目的があれば、勉強はたやすい
本書もいよいよ最終局面を迎えました。とりあえず、今までどおり前の章をおさらいしておきましょう。5章ではロケットスタート時間術のカスタマイズ方法をお話ししました。
ポイントは
①大きな仕事は縦に切り分ける
②複数の仕事が並行するときは、1日を横に切り分ける
③それでもダメなら納期延長を申し出る
の3つでした。
また、ほかの人の仕事が遅れているせいで、自分の仕事が進まないケースの対処法も紹介しました。5章でお話ししたように、4章でお話しした時間術を自分なりにカスタマイズすれば、あなたの時間の使い方は必ず変わっていきます。
ところで、時間の使い方が変わると、仕事だけでなくあなたの人生のいろいろなところが変わっていきます。なぜなら時間とは仕事のためだけにあるものではないからです。
本書は、ただテクニックを書いただけの本ではありません。そのテクニックがどのように人生に関わっていくかまで解き明かしていきます。それを行うのがこの6章です。
人生といっても範囲が広すぎるので、まずは勉強についての話をしていきましょう。読者のみなさんの中には、きっと将来のために資格の勉強をしている方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで私なりの勉強に対する考えを述べたいと思います。
一言で言えば、目的のない勉強はするな、です。
正確に言えば、勉強のための勉強に意味はないということです。
勉強のための勉強というのは、「なんとなく将来役立つかもしれないから」などの漠然とした理由で臨む勉強のことです。明確な目的のない勉強と言ってもいいでしょう。そういう勉強は得てして長続きしません。
私も「なんとなく」という理由で勉強したいことはあります。近年世界をにぎわせている人工知能なんかは、おもしろそうなので詳しく知りたいと思っています。将来役立つような気もしますし。
けれどもそういった理由で勉強しても長続きしないし、途中で挫折することはわかっています。だから私は、何かきっかけがあるまで人工知能の勉強はしないようにしています。きっかけというのは、たとえば仕事で人工知能を使ったソフトウェアを開発することになる、といった機会です。そんなソフトウェアを開発するためには人工知能の知識が必要になります。そのように明確な目標が決まって初めて調べ出します。勉強ではなく調べるのがキモです。
実際に私は、本業であるプログラミングについても「なんとなく」で勉強することはありません。もっといえば、私はプログラミングの勉強をしたことがありません。
プログラムはすべて、あるソフトウェアを動かすための一つの構成要素です。プログラミングとは、その要素を作るための方法です。だから、将来役に立ちそうだからという漠然とした目標の下でプログラミング自体を勉強しようと思っても、つまらなくて長続きしないし、身に付きません。
一方、私はもともとコンピューターでゲームがしたい、というところからプログラマーのキャリアがスタートしました。つまり「ゲームを作るため」という明確な目標があったのです。だからプログラミングも挫折せずに続けられました。
ではプログラミングをどのように習得していったのかというと、これは「やりながら覚えた」という答えになります。何かやりたいことがあって、それを実行するときに必要なものだけを参考書や解説書から拾ってきて使う。実際に作ってみる。それの繰り返しです。
その例として、私が3年前に開発したアプリの話をします。
プログラムの世界にOpenGLという3Dグラフィックの最新技術があります。以前からずっと勉強したかったのですが、必要がないので勉強は保留にしていました。しかし、3年前にあるアプリを開発する際に必要になるという機会に恵まれました。
そのアプリは、スマートフォンのカメラを向けると景色や人がリアルタイムでアニメーション風に描画されるというカメラアプリでした。これはVideo Shader(ビデオシェーダー)として2013年に公開されました。
開発に当たっては、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット。パソコンやスマホ等の画像処理を担当する主要な部品の一つ)を使った高速な画像処理を行う必要があったので、OpenGLの説明書を読み、その機能を実装するために必要なことを調べました。そうしてOpenGLのグラフィック技術をビデオシェーダーに組み込むことができました。この、アプリに必要な機能の作り方を調べて、実際に作って実装していく、を繰り返していくなかで私はOpenGLについて詳しくなっていきました。勉強という勉強はしていないにもかかわらずです。
OpenGLに詳しいプログラマーはあまり多くないので、周りから私はOpenGLの大家のように扱われました。しかし私はビデオシェーダーを作るのに必要だった知識しか持っていませんからOpenGLに本当に詳しい人からすれば私は「にわか」なのです。
これはたとえば、日曜大工で「ハンマーの使い方」を学ぶのではなく、「くぎの打ち方」を学ぶことに相当します。私にとってはくぎを打つことさえできれば、ハンマーでなくても金属バットでも石でもなんでも十分だからです。
勉強はあくまで手段であり、それ以前に何かやりたいことがなければとくに必要ないのです。そんな暇があったら、もっと本当にやりたいことに時間を注ぎ込むべきです。
崖を飛び降りながら飛行機を組み立てろ
雑誌の英語特集や英語の本。無限に出続けていますね。なんとなく何に使うかわからないけれど、英語を使えるようにしておきたい、というビジネスパーソンはたくさんいると思います。しかし、多くの場合、「英語でこれをしたい」という目的意識がある人は少ないのではないでしょうか。
私は1989年以来アメリカで働いていますが、特別な英会話の勉強をしたことはありません。私は英会話を勉強するためにアメリカに行ったのではなく、マイクロソフトでおもしろいことをするためにアメリカに行ったからです。
そんな考えだったので、最初はたしかに大変でした。相手が何を言っているかは頑張ればわかります。しかし自分が発言しようとして頭の中で文章を組み立てていると、もう話が別の方向に行っているのです。だから会議でもまったく発言できませんでした。
あるとき7人の会議で、私以外の全員がプロジェクトについて明らかに間違った考えをしていることがありました。絶対に私のほうが正しいと思ったのです。このままでは次の会議でも同じことになってしまう、これはなんとかしないといけないという危機感があり、私は初めて必要な英語について調べ出しました。
次回こそはちゃんと言いたいことを言うぞと奮起し、次の会議で発言したい内容を辞書を引いて調べてから会議にのぞむということを繰り返していったのです。そうしているうちに英語は勝手にしゃべれるようになりました。
何かをしたいという衝動があり、必要に迫られれば、人間は大抵のことはできるようになるのです。
衝動があり、必要に迫られる最も代表的な例は恋愛です。たとえばアイルランド人の女の子と知り合って、その人とデートに行きたいと思ったときのことを考えてみましょう。多くの人はこの時英語の勉強を始めます。単語を覚え、文法の勉強をし、英会話学校に通う人もいるかもしれません。流暢な英語を身に付けて、晴れて彼女と円滑なコミュニケーションを図ることができるようになりました。おめでとうございます。
しかし本当にそううまくいくでしょうか。
まずは英語を勉強してから話しかけようと思った人の大半が、その英語の勉強を終えられないでしょう。なぜなら英語ができようができまいが、デートに誘いたいという激しい衝動を持った人は勝手に話しかけるからです。逆に言えば、その子に話しかけたいと思った後、すぐに話しかけない人の思いはその程度でしかないということです。
あー、痩せられたらなと思ってダイエットに失敗し、この知識を持っていればなと思って何かの勉強に手を出して中途半端にそれが終わって……、あなたがいろいろなものにこれまで挫折してきたのは、これと同じ理屈です。
私は、「だからとにかく話しかけましょう」と言いたいわけではありません。何かの実践のために知識が必要な場合、知識はやりながら覚えていくべきだということを言いたいのです。つまり、崖を飛び降りながら飛行機を組み立てていくのです。
勉強しなくても英語を話せるようになる方法
アイルラインド人の女の子をデートに誘いたい場合、英会話教室に通ったりする必要はありません。デートに誘うために最低限必要な英語を調べて、実際に誘えばいいだけです。
約束を取り付けることに成功した後も同じです。食事を楽しみたいのであれば、食事のときに必要な言葉を調べましょう。長時間話す自信がないのなら、「この後用事があって1時間しかいられないんです」と英語で言う練習をしておきましょう。とりあえず最初のデートのときは、このくらいの準備でいいのではないでしょうか。
これを繰り返していれば、いつしか英語が話せるようになります。
ここで言っておきたいのですが、大事なのは「あなたは彼女とデートがしたくて誘った」ということです。英語の勉強をしたくてデートに誘ったわけではないですよね。ですから完璧な英語を話すことにばかり気を取られないでください。英語なんてコミュニケーションのための一つの手段にすぎません。必要があるときだけ調べておけばいいのです。
洋書を読みたいという動機で英語の勉強をしている方も多いと思うのですが、それなら、辞書を右手に、洋書を左手に持って読み出せばいいのです。「ちょっとそれは……」と躊躇する人は、そもそも英語で何かを読みたいわけではないということかもしれません。だとしたら時間の無駄ですから、すでに出ている翻訳書で我慢するか、その本の翻訳版が出るのを待ちましょう。海外のニュースを読みたいというのも同様です。辞書を引きながら今日から早速読み出せばいいだけです。
ハリウッドで映画を作りたいという場合でも同じです。そういった野望を持つ方は、英語を勉強する前に絵コンテを作ってハリウッドに行くべきです。あなたの目標はハリウッドで映画を作ることであり、英語を身に付けることではありません。もしかすると絵コンテが言語の壁を越えて認められるかもしれません。絵コンテが完成したときに必要なのは自分の絵コンテを英語で説明する能力くらいです。説明のためのスクリプトを作って、それだけ暗記して制作会社に営業にいきましょう。
仮に絵コンテがまだできていないのであれば、英語の勉強どころか、あなたはまずは絵コンテを描き始めるべきです。描き方がわからない? 全然問題ありません。絵コンテの描き方を調べて書き出しましょう。ストーリーの作り方がわからない? まったく問題ありません。ストーリーの作り方を調べてすぐにストーリーの作成に入りましょう。そういう方法を解説した本は、ごまんと出ています。そのときには、ぜひロケットスタート時間術を使ってみてください。まずは40%の出来栄えでもかまいません。絵コンテにしてもストーリーにしても、想定の2割の時間で一気に全体を書き上げるのです。枝葉や装飾は、その後の8割の時間をかけてゆったりと付加していけば問題ありません。
英語の話は決して大げさな話ではありません。私もそういうことをしてきました。マイクロソフトにおけるすべてのプレゼンの場面で、いつも私は自分の作品と少しの言葉ですべてを伝えてきました。言語の壁はそんなに高くもないし厚くもありません。ただ何かを伝えたいという情熱さえあれば、壁は乗り越えられます。
あなたのやるべきことは英語を勉強することではありません。英語を使って何かをすることです。
……と言いながら、なかには学生さんや、将来やりたい仕事が資格の必要な仕事である人もいるでしょう。たとえば、専門の資格がないと開業できない建築士や公認会計士、弁護士などの職業を目指している人です。私はそういった方や学生が大学に進学するために行う本当に必要な勉強を否定しているわけではありません。将来なんとなく役立ちそうだからという程度の思いで資格の勉強をするのは時間の無駄だとお伝えしているだけです。
そういった方は、3章でお話ししたとおり、学校や塾の授業の前に、次の授業の範囲の問題を自分で解く(英語だったら次の授業に出る英文を日本語に訳しておく)形で予習をして授業にのぞみましょう。これは物理や化学、資格試験の勉強に対しても有効です。そういった教科の場合、授業の前にまず、次の授業で解説される範囲の問題を解くことを予習としてやっておいてください。
こうすると、授業がすばらしく効率的な勉強の時間になるのです。もちろん授業は真剣に受けます。そのとき意識するのは、解けなかった問題や間違っていた問題がなぜ解けなかったのか、何が間違っていたのかを確認することです。わからなかったところは積極的に質問をすると効率的に理解が深まります。
前述しましたが、私はこれを繰り返すことで、ほとんど特別な受験勉強をすることなく早稲田付属高校に受かったので、ぜひ試してみてください。
また、社会人の方がいつ勉強する時間を取ればいいかは、すでにお話ししています。本章のメインの仕事と並行して毎日ブログを書くときの話と同じで、毎日ブログを書く時間(流しの時間)を予習の時間にあてればいいわけです。
その意味で、独学だと復習のための時間が奪われ、効率が悪いと言えば効率が悪いので、社会人の方は、強制的に勉強(復習)の時間を持てるように、学校に通うことを検討してもいいでしょう。それも流しの時間に組み入れてみてください。
集中しなきゃいけない仕事なんかするな
オーバーワークになる仕事を断り、一つの仕事に集中して取り組むことができるようになったとします。時間術の導入はここから始まります。といっても、仕事の量を減らす勇気を持ったあなたは、もう本書の目標である時間術の習得を8割終わらせています。あとはペースを崩さず、本書の仕事のやり方を徐々に身に付けていきましょう。
それで、ここまでの時間術を使っても、どうにも残ってしまう問題があります。
それは、どんな技を駆使しても、どうしても集中できない人です。
きっとこの本を読んでいる人、いや読んでいない人も含めてほとんどの人が困っていると思います。でも私は、そもそも集中力のなさに悩むという行為自体が間違っていると考えています。集中力を要するような仕事をしている時点で違うのです。どういうことでしょうか。
それは、「自分が本当にやりたいことを見つけろ」という、とても単純な話です。言い方を変えて「わがままに生きろ」でも「自分に正直に生きろ」でも「本能にしたがえ」でも良いのですが、結局のところは「一度しかない人生、思いっきり楽しもうぜ」という話です。
集中力を無理に引き出さなければいけない仕事をそもそもするな、ということです。そういった仕事は、本当はあなたがやりたくない仕事であり、そもそもそういう仕事に対して本質的な集中力を発揮するのは難しいという話です。
天職という言葉があります。サッカーの本田圭佑君やフィギュアスケートの羽生結弦君のような「その道の達人」のことを指すと勘違いしている人もいますが、それは少し違います。
天職とは、「運命で定められた、天から授かった好きで好きでしょうがない職業」のことです。子どもが大好きで子どもたちの心をつかむのが誰よりも上手な小学校の先生。30年もパンを焼き続けてきたのにいまだに「もっとおいしいパンを作りたい」と努力し続けるパン職人なんかは天職に恵まれた例だと思います。言いかえれば天職とは、「傍から見ると苦しそうだが、本人にとってはそのこと自体が喜びであり、いつまでもやっていたい仕事」のことです。
そもそも本田君も羽生君もそのこと自体が好きで好きでしょうがなくて、努力を努力とも思わない圧倒的な努力を積み重ねているのです。私は、そうじゃないのに大成した人を、未だかつて一人として見たことがありません。
「自分には才能がないから天職なんか見つけられない」とネガティブに考える方もいるかもしれませんが、これも間違いです。重要なのは楽しくて楽しくてしょうがないかどうかの、ただ一点のみだからです。
人生の時間は、その大半を社会人としてすごします。学校を卒業して就職し、現役から退くまでの30年~40年の間、毎日毎日仕事をしてすごします。つまり人生の半分くらいは仕事なのです。したがって、仕事をいかに楽しめるかが人生における重要な問題になります。天職を見つけられるかどうかは人生という時間を左右するのです。
テニスで世界のトッププレーヤーになるためには、努力だけではなくて才能も必要です。生まれ持った瞬発力や敏捷性、あるいは単純に身体の大きさがキャリアを左右することはスポーツの世界ではよくあります。テニスコーチをしている人たちの中にも、最初はトッププレーヤーを目指していて途中で挫折した人がいるかもしれません。
しかし、それでもテニスを離れられないからテニスに関わっているのです。小さなスポーツクラブのコーチでもいいから、一分一秒でもテニスに触れていたい。大好きなテニスを一人でも多くの人に教えて、その楽しみを共有したい。
私はそんな生き方はすばらしいと思うのです。それこそ天職と呼ぶべきものだし、人生とはそうあるべきだと思うのです。
そんな天職に就いたとき、あなたはもう集中力を必要としない世界に突入していけるのです。
「ああ、そんな職に就けるはずがないから、自分には関係ない話だ」と思った人も、本書を閉じずに先に進んでください。そういった方への私なりの解決策も、後半でお伝えします。
何を基準に「自分に適した職」を選ぶべきか
私は学生のころからプログラムを趣味で書いていましたが、そのころはまだ、「好きなこと」と「職業」を一致させることの大切さに気づいていませんでした。いくつかの企業を訪問したときには、ほかの学生と同じように「この会社はどのくらい残業させられるのか」などを気にしていました。
しかし、今考えてみれば、この「残業させられる」という考え方が根本的な間違いだったことがわかります。仕事は「頼まれなくても自分から喜んで残業するほど楽しい仕事か」どうかで選ぶべきなのです。月曜日が毎週つらくて、毎日夕方5時になるとそわそわし始めるような仕事を選んだら一生後悔します。
これはどんな仕事にも当てはまる話でしょう。仕事をしていれば、無謀なスケジュールに振り回されることもありますし、嫌な上司や顧客に無理難題を突きつけられることもあります。自分が得意ではないことをやらされることもあります。つらいときがまったくないかと言えば嘘になりますが、この職を辞めたいくらい苦痛かと言えば、けっしてそんなことはないのです。
解決できそうになかったバグが取れたときの快感と言ったらないし、新しい言語や開発環境を習得できた後にする全力疾走の解放感が、あまりに格別なのです。
突き放すような言い方で申し訳ありませんが、考えてみてほしいのです。上り坂に出会うたびに、「こんな坂道大嫌いだ、誰がこんなコース設定したんだ。マラソンなんてするんじゃなかった」と考えてばかりいる人が、マラソンを続けることができるでしょうか。そういう人は、遅かれ早かれマラソンの道から離れざるを得なくなるはずです。
集中力は、好きだからこそ自然に出てくるもので、好きでもないものに対して無理やり絞り出すものではないのです。だから、「集中力がほしい」と思って本書を手にした方は、本書のノウハウを使って無理に集中力をひねり出す前に、根本的なその問いに向き合ってほしいのです。
運だけではない「姿勢」の重要性
どんなに無謀なスケジュールや上司に出合おうと、本当にその仕事が好きならば、「この無謀なスケジュールをどうやってしのごうか」とか、「今日徹夜をするよりも、いったん家に帰って寝たほうがトータルでの効率が上がることを証明して、上司の鼻をあかしてやろう」と考えるはずです。本書の時間術もそういった私の人生の過程の中で、自然と見出してきたものなのです。
私自身、無謀なスケジュールを突きつけるプロジェクトマネージャーと徹底的に戦ったことが何度もあるし、役に立たない上司を放り出すために上司の上司に直談判したことが何度もあります。それもこれも、プログラミングが好きだから、自分として納得がいく仕事がしたいから、ただその一点だけからの行動なのです。
ですから今はまだ学生の身分にある方は、まず「どんな仕事なら人に止めろと言われてもいつまでもやっていられるのか?」を試行錯誤してください。具体的な方法としては、いろいろなアルバイトを経験してみることをおすすめします。ちょっとでもおもしろそうだなと思ったアルバイトがあったら思い切って飛び込んでみましょう。学生でいられる期間は限られていますから、いろいろなバイトを掛け持ちでやってみるのがいいでしょう。バイトを募集していない職種なら、インターンで飛び込んでいくのもいいやり方です。インターンの募集すらしていなかったら、「タダ働きでいいので仕事させてください」と飛び込んでいきましょう。
私も、家庭教師や小学生の図画工作の教材の模範作品例を作る仕事やプログラムのバイトなど、いろいろやってみましたが、一番ハマッたのがプログラムで、それが生涯続く私の天職になりました。これは「将来のため」という漠然とした思いから何かを勉強してみることよりも、よほど大切なことです。実際、学生の人に「今」この話をしても心にまで響いてくれないかもしれませんが、あなたの少し先を走る人生の一人の先輩の戯言として聞いてください。
あなたの仕事は、学生のうちに天職に繋がる手がかりを探し出すことです。
とはいえ、本書を読んでいる方の多くはすでに仕事に就いていて、やすやすと転職するわけにはいかない責任ある立場にいることでしょう。ですからいまさら人生を変えるために天職を見つけなさいというのも酷な話です。
また、社内の仕事を楽しめと言っても、日々の仕事が忙しかったり、やりたいことを上司がさせてくれなかったり、おもしろいプロジェクトに入れてもらうほどの成果を出していなかったりと、楽しい人生を阻む要因はたくさんあります。
そこでどうやったら好きな仕事ができるようになるのかについて、私の経験にもとづいて述べたいと思います。まずは、社内に今の仕事ではないほかの就きたい仕事がある場合の対応策の話です。
私はパソコンの黎明期から様々なおもしろいプロジェクトに関わってきました。アスキー出版からソフトウェアの「CANDY」をリリースしたのもそうです。マイクロソフトでWindows95やインターネットエクスプローラーのリリースに関わったのもそうです。これらの経験は私のキャリアにおいて大きな財産になっており、とても幸運だったと思います。
とはいえ、すべてが運によってもたらされたものだとは思っていません。
アラン・ケイというコンピューターの世界で有名な人物がいます。彼はオブジェクト指向プログラミングやユーザーインターフェース(ユーザーが直接目にする画面のデザイン)設計などに関する功績で知られる、たいへん優れた技術者です。そんな彼の言葉に、「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」というものがあります。私が大好きな言葉の一つです。
現状に満足せず、常に新しいものを求めよう。誰もやったことのない仕事をしよう。人々のライフスタイルに大きなインパクトを与えるプロジェクトを始めよう。そんなチャレンジングな思いがこの言葉に凝縮されています。
私は決して現状に満足したりせず、常に新しいものを求め続けています。いったん自分が関わったら、そのプロジェクトを何としてもおもしろい方向に持っていこうとします。
やりたいことには思い切って飛び込む
私の人生はすべてそのような姿勢で決まったと思っています。
高校生のとき、アスキー出版で働き始めたのは、アポなしで『月刊アスキー』編集部まで押しかけたのがきっかけでした。それも最初はライバル雑誌の『I/O』に別のプログラムを投稿したところ1か月経っても返事もないので、それにしびれを切らしてアスキーにしたという程度のことでした。
マイクロソフトで働くことになったのも、アスキー出版時代の知り合いである古川享さんがマイクロソフトの日本法人を設立したことを新聞記事で知り、「私抜きでそんな楽しいことを始めるのは許せない」とすぐにその場で古川さんに電話したからです。
当時私はNTT武蔵野電気通信研究所にいましたが、普通に考えれば「NTTの研究所」という安定した職を捨て、当時は一部の人にしか知られていなかった外資系のベンチャー企業に転職するなど自殺行為でした。でも、「マイクロソフトに行けばおもしろいプロジェクトに関わることができるに違いない」と信じた私を止めることができた人は一人もいませんでした。
マイクロソフトの日本法人に入ったものの、本格的な開発はすべてシアトルの本社で行われていることに気がついた私は、機会を見つけては「本社に転籍したい」と言い続け、しまいにはビル・ゲイツに「次世代OSを作っている部署に行きたい」と直談判してアメリカ行きが決まりました。Windows95の開発に関わることができたのも、自分に正直に生きたがゆえです。
Windows95をリリースした直後にインターネットエクスプローラーの開発に関わることになったのも、けっして誰かに頼まれたからではありません。インターネットのシンプルさに惚れ込んだあげく、「僕に任せてくれればネットスケープに対抗できるブラウザを作ることができる」と自分を売り込んでプロジェクトに加えてもらっただけのことです。
マイクロソフトを飛び出してUIEvolutionを設立したのも、すでにマイクロソフトが覇権を握ったPC市場にはおもしろみを感じることができなくなったからです。
常にそういう姿勢でいる人にだけ、チャンスは巡ってくるものなのです。
この経験から言えることは、「本当にやりたいことがあり、そしてそれを成し遂げる熱意があれば、遠慮せずに相手の懐に飛び込んでもなんとかなる」ということです。
やりたい仕事があったら、上司に頼む前にまずやってみる、です。
私の話で言えば、ほとんどのやりたいプロジェクトに関わるために、まずは目に見える成果物(プロトタイプ)を2、3日で完成させて、「これどうですか? この仕事進めませんか?」と上司のもとに持っていきました。大学生のときに「CANDY」を作ったころからのやり方です。CANDYも、プロトタイプを持っていかなければ、その開発へのGoサインはもらえなかったと思います。
このやり方は、一般のどのような仕事にも応用が可能です。
たとえば、何かの製造業で、新しい何かを開発したい場合、簡単な、なるべくコストをかけない試作品を一台作りましょう。この場合、見てくれはどうでもよくて、張りぼてでもなんでも大丈夫です。発泡スチロールや紙粘土、段ボールを駆使してでも作り上げるのです。そうして目に見えるもの、手に触れられるものを作った段階で、初めて上司に「これ製品化してみませんか?」と持ちかけます。
何かイベントに携わりたいのであれば、まず企画書を作りましょう。その上で、会場や出演者を押さえる必要があれば、仮の話として会場や出演者の予定を聞いて、まずは実現可能かどうかを調べましょう。告知の必要があれば、広告を出す媒体に連絡を取って広告費がいくらになるのかを調べておきましょう。そこまでやって初めて上司に、「これであとはやるだけですが、やってみませんか?」と持ちかけます。
営業部から企画部に移りたいなど部署を移動したいときだって同じです。先のイベントへの関わり方と同じ方法で企画して、もう「実行するだけ」というところまで速攻で生み出し、企画部の上司に持ち込めばいいだけです。
冴えたアイデアを生む思考とは
そんなアイデアは私にない? それも問題ありません。あなたにいいアイデアが思い浮かばないのは、「売れるものを作らなきゃいけない」「何か天才的でクリエイティブな名案を生み出さなければいけない」と思い込んでいるからです。
いいアイデアとは、自然と出てくるものであり、新しい何かである必要はなく、すでにあるものの組み合わせによる応用にすぎないからです。
どういうことでしょうか。この考え方のヒントに適しているのが、私がWindows95に組み込んだ、ダブルクリックや右クリック、ドラッグ&ドロップなどのアイデアです。
これは当時にしてみれば新しいものでしたが、後から見れば「なんでこんなものがそもそもそれ以前にはついていなかったのか?」と思えるほど普通のものだと思いませんか。
私がWindows95の基本設計を作っているときに真っ先に考えていたのは、純粋に「それまでのWindowsの使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はどこか?」という問いでした。すなわち、いまある製品・サービス・考え方を「何か使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はないか?」という視点で眺めてみるのです。
この問いに答えが出れば、あとは冴えたアイデアを出すのは容易になります。なぜなら、「じゃあその使い勝手の悪い部分をすごく使いやすいものに変え、気に食わない部分をストレスフリーにするにはどうすればいいか?」を考え、それを実現すればいいだけだからです。
もう一つの考え方のヒントは、「何か新しい商品・サービス・考え方が出てきたら、それと何かを組み合わせておもしろい物ができないかな?」という視点で世の中を眺めることです。この二つの考え方を統合したときに、Windows95の基本思想が生まれたわけです。
最初にマウスを活用したパソコンは、アップルのMacintoshでした。すでにドラッグ&ドロップのような発想はありました。しかし、アップルのマウスにはボタンが一つしかないため、できることは限られていました。マイクロソフトのマウスはボタンが二つあり、その使い方はソフトウェアエンジニアに任されていました。
そこで私は、アイコンの上で右ボタンをクリックすると、そのアイコンでできることすべてがコンテキストメニューとして表示され、左ボタンをダブルクリックすると、そのメニューの中で、最も頻繁に使う動き(文書ファイルであれば「開く」、音楽ファイルであれば「再生する」)が実行されるというルールを定めることにしたのです。誰にでも理解できる簡単なルールが決まっていれば、簡単に使えるようになるからです。
つまり、二つボタンのあるマウスと、それを使って操作性を一気に向上させるという視点を組み合わせたときに、必然的にダブルクリック、右クリックでコンテキストメニューを表示などの方法が生まれたのです。私にとっては実に自然なことです。
CANDYも、マウスという、パソコンでの描画性を飛躍的に向上させる新しい機能がついたときに、「これで何かできないかな?」と考えたことと、当時、「設計図の作成には高価な大型コンピューターが必要だけれども、万人が使えるレベルにするため何かできないかな?」と思考していたことが重なって、自然と出てきた企画です。
ほかに私は、2008年に、Photo Shareという写真共有アプリをリリースしましたが、そのときも「iPhoneにすごくいいカメラがついた」という新しいものの出現と、「自分が撮った写真を人と簡単に共有したいな」という従来からあった自分の願望を組み合わせただけでした。結果ダウンロード数は100万ダウンロードを超え、アメリカではちょっとした社会現象にまでなりました。でも考えてみれば、天才的なひらめきや圧倒的なクリエイティビティがそこにあったかといえば、別にそんなものはなかったわけです。
そう考えると、企画なんて簡単なものに思えてきませんか?
実際のところ、新製品のアイデアを思いつくことは、世の中を丁寧に見ている人には決して難しくないのです。難しいのは、そのアイデアを目に見えて触ることのできる、実際に動く物にしてしまう部分なのです。
ここまで「Windows95以前のWindowsは使い勝手が悪いと思っていた」「CANDYを開発する以前に、機械とかの設計図を容易に描けないものかと考えていた」「Photo Share以前に撮った写真を簡単に人と共有したいと思っていた」という話をしました。こういう、「今ある製品・サービス・考え方に、何か使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はないか?」「やりたいことがあるのに、今はまだその願望を満たしてくれる製品やサービスがないな……」という視点で常に世の中を眺め続けることが重要であり、それを習慣化することこそが難しいのです。
ただし習慣化する方法はあります。世の中で疑問に思ったこと、引っ掛かりのあったことに気を配り、即座にメモに残していくことを続ければいいだけです。
たとえば私は、電車の駅の行き先を示す矢印の看板が少しでたらめな方向を向いているだけで、即座に「これはおかしいな」と目が行きます。また、ラーメンが好きなので、ラーメン屋さんに入ると、「麺のゆで方が惜しいんだよな」と気になります。日々の暮らしの中でそういう思考実験を繰り返していると、自然と仕事の中でも改善すべき点が目に付くようになっていくのです。
そうやって仕事に繋がりそうな引っ掛かりが出てくるたびに、どんどんメモに放り込んでいきます。すると自然にそれを解決する方法に出会えるのです。それは多くの場合、新しい何かの問題解決のツールだったりするわけです。この二つが結びついたとき、あなたは最強のプランナーへと変貌を遂げられます。
何かをやりたくて仕方がない人にとっては、企画なんて泉のように湧き出てくるはずです。だって、あなたは現在の世界・生活に満足していますか? 満足していないからこそ、何かやりたいことがあるはずです。だとしたら、そこにこそアイデアの種が膨大に埋まっているわけです。
「あー、こういうのあったらな……」「この製品(サービス)ここがちょっと惜しいんだよな……」。その誠に個人的な思いが、明日のイノベーションを起こしているのです。実際、私が関わってきた偉大なイノベーションを起こしてきた人の多くが、この思考で革命的な製品・サービスを生み出していました。
今の環境で夢に近づく方法
社内にやりたい職種がなくて新たな職場に転職するのが難しい? それすら「飛び込む勇気」さえあれば問題ありません。これまでお話しした企画なり、試作品なりを作って、それをやっている会社に「1か月タダ働きさせてください」と申し入れればいいだけです。そうやって1か月で成果を挙げられれば、その会社は、あなたを雇わずにはいられなくなるからです。
とはいってもそこまで飛び跳ねたことをできる人は少数でしょう。だからコツを教えます。
今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事に繋がる共通点を見つけ出せ、です。
私の話でいえば、海外の本社に移った話ですが、マイクロソフトの日本法人で、ローカライズ(アメリカ向けに作られていた製品の日本版への転換)の作業とはいえ「OSの仕事に携わっている」というただ一点の共通点だけを押したのです。ビル・ゲイツ本人に「米本社でOSの開発に携わらせてほしい」と申し出て、それが認められました。
私の知り合いの知り合いに、長年、工場派遣労働勤務だった人がいます。その人はつい最近、中堅広告代理店の正社員営業マンの職に転職しました。彼は面接でこう話したそうです。
「工場の中で、上司やほかのスタッフと潤沢なコミュニケーションを取って職場の雰囲気を良くしました。それが仕事の中の最高の喜びでした。だから人とコミュニケーションを取り、人を喜ばせることのできる営業職に就きたいのです」
また、とある資格試験の予備校の職員をしていた知人は、元々銀行で働きたいと思っていました。そこで自分の仕事の中に、「いろいろな大学への出張講義・講座の提供」が含まれていることに注目しました。それは大きくとらえれば法人営業の一部です。そこでその法人営業での実績を携え、一点突破で新卒時から働きたかったメガバンクに転職を果たしたのです。彼女は銀行の面接でこう話したそうです。
「現職の中で最大の喜びは、大学に出張講座の提案に行き、受け入れてもらえた瞬間でした。結果、○○大学と××大学、□□大学でうちの出張講座を導入いただけたのですが、なぜそれが喜びだったかというと、通常の自社内での講座に比べ、一気に多くの学生さんのお役に立てる機会が増えるからです。出張講座内からは○人の合格者を出すことができました。そのときに、人の人生に深く、かつ広く関わることのできる仕事をしたいと考え、御行で法人営業の職に就きたいと考えました」
本章冒頭の「勉強はするな」の項目の中でお話ししたとおり、「必要は成功の母」なのです。必ず解決策は存在します。やりたいことがあれば、目を皿のようにしてその解決策を探すのです。自分で答えにたどり着けない場合には、徹底的にその分野の本を読み込むでしょうし、その分野で成功している人にヒアリングを重ねるべきです。すると必ず解決策があなたの目の前に現われます。
「無理だ」という人の多くがじつは、そのことについて実際にはほとんど何も調べてもいないし、考えてもいない人だということを、強く心に刻み込んでください。
もちろん私も、やりたいことがすべてできたわけではありません。関わったプロジェクトの7割くらいは失敗に終わっています。常に枠組みを超えて新しいことをやりたがるので、仲間から非難されることもしばしばあります。けれども私はいつも楽しいです。それはやはり、失敗することよりも、自分に不誠実になることのほうを恐れているからです。
やりたいことが見つからないなら先人に聞く
そもそもやりたいことが、見つからない? それにだって解決法は存在します。ヒントは、私のもう一つのアイデア発想法の中にあります。すでに私の企画術の話はしましたが、もう一つのやり方があるのです。
それは、何だかその人と話していると、アイデアが次から次に生み出されていく友人と、定期的に話をする機会を持つことです。私のその友人はある会社の営業マンをやっている人ですが、その人は新しいものやおもしろいものが大好きで、いろいろな情報を仕入れてきては、私に延々とシェアしてくれるのです。一方の私も、
これを一般の物事を考えるときの話に適応すると、自分がやりたいことが何なのかわからない人は、あなたと少し異なる情報源に触れることのできる人・常にアンテナを広く張り巡らせている人に話を聞きに行け、ということになります。
アイデアも一人でうんうんと考え続けるよりも、豊かな発想を持ったほかの人と話しているときに多く生み出されるように、問題の解決法も、豊かな発想を持っている人に話を聞くほうが手っ取り早いことが往々にしてあるわけです。
具体的には、あなたが憧れる生き方・働き方をしている人に直接話を聞きに行きましょう。有名人だから会えるわけがない? そんなはずはありません。有名な人は得てして講演会やセミナーなどを行っているはずです。すかさずそういう会に参加して、質問の時間に(いや、質問の時間がとられていなくても自ら挙手して)「私はある問題を解決しようとしているのですが、袋小路に入ってしまっていると感じています。少しお知恵を拝借できませんか?」とストレートに聞いてみましょう。
また、著名な人でなくても、周りの憧れの先輩、知り合いの知り合いであるすごい人の中で「これは」と思った人には積極的に話を聞きに行きましょう。その人と話す機会が得られない? そんなはずはありません。直接の知り合いだったら、「あなたの話を聞きたいです。お好きなお店で奢りますから、ぜひ話を聞かせてください」と切り出しましょう。知り合いの知り合いだったら、知り合いの人に「その人と次飲みに行く機会があったら、私も連れていってください」と申し入れましょう。
話を聞くのは一人だけに、ではいけません。恐らく誰か一人に話を聞いたところで、あなたの積年の悩みは解決できないでしょう。そもそも一人に話を聞いた程度でちゃんとその人が応えてくれるなんて思っていたら挫折のもとです。だからあなたの悩みが解決するまで、しつこく、諦めずに、何人の人にでも話を聞きに行くのです。
でも実際、そうしていると、いつしかあなたは、多くの先人たちがほとんど同じ話をしていることに気づくでしょう。
それは何かを成し遂げたり幸せな人生を手に入れたりするには、「好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」ということです。
MBAで学べることより大切な、たった一つのこと
突然ですが、私はここでみなさんにお詫びをしなければいけないことがあります。
それは、ここまで長らく私の人生がトントン拍子にうまく進んできたかのように書いてきてしまったことです。
自慢話のようで鼻についた方もいたでしょう。そういう方にはお詫びを申し上げたいと思います。不快な思いをさせてしまったことと同時に、私の人生も決してうまくいったことばかりではなかったからです。
そういった話──すなわち、何かを成し遂げたり幸せな人生を手に入れたりするには、「好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」という話──をこれからしていきたいのですが、私の人生の最大の試練は、初めてのスタートアップであるUIEvolutionを立ち上げた直後に訪れました。
起業直後から本当に失敗の連続でした。良いものを作っているはずなのに、なかなか売り上げにつながらず、お金が足りなくなって人を解雇しなければならない事態にまで追い詰められました。どうしてうまくいかないんだろう、何が間違っているんだろうと、それはもう想像を絶するほどの苦悶の日々でした。
自分に限界を感じた私は、会社がいったんほかの会社に買収されたのち、ワシントン大学に入学し、MBAのコースで会計やマーケティング、商品戦略などいろいろな勉強をして、経営学修士を取得しました。「勉強のための勉強」はしないことを信条として生きていた私が、勉強をするほど追い詰められていたのです。
でも、勉強に二年を費やしましたが、無情にもそこに答えはありませんでした。
そこで考えたのは、「なぜマイクロソフト時代は何をしてもうまくいっていたのか」「何を作っても市場で受け入れられたし、上司にも気に入られていたのか」ということでした。結局マイクロソフトですごかったのは、Windows95のチームでした。コアな技術者が30人くらいで、ある意味異常なカルト集団だったのです。そのチームこそが、あのカイロを出し抜いた、シカゴのチームメンバーたちでした。
私たちはあのとき、熱狂していました。カイロにすでに相当なお金をつぎ込んでいるとか、社内の軋轢とか、どうでもよかったのです。
それよりも「俺たちが何よりもまず先にWindows95を出して、まずアップルをぶちのめす」「IBMをぶちのめす」。「そうして、世界に俺たちのほうが正しいことを証明してやる」と、それに向かって皆がまっしぐらだったから、ものすごく気持ちよく仕事ができていたわけです。
「こんなのを作りたいんだ」「これで俺たち証明してやるんだ」。「チームの存在、個人の存在、なんでもいいんだけど、全部力技で証明してやる」と皆が思っていました。
全員がその方向で一致していました。思いは一つだったのです。
だからこそ何にも苦しくなかった。それがあったから1日16時間とか17時間とか働いても全然つらくなかったのです。
同じことをしていても目標がわかっていなかったり、上司に言われて「おまえ納期が迫っているんだから週末も来い」とか言われるとキツくてしょうがないはずです。実際には同じ時間働いているので、肉体にかかる負担は同じです。でも、楽しんでやっているかそうでないかで結果は変わってくる。すごく楽しかった思い出しか、その時期の記憶はなかったのです。
そういう試行錯誤の末にたどりついた一つ目の答えは、ベンチャー企業は普通うまくいかないのが当たり前だという、身も蓋もない現実でした。
商品を出して、何の工夫もせずに大ヒットするなんてことはありえません。TwitterもYouTubeも、製品をリリースしてみてうまくいかなければ修正し続けるのです。その中でつらいこともあって、一緒にやっていた人が辞めたり、お金がなくなったりするケースもあったでしょう。それでも突き進んだ人だけが成功している、ということに考えが至ったのです。Googleも最初は全然ビジネスモデルなんてなかったわけです。
じゃあなぜ、その人たちがやり続けることができたかと言うと、それはその人たちがそれをやりたかったからです。
お金目的の人たちが集まると、お金儲けでやるから、やり始めて「意外と儲からないな」と思った瞬間に人がちょっとずつ抜けていくようになります。全員がくじけないかもしれないけれど、やっぱり人は辞めていきます。
でも、こんなことを実現したい、という思いで人が集まると、そこに向かって走り続けられるのだと気づいたのです。
一つのサービスが成功したとかしないとか、誰かが抜けたとかいてくれたとか、お金がなくなったとか結構残ったとか、まぁそれはそれでつらいことだったりうれしいことではあるけれど、本当の目的に目を凝らしたら関係ないですよね。
目的はここでしょ、って。そうすると走り続けることができた。逆に言えば、そう思っているときにだけ走り続けることができていた。この走り続けられることが最も重要なことだったのです。
結局、ビジネスをどうやって成功させようかとか、お金の面をどうするかとか、人をどうやって増やすかとかどうとかこうとか、そういう話は些末な枝葉にすぎなかった。
答えはどれでもなくて、大切なのは共通の目的を持った者同士が集まったかどうか、それだけだったんです。それによってチーム全員で走り続けることができるわけですから。結果が出ていたのは、いつもそういうときだけだった。
そのためには結局、人一人の人生にとって一番大切なのは、自分の好きなことをやるかどうか、やり続けることができるかどうかだ、というシンプルな答えにたどりついたのです。
自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せにはなれない。
そんな簡単なことに、そのとき私は気づいたのです。
そのことに気づくためには、MBAなんて一つも必要ではありませんでした。
だからこそ、方法はそれしかないからこそ、私はあなたに行動してほしい。今までの自分を幸せにしない行動から早々に足を洗って、自分を幸せにするばかりの行動に舵を切ってほしい、その思いで筆を執っています。
だから私は、集中力を無理やり引き出さなければならない仕事はするな、とお伝えしたのです。これがあまりにも変えようのない人生におけるたった一つの真理だからです。
「このノウハウであなたも集中できます」と言っても、それは絶対嘘になってしまいます。私の本書での仕事は、あなたに本を読んで気持ちよくなってもらうことではなく、実際に行動を変えてもらうことです。
だから私は、ここでおためごかしを書くわけにはいかない。
最後は精神論しか語れなくなりますが、そのためになら、見栄も外聞も地位も名誉もかなぐり捨て、人生のすべてを賭けるほどの価値が、そこには絶対にあるのです。
時間を制する者は、人生を制す
「なんだか熱い話をしてお茶を濁そうとしているな? そんなキツい生き方、私には、時間の余裕もないしお金もないし、絶対にできないよ」
「そもそも時間術の本のはずなのに、なぜ人生の話を延々続けているんだ?」
そう思いましたか? でもそれはおっしゃるとおりです。私は本書が「時間術の本」だからこそ、この話を続けているからです。
時間もお金の余裕もないから、好きなことなんてできっこない、そんな余裕は存在していない、そう思われた方は、本書の時間術が生まれた瞬間の話を思い出してみてください。
そうです。本書の時間術の萌芽は、小学校3年生の夏休みに、私が宿題を終わらせていなかったばかりに海に行けなかった経験がベースとなって生まれました。
その後私は、嫌いな勉強をしたくない、好きなことばかりしていたいがために、この時間術を発展させてきたのです。
すなわち、本書の時間術が、最も効力を発揮するのは、「嫌なことから逃れたいとき」でもあるのです。
だから、時間がない、お金がない、今の仕事が嫌だ、上司が最低の人間だと嘆いている方は、今の今から、本書の時間術を使い倒して、嫌な仕事を速攻で終わらせて、そうして手に入れた余裕の時間でもって、次の人生のための準備を始めてください。
自分が好きなことが見つからない方は、そのことと向き合う時間にしてください。やりたいことがあって次の会社に移りたい方は、その会社に持ち込む企画のプロトタイプを練り上げる時間にしましょう。次の動きのためにお金が必要な方は、その時間を使って副業でもバイトでもなんでもやってとにかくお金を稼ぎましょう。資格の取得が必要な方は、どんどんそのための勉強を進めていきましょう。
そのときのつらさは、もはや苦しみではなくなっているはずです。なぜなら、それは「嫌なこと」の一部ではなく、「好きなことをやる」ための一部になっているからです。
たとえば、そのためにまずは半年耐える。その間に成果を挙げる、と期限を切ってもいいでしょう。嫌な上司から逃れたいのであれば、その期間に今の仕事で大きな成果を上げ、その成果をお土産にして、次の会社に転職すればいいのです。
新しい明日のための期限付きの努力であれば、今まで何事にも集中できなかったあなたも、集中して耐え抜けるはずです。
ゆえに、時間を制する者だけが、人生を制することができるのです。逆に言えば、今の生活に不満足な人は、今自分が、時間に支配されてしまっているんだという現実を、しっかりと認識するところから始めなければいけません。
人生だ生涯だと大きく言ったところでそれは結局、今からの一分一秒の積み重ねでしかないのです。私のこれまでも、ただ単に、時間と真摯に向き合っただけの半生でしかなかったのですから。
「勉強はするな」から始まって、長々と書いてしまいましたが、まとめると、せっかく人生の大半を仕事に費やすのであれば、給料とか社会的地位とかを基準にするのではなくて、自分が好きなこと・やりたいこととマッチした職を選びましょう。
もし今やっている仕事が「集中力を要する仕事」だったら、集中しなくても楽しくてしょうがないから、つい没頭してしまう仕事に就けるよう、まずは本書の時間術を使い倒して、期間限定でいいから今の仕事で成果を挙げて、それができる部署・会社に移りましょう、ということです。
自分が本当は何をしたいのか、何になら夢中になれるのかを、できるだけ早いうちに見つけ出すことはその後の人生にとって大きなプラスになります。そんな天職を得るための努力なら惜しむことはないし、けっして無駄にはなりません。そうやって「好きなことをして生きていく」ための努力を続けている限り、(ほかの人にとっては)つらいことも苦痛ではなくなるし、喜びに溢れる人生が送れます。
だから、自分が関わっているプロジェクトの方向性がおかしいと思ったら、自分がどんな立場にいようと強く主張すべきです。仕事の成果を挙げることは、会社の規則を守ることに優先します。早く帰って休むことは、ほかの人と一緒に残業することに優先します。会社のために上司に反対意見を述べることは、上司を気遣って黙っていることに優先します。
仕事のことを考えて行動することは、相手に遠慮することに優先します。
会社は成果を挙げる人を必要としているし、本当に会社のためになるのであれば必ず耳を傾けてもらえるはずです。「そうは言っても、難しいんだよ」などと逃げを決める上司は怒鳴りつけてやればよいのです。
あなたの仕事は、あなたの仕事を終わらせることだからです。
結局、本書の真の目的とは何か
……と、熱い話になったので、本書がエンディングを迎えたと思いましたか? そうは問屋が卸しません。本書はもうしばらく続くのです。
なぜなら、あなたの仕事が仕事を終わらせることであるのと同様に、本書での私の仕事は、あなたの仕事を終わらせることだからです。
最後に本章をまとめておきましょう。大きくは、次の3点に集約されます。
・勉強のための勉強はするな
・規則は守るな
・集中力を無理やり引き出さなければならない仕事はするな
本書は時間術の本です。そのため、いくつかのノウハウをみなさんにお伝えするためだけに、かなりの紙幅を説得のために割きました。たくさんの例とたくさんの比喩、たくさんの概念を織り交ぜて時間術について語ってきました。
6章ではそうした実用的な話から大きく転回し、働くということの考え方や勉強ということの考え方、そして生き方についても語ってきました。雰囲気の違いに驚かれた読者もいるかもしれません。けれども私が本書で伝えたいのは、まさにそういうことでした。
働くとはどういうことか、生きるとは何かを考えてほしい。そんな思いで本章を執筆しました。
本章の内容は先ほど3つにまとめました。しかし、あえて振り返ることはしません。1章から5章までのように、要約して伝わるものでもないと思うからです。ただ、ここまで読んでいただいたあなたなら、この章がどのような目的で書かれたのかはわかっていただけると信じています。
最後に、時間術をあなたに導入してもらうために、私から一つ最大のメッセージを送って終わりにしたいと思います。
あなたが寝る前にやるべきこと
ここまでいろいろなノウハウを述べてきましたが、今までいろいろなビジネス書を読んできたみなさんは、いつものように読了時につかの間の高揚感を得て「いつか実践してみよう」と本書の内容を忘れてしまうのでしょう。
それは私の本意ではありません。このまま本が終わってしまっては、いつまでも時間術を実践していただけないでしょうから、ここで言っておきます。
実際、仕事を抱えすぎていた人、いつまでも仕事が終わらなかった人が、本書の仕事術を導入するのは非常に困難なことです。なぜなら、嫌で嫌でしょうがなかったにもかかわらず、あなたの仕事がいつまでも終わらなかったのは、あなたがその困難な状況と向き合うことを避けてきたからです。
「馬を水辺に導く事はできるが、水を飲ませる事は出来ない」ということわざがあります。困難な状況を変える方法を教えても、困難な状況を変えさせることは、なかなかできるものではありません。
ですから、「難しいことなんだ」という認識を持ち、それを前提として「全力で」事に当たるしかありません。
だからこそ私は、あなたにロケットスタート時間術を導入していただくことを諦めません。
なぜなら、私の本書での仕事は、あなたがあなたの仕事を終わらせられるようにすることだからです。
難しいことですが、あなたには今、まさにこの時点から変わってもらいます。
あなたが人生を変えられるかどうかはこの瞬間にかかっています。
今までの何も変わらなかったやり方を続けて、あなたの人生が何か変わることがあるでしょうか?
むろんあり得ません。
だから、あなたは「今」何かを変える決断をしなければいけないのです。
人生を変えるには覚悟が必要です。
あなたが今日から実践すべきこと、それは夜寝る前に、明日やることのタスクリストを作ることです。これをやらなければいけないのは「絶対」です。
4章でお話ししたとおりですが、タスクリストがあるのとないのとでは、仕事の効率がまるで違ってきます。自分が何をするべきなのかがわかっていない人は案外多いものです。少しの重複になりますが、タスクリストについて詳しく説明します。
私はタスクリストは普通にノートに書いています。パソコンのツールやスマホのアプリだと起動に少し時間がかかるからです。毎日やるものは、極限にまで動作のハードルを下げるべきです。紙のノートだったらいつも手元に置いておいて、サッと開いて書けばいいだけですから長続きします。
具体的にどうするか、というと、左端にチェックボックスを書き、その右に仕事の内容を書きます。ここで重要なのは、仕事は15分程度で終わる単位の仕事に分けることです。15分では終わらない仕事もいくつかの小さな仕事に分割します。慣れないうちは難しいでしょうから、まず5章の「長期の仕事は縦に切る」でお話ししたような要領で、大きな仕事をズバズバと中くらいの規模に分割していってください。その後更に小さな仕事に切り分け、そのうえで15分くらいの微細なタスクにまで落とし込んでいきます。
作業自体はたったこれだけのことです。私は毎日寝る前の5分程度で書いています。しかしこれはたいへん重要なことです。なぜならタスクリストがあると仕事にリズムが生まれるからです。仕事のリズムとは、つまり一つの仕事を終えるごとにリストにチェックがついていく快感のことです。
言葉にするとあまり大したことのない感覚のようですが、実際にやってみるとかなりの高揚感があります。
ここに書き出したタスクが明日の作業ということになるのですが、思い出してみてください。本書の方法では、1日の仕事の大半(8割)をいつまでに終わらせるのでしたか?
そうです。あなたは明日の仕事の大半を、明日の午前中までに終わらせるのです。
ということは、明日朝起きたら、せっせとタスクをつぶしていき、あなたは明日のお昼までに、このリストのほぼすべてにチェックをつけて終わらせるわけです。
チェックまでの時間にリズムをつけるのが重要です。1日のタスクが3つくらいだとなかなかチェックをつけられません。そうすると頑張っているのになかなか仕事が進んでいないように思えたりするので、分割することで気持ちよくなるべきです。どんどんチェックをつけられるので、午前中いっぱい達成感が持続します。
このリズムが、あなたに、「仕事を追っている感覚」をもたらします。仕事に追われていた今までとは180度違う感覚です。朝の2時間半でどれだけタスクを倒せるのかが楽しくて楽しくてしょうがなくなっていきます。午前中にほとんどの仕事を終えられたときの快感たるや、
私はそうして今、ここに立っています。明日から、あなたにもそのすべてが可能になるのです。
あなたは明日のタスクリストに何を書き込みますか? 上司に「いったん2日時間をください」と、初の見積もりを申し出ることでしょうか? やりかけの仕事に、「初の10倍界王拳を使って取り組み出すこと」でしょうか? 多くの人は、明日からどうやってロケットスタート時間術を導入していくかが、15分ごとの小刻みなタスクとしてリストアップされていくことでしょう。明日が本当に待ち遠しいですね。
一応、明日の朝あなたがやることも、ここに書いておきましょう。それが明後日以降も毎朝あなたがやるべきことになります。
大切なのは、出社する前から仕事をすることです。よく将棋の棋士が頭の中で将棋盤を思い描いて勝負することがあります。これを目隠し将棋、あるいは脳内将棋と言います。これは熟練した将棋指しが成せる神業です。お互いの駒の配置の変化やお互いの手持ち駒をすべて暗記しながら戦略を組み立てるというのは相当な集中力を要します。それだけに、プロとプロが将棋盤を見ずに目をつむって「七6歩」「八4歩」と言っていく姿は、とてつもなく高度な演劇のようです。
これを仕事で再現するのは不可能ですが、私がこの例から言いたいのは、仕事場で机に向かわなくても仕事のことは考えられるということです。
私は毎日、オフィスに車で向かう途中に今日やるプログラミングのことを考えています。昨日考えていたところは、こうすればうまくいくかもしれないなと。それなら今日はここをこうしていこうと。
仕事が始まるのは会社でパソコンのスイッチを入れたときではなく、会社に向かっているときなのです。
というよりも実際には、夜寝る前からすでに明日の仕事は始まっています。
本書では再三、もうどうしようもなく眠くなったときは、何度でも仮眠しましょうというお話をしました。この考え方を仕事の終わりかけの夜の時間に応用するとこうなります。
夜の時間、すなわち「流し」の時間の後半あたりで眠くなったり、仕事に煮詰まったりした場合は、思い切って明日に向けて寝てしまうのです。しかもただ寝るだけでなく、このときに、睡眠学習ならぬ睡眠仕事を意識しましょう。考えても考えても解決策が思い浮かばなかった難問、何をどうやっても前に進められなかった仕事。それらは寝ながら考えようと思って、解決策を考えながら眠りにつきます。
そうして翌朝、会社に着いたら、コーヒーを淹れたりせずに仕事を始めます。やることは決まっています。「10倍界王拳を使って仕事をする」。タスクリストに書いてあります。
そうすると不思議なことに、昨日はどうやっても出てこなかった冴えた解決法が、湯水のごとくあふれ出てくるものなのです。
この本を閉じた後にあなたが作るタスクリストは、未来の地図です。それに従って進んでいけば、ここではないまったく違う新たな場所にたどり着くことができます。だからタスクリストは「書くもの」ではなく「描くもの」です。
明日の分のタスクリストが完成したら、スマホをいじったりせず、明日の仕事のことを考え、ワクワクしながらベッドに入りましょう。
ついに電気を消す時間がきましたね。
明日の朝起きたら、今までのあなたのものとはまったく違う新しい人生が始まります。地図を手にして未来へ突き進むのです。だから今日の夜は今までの変われなかった人生を閉めくくる記念すべき最後の消灯です。
あなたの仕事は、仕事を終わらせることです。
そして、あなたの人生の仕事は、あなたの仕事を終わらせることではなく、人生を思いっきり楽しむことです。
私はこの本を、中学のときに作りたいと熱望していたタイムマシンの代わりとして、あなたの人生を一気にワープさせてくれるデバイスなんだと思って書きました。
あなたの人生に、少しの明かりを灯すことができれば、これ以上うれしいことはありません。
一度しかない人生、思いっきり楽しもうぜ。
やりたくもないことに延々時間をとられてるなんて、もったいないぜ。