長期の仕事は縦に切る


 4章では、本書の核となるロケットスタート時間術の全貌をお見せしました。そこでは、

すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す

最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える

最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう

「仮眠を取る」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる

 といったポイントを紹介しました。


 また、ロケットスタート時間術の本質は余裕を持つことであり、高速で次々と仕事を終わらせていくことではないという重要なお話もしました。


 本章では以上の4つのポイントを押さえつつ、ロケットスタート時間術をあなたの仕事に合わせてカスタマイズする方法をお教えします。

 おそらくみなさんは、複数の仕事を同時に進行しているかと思います。その中で新たな仕事を任せられたとき、ここまでお伝えしてきた仕事の仕方を実行することはできません。なぜなら仕事が複数あるからです。

 私はいつも、目の前の仕事が終わるまで次の仕事は引き受けないスタイルでいますし、そもそもソフトウェア開発の現場では、複数案件を外から請けているフリーランスの方でもなければ、同時に同じレベルの複数案件を抱えることはあまりありません。だから私が実践している仕事術は、仕事が複数ある場合、そのままでは適用できないのです。

 5章ではそういった問題を解消したうえで、ロケットスタート時間術をあなたの仕事に導入、定着させていきましょう。


 4章でお話ししたのは、すべて10日単位の仕事における時間術の内容でした。最初の2日間で、と繰り返していたのは10日間という時間に対応しています。

 しかし実際には、1か月や半年、1年かかるといった長期のプロジェクトを抱えている方もいるでしょう。その場合、最初の2割の期間は数十日などの長い期間にわたることになります。4章のメソッドに従えば、数十日間ものあいだ、「20倍界王拳」を発動するということになりますが、現実的には不可能です。

 では、長期の仕事を抱えているあなたはどうすればいいのでしょうか?

 まずは仕事を縦に切れ、です。

 本の編集者の仕事を例にします。文芸書など、作家の執筆に時間がかかる本の場合、1冊の本を作るのに丸1年かかったりします。そのような場合、次の図のようにまずその仕事をざっくり大きく3つに切り分けます。