿すがただんせいっていた。

「おちしていました。ユーロポールのハンスです」

あさはやくにおむかえありがとう」

 ジョディがれいうと、はいにいたキャメルとジェイムズがあいさつをする。

はじめまして。キャメルです」

「ジェイムズです」

 ハンスとたいめんしたジョディは、かなしげにうつむいた。

「……ニーナはざんねんだったわ」

したしかったんですか?」

「ええ。ユーロポールとそうきょうりょくしたとき、れんらくさきこうかんしたことがあって……」

 ジョディははなしながら、ニーナのことをおもした。ここフランクフルトでいっしょそうをして、ときにはカフェでとうろんわすこともあった。とてもゆうしゅうじょせいだったのに──。

 ハンスもジョディとおなちだった。くやしそうにまゆをひそめてくちびるみしめる。

きましょう。ユーロポール・ぼうはんカメラ・ネットワークセンターにあんないします」

 ハンスはそううと、めてあるくるまかった。



 ベルモットがはちじょうじまくうこうのロビーにいたのとおなゆうがたけいちょうのヘリコプターがパシフィック・ブイのヘリポートにちゃくりくした。ヘリコプターからりてきたのは、ぐれじゅうぞうけいとうけいだ。

 二人ふたりむかえたしらとりは、さっそくじょうちょうしゅはじめることにした。せつないのカフェスペースで、ぐれとうしらとりくろがそれぞれペアになって、エンジニアたちからはなしく。

 グレースからのじょうちょうしゅは、ぐれとうのペアがたんとうした。

「グレースさんはいつからこちらに?」

わたしねんまえじゅつしょくさいようされました」

 ぐれしつもんこたえたグレースは、おもいをめぐらせるようにだまった。そして「あの……」とためらいがちにくちひらく。

「こんなことがきたじょう、システムのうんようをいったんていすべきなんじゃないかとおもうんですが……」

 グレースのはいにあるプランターボックスのかげで、コナンははなしいていた。


 グレースのつぎは、まきだった。

 ぐれとうべつせきどうして、まきからはなしいた。コナンもぐれたちからややはなれたせきどうして、ようをうかがう。

 ぐれがパシフィック・ブイのうんよういちちゅうするようていあんをすると、

「ダメだ、それはぜったいにできない!」

 まきだんとしてっぱねた。

「いや、しかし……」

とうじつていなど、インターポールのしんかかわる!」

 れいせいさをうしなあつくなったまきは、テーブルをドンとつよたたいた。


 レオンハルトからのじょうちょうしゅは、しらとりくろたんとうした。

「なんでアンタ調しらべしてんだよ!」

 カフェのせきにつくなり、レオンハルトはこうげきてきたいた。が、しらとりどうじることなくちょうしゅつづける。

「インターポールにしゅっこうしたのはいつですか?」

ほんけいさつだってようしゃのうちじゃねぇのか!」

 レオンハルトはしつもんにはこたえずひたすらいかりをぶつけるだけで、そのごえかくれていていたコナンのみみにもんできた。


 エドからのじょうちょうしゅは、ぶんのコンソールからはなれたくないというほんにんのたってのぼうで、エドのせきおこなわれた。

 しらとりがパシフィック・ブイのうんよういちていするようていあんをすると、

おれていはんたい。だってこんなすごいシステムをいじれるんだよ」

 エドはコンソールをそうして、モニターにうつるヨーロッパのまちえいぞうえた。

ぜんまで、かいてきアイティーぎょうにおられたそうですが」

 くろこえに、ぎょうをしていたエドのまった。くろほうをチラリとると、すぐにまえいてキーボードをそうする。

「こっちのほうがずっとやりがいあるね。今日きょうみたいにエキサイティングなけんられるし」

 コナンはなおのコンソールのしたひそめて、エドのはなしいていた。



 よるになり、らんたちはホテルのレストランでしょくをすることにした。

 ひろいレストランのまえにはおおきないけがあり、ライトアップされたすいめんあおかがやいてげんそうてきふんかもしている。

 そのろうおなじテーブルについたらんは、テラスのさきにあるライトアップされたいけをうっとりとつめた。

「ホント、キレイ! おしょくもおいしいし、ふんてきだね」

 められたそのは、ニッコリとほほむ。

「うん、なつも──」

「サイコ──!! カァ~~ッ」

 グラスのしまざけしたろうが、かおげてさけんだ。

「……だいしだけど」

 あきれるそのとなりで、らんが「おとうさん!」とげる。

おおきいこえさないでよ。ずかしい!」

 レストランのりょうは、はちじょうじまきょうりょうがメインだった。

 きんかいでとれるしんせんぎょかいるいをはじめ、メダイやトビウオを使つかったしま寿、ブドとばれるかいそうごこり、さらに明日あしたなどのしまさいてんぷらがずらりとならび、となりのテーブルについたげんたちはもりもりべた。

「うんめー! 明日あしたってにげェんだな」

ほんとうですね」

「このお寿、おいしいよ」

 わいわいいながらべるげんたちをまえにして、コナンとはいばらもくもくりょうべた。

「で、どこってたの?」

 はいばらがぼそりとたずねる。

「……パシフィック・ブイってとこ」

 コナンがこたえると、はいばらはジロリとた。

「やっぱりね。なにしてたの?」

「いや、べつに……」

 をそらしてごまかすと、かいにすわったあゆが「コナンくん」とこえをかけた。

「クジラさん、バッシャーンってすごかったんだよ! クジラのおじさんが、クジラがどこにいるかててくれるの」

 うれしそうにほうこくするあゆとなりで、みつひこが「タブレットで調しらべていました」とくわえる。

「クジラのおじさん?」

 きょとんとするコナンに、となりすわったがさはかが「ほれ」と、スマホをせた。

かれじゃよ」

 スマホのめんには、がさはかうしせんじょうかたんでおやゆびてているしゃしんうつっていた。

「いやぁ~、すっかりとうごうしてのう」

(なんだよ、このしゃしん

 コナンがあきれながらていると、はいばらかるいちべつしてごはんはじめた。しゃしんうれしそうにていたがさはかが、「そうじゃ!」とかおげる。

「ワシがおしえてもらったクジラしきで、はらごなしの……」

 りょうをバクバクべていたどもたちが、ピクリとかおげた。

「まさか!」

「クジラクイズじゃ~!」

 りょうひろげてニコニコほほがさはかに、コナンが「はらごなしのクイズってなんだよ」とんだ。

 がさはかはさっそくおもいついたクイズをした。

みんなだいき、クジラさん! では、クジラがおこったかどうか、どこをればわかるかな? いちばんみみばんはなさんばんくちよんばん。さあ、どれかのう?」

 どもたちはそれぞれかんがはじめた。

「えー? クジラさんがおこったとき?」

みみはなくち……」

「わかんねーよ。なんかヒントねぇのかよ、コナン」

 げんからたすぶねもとめられたコナンは、「そうだな」とった。

「『おこる』をべつかたにするとなんだ?」

 コナンとしてはわかりやすいヒントをしたつもりだったが、どもたちはかえってわからなくなってしまったようで、くびかしげてうーんとうなる。

 コナンがべつのヒントをそうとすると、

よしさん、おこったかおをやってみて」

 はいばらった。

おこったかお? こーお?」

 あゆおもいながらも、ひとゆびじりげてイーッとくちよこひらく。

「そのゆびはどこをさえてる?」

 はいばらかれて、みつひこあゆかおた。

じり……ですか?」

じりは『くじり』ともうんだぜ」

 コナンのことに、となりのテーブルのそのがピンとた。

くじり……あ、そうか!」

「ああ、あのことってそこからてるんだ」

 こたえがわかったらんも、さりげなくヒントをす。

くじり……」

 とつぶやいてかんがんだみつひこが「ああー!」とこえげた。

「『くじらをてる』! こたえはよんばんの『』です!」

「ピンポーン! みつひこくんせいかいじゃ!」

 がさはかまんめんみでおやゆびをグッとてる。

「やりました!」とこぶしげるみつひこに、げんが「えー」とくちをとがらせた。

「ほとんどこたおしえてもらったじゃねーかよ」

「それ、げんくんいてたでしょ」

「でもよー」

 どもたちがっているのをがさはかほほましくていると、

「なあ、はか

 コナンがまえいたままった。

あとでちょっといいか」

「おお、なんかようかの?」

「いや、ちょっと……」

 コナンのとなりりょうくちはこんでいたはいばらは、チラリとよこ二人ふたりた。


 ゆうしょくえたあと、コナンとがさはかどもたちつからないようにこっそりホテルをて、うみつづかいだんりた。だんがいちゅうふくにベンチがせっされていて、がさはかすわるとコナンはベンチのそばにち、パシフィック・ブイできたことをはなした。

「なんじゃと!?

こえがデケーって」

 コナンがちゅうすると、がさはかちをかせようといきいた。

「それは、くろずくめのわざなのか?」

「オレはそうおもってる」

「なるほど」

 ふいにはいからこえがして、コナンとがさはかうしろをかえると、かいだんからはいばらりてきた。

「そういうことだったのね」

「……どっからいてた」

じょせいエンジニアがさらわれたってとこから」

 はいばらこたえをいて、がさはかが「ぜんじゃな……」とコナンにみみちする。まったはいばらは、きんちょうしたおもちでたずねた。

「さらったのは、ほんとうしきはんこう?」

のうせいたかい。だから明日あしたになったら、すぐどもたちかえってくれ」

「ええ、われなくてもそうするわ。もちろん、あなたもいっしょにね」

 いつものあいそう調ちょうだったが、そのこえはわずかにうわずっている。

 コナンはメガネをはずしてはいばらちかづくと、はいばらかおぶんのメガネをかけた。

「……なんのつもり? のメガネならってるけど」

 はいばらまどいながら、のメガネをポケットからした。

「そのメガネは、はかさいしょつくったいちごうったろ? そいつをかけてるとしょうたいぜったいバレねぇって」

 それは、はいばらにかつてったことだった。ジンがくわだてたあんさつけいかくすべくはいシティホテルのパーティかいじょうもぐんだとき、ジンのかげおびえてよわになったはいばらに、コナンはぶんのメガネをかけさせてったのだ。

「……のわりには、あっさりピスコにバレてさらわれたけど?」

 ずかしさをつくろうようにはいばらちゃすと、コナンはウッとことまった。

「……でも、そのあとたすかったろ? まあ、おまもりみてーなもんだとおもって、オメーののメガネとこうかんしとこうぜ」

 そうってはいばらからのメガネをると、かいだんほうあるいていく。

「さあ、あいくんもどろう」

 がさはかあるした。

「……ええ」

 はいばらはコナンのうし姿すがたつめると、かけられたメガネをそっとはずした。

(おまもりねぇ……)

 こころなかでつぶやいたはいばらは、どこかうれしげにくちびるゆるませた。


 コナンがホテルのいていったスマホがった。

 だれもいないうすぐらに、ちゃくしんおんひびく。

 ちゃくしんめんには『むろさん』のひょうされていた。