①原稿の執筆→5か月

②その修正→3か月

③著者と編集者のチェック・印刷工程→4か月


 次に3つの仕事を、さらに縦に3つに切り分けます。

①5か月(150日)の仕事=50日×3つ

②3か月(90日)の仕事=30日×3つ

③4か月(120日)の仕事=40日×3つ


 最後にこれらの仕事を、さらに10日~2週間程度の小さな仕事にまで切り分けます。

50日の仕事=16日×3つ

30日の仕事=10日×3つ

40日の仕事=13日×3つ

 こうしてやっと1年かかる仕事が10日~16日単位の仕事になったわけです。ここまでくれば、もう世の中の編集者たちも迷うことはありません。4章でお話しした時間術を使い、どんどん仕事をやっていきましょう。

 小さな仕事はいろいろあると思いますが、たとえば編集者なら、執筆の依頼から打合せ、企画立案、実際に執筆を始めてもらうまでが、大体16日くらいではないでしょうか。こうした仕事はすべておのおのをロケットスタートで進めていきます。

 小さな仕事をしていく中で、さらに小さな仕事が立ち現われてくることがあるかと思います。たとえば企画書を作るなどの1日かかりそうな仕事。この場合は4章で紹介したとおり、午前中に8割方終わらせて、午後に流しで完成まで持っていきます。

 もっと小さい仕事もあると思います。たとえば編集者なら著者に執筆依頼の手紙をしたためる仕事などがそれにあたります。これは大体3時間程度で終わるのではないでしょうか。こうした極小な仕事もロケットスタートです。1時間で8割方終わらせ、残りの2時間は流して完成まで持っていきます。

 このように長期の仕事は小さく切り分け、各々にロケットスタート時間術を仕掛けていくわけです。

 これで長期にわたるあなたの仕事も、必ず終わります。



「並行して進む仕事」は1日を横に切る


 仕事を縦に切り分ける方法は、一つの長期の仕事に集中して向き合える場合にのみ有効です。しかし多くの職種では、複数の仕事を並行して行うことがあります。

 ふたたび本の編集者の仕事を見ていきましょう。彼らは無謀にも、ある期間に2冊3冊と並行して本を作ろうとしています。平均的な本1冊の編集に大体5か月程度かかるとしましょう(ここでは、企画立案から文章の校正終了までを編集と呼びます)。

 今が4月とした場合、並行して進んでいる3冊のうち、本Aは5か月後の9月に、本Bは6か月後の10月に、本Cは7か月後の11月に出るとします。


 次の図をご覧ください。3冊分の編集が重なっている期間があります。これはキツいです。編集者が締め切りを守れないのも無理はありません。実際、多くの出版社の編集者は私に原稿の締め切りをキツく言い渡すのに、原稿チェックは当然のように遅れる「興味深い」方ばかりです。