藤倉はまた欲情し始めた冴木を連れ、美術館を出た。
ホールを抜ける時、背後に視線を感じ振り向いたが誰もいなかった。藤倉は妙な寒気を感じて震えた。真夏とはいえクーラーが効きすぎているのかもしれない。古い建物のようだし、空調が壊れているかもしれない。
藤倉はそう結論づけると、そそくさと美術館を後にした。今は冴木との逢瀬を楽しもう。
大して面白くもない美術館。藤倉にとってそんなものに興味はなかった。冴木をどう食べるか、それだけが重要だった。
そうして昼間からホテルにしけこみ、朝までやり倒した挙句の、突然の別れ話――。
藤倉は生まれて初めて女に振られたショックで、頭の中が真っ白になっていた。あんなにいい身体、探しても中々出会えないだろう。ポケットに突っこんでいたスマートフォンからは、数種類の音楽が頻繁に鳴っていた。着信音は女ごとに変えている。だが見る気にはなれなかった。他の女と会うのも、友人と酒を飲むのも、まったく気乗りがしなかった。今日の俺はツイていない。藤倉は腐っていた。
こんなコイン、捨てちまうか。そう思い指先で弄んでいると、視界に何かが飛び込んだ。数メートル先の歩道に財布が落ちていた。黒い二つ折りの皮財布だ。拾ってみると現金がごっそりと入っている。
「お、ツイてるじゃん」
思わず声が出た。藤倉はためらうことなく現金を抜き取ると、財布を公園のごみ箱へ捨てた。カードには手を出さない。足がつくのは勘弁だ。
少し機嫌をよくした藤倉は、ポケットからスマートフォンを取り出すと、メールを確認した。数人の女からメールが来ている。そのうちの一人に電話を掛けた。藤倉と同い年のノリのいい女だ。
「ああ、俺。これから遊ばない? 飯おごるよ。カラオケでもいいし、なんならホテルだっていいぜ」
藤倉は電話を切ると、意気揚々と地下鉄に乗った。金の使い道を想像し、欲しい靴があったのを思い出す。飯を食ってもおつりが出る。百貨店に寄って買って帰ろう。藤倉は上機嫌だった。
ポケットに再び仕舞い込んだコインのことなど、すっかりと忘れて。



「あれ、まただよ」
「どうしたんですかぁ、藤倉さぁん」
藤倉はひとりごちると、前にかがんだ。傍にいた女が声をかける。飲んで帰宅する途中の夜道のことだった。
藤倉が連れていたのは、同じサークルの後輩だ。名前を三根という。天然系とでもいうのだろうか、大きめの目がいつもとろんとして眠たそうだった。幼い顔立ちに不釣り合いな大きめの胸が藤倉の好みだった。
「また財布拾ったんだよ、これで二度目」
藤倉の手には財布が握られていた。赤茶色をした二つ折りの皮財布だった。藤倉は慣れた手つきで中身を確認すると、ためらうことなく現金を抜き取った。
「この前はロト6が当たったんだぜ、驚きの五十万」
藤倉は三根に自慢げに話す。
「すごぉい、藤倉さぁん。ツイてるぅ!」
三根がおっとりとした声で返事をする。
その間にも藤倉は抜いた札を数えると、ジーンズのポケットに無造作に押し込んだ。三根を見てにやりとする。
「これから飲みにいかね?」
「えー、さっき軽く飲んだじゃないですかぁ。それに、そのお金、交番に届けなくていいんですかぁ?」
「いいのいいの、臨時収入、臨時収入♪」
「ひどぉいですよぉ、藤倉さぁん」
甘ったるい声で藤倉を責めるが、その割には三根の顔は笑っている。
藤倉は三根の肩を抱き寄せた。三根の耳元にそっと囁く。
「じゃあさ、今夜は俺の飲んでよ、三根チャン」
「やぁだぁ、藤倉さぁん、やらしいぃ」
三根は言葉では嫌がっているが、顔はまんざらではない様子だ。もう少し押せば食えるかもしれない。藤倉は内心ほくそ笑んだ。
「今夜は俺の家に泊ってさ、明日海行こうぜ、海」
「あたし水着持ってきてないですよぉ」
「これで買ってやるよ」
「えー、でもぉ」
「いいのいいの、これは普段から女にやさしーい俺に、神様からのプレゼントなの」
藤倉はポケットを手でポンと叩いた。
「でさ、海の見えるホテルに泊まろうぜ。最上階の部屋で、ルームサービス取って、部屋から海を見下ろしつつ飯と行こうぜ。三根チャン、どうよ?」
「何にもしないですかぁ?」
「しないしない、俺、紳士だから」
「くすくすくす、藤倉さんのうそつきぃ。いいですよぉ、明日は海行くの絶対ですよぉ?」
「約束する、約束」
これでこの女を食える。藤倉は三根の胸元に目をやりながらにやりと笑った。この胸はどんな手触りなのか、そう考えるだけで下半身に血が集まる。藤倉は三根の肩を抱いたまま自宅マンションに着くと、玄関のカギを開けた。
藤倉は、ここ最近妙に女にモテていた。何かしらプレゼントをもらうことも多かった。あまり付き合いの深くない女からジッポをもらった時などは、驚くよりも怖かった。数十万もする高価なジッポだったからだ。
そればかりか、やたらと金に運があった。財布を拾ったり宝くじに当たったりするのも、もう慣れた。
なんだこの運は。藤倉は最初こそ気味悪がっていた。だが、二度、三度と続くと、人間はだんだんと状況に慣れてくる。藤倉は自分に運が向いていることに気が付くと、ためらうことなくその状況を利用することにした。
今日も女を部屋に連れ込む。この女はどんな味がするのだろう?
「まぁ上がってよ、散らかってるけど」
「すごぉい、藤倉さんの部屋って綺麗ですねぇ!」
藤倉の部屋は2DKだ。大学生の身分にしては広すぎるが、父親が単身赴任時に使っていたところにそのまま住んでいる。今は田舎で事業を起こしているので、この部屋は実質藤倉のものとなっていた。
黒を基調に揃えられた家具と、モノトーンの洋服。散らかっているというわりには、物はあまり表に出ていない。片づけられている部屋だった。
「あー、暑いな。部屋着になってもいいか?」
藤倉は三根を居間に通すと、奥にある寝室に行き、返事も待たずに着替え始めた。
ジーンズを脱いでいると固い音を立てて何かが落ちた。拾い上げると以前美術館で拾ったコインだった。ベッドサイドのテーブルに置こうとしてふとコインを見た藤倉は、その模様に目が釘付けになった。
そこに描かれていたのは、異様な模様だった。無形のような、雲のような、泡のような異様な「もの」。その中に枯れた木のようなものが描かれている。古い外国製なのはわかる。が、藤倉にはまったく理解できなかった。なんだか以前見たときよりも、模様がはっきりしてきたような気がする。浮き出てきたというか、盛り上がってきたというか――
「藤倉さぁん、どうしたんですかぁ?」
背後から何か柔らかいものが押し付けられた。驚いて振り返ると、三根が身体をぴったりと寄せていた。見上げる黒い瞳が微かに潤んでいる。柔らかいものは三根の乳房だ。
「いや、なんでもないよ」
「本当にぃ?」
「本当にっ!」
藤倉はコインをテーブルに置くと、三根の腕を掴み引き寄せ、唇を重ねた。ふっくらとした唇の感触が心地いい。藤倉の下半身に血が集まり、瞬く間に固く充血する。妙に情欲をそそられる唇だ。
藤倉は三根の咥内に舌を差し入れ激しく吸い上げた。右手を伸ばし、ブラウスのボタンを外す。三根がふるふると震える。
「ふ、藤倉さぁん……」
「ん? なぁに三根チャン」
ブラウスをはだけると、可愛らしい刺繍を施されたブラジャーが現れた。若干サイズが合わないのだろう、押し込められた乳房がいまにも弾けそうだ。藤倉は背中に手を伸ばすと、ホックを外した。
「あっ」
ブラジャーから勢いよく乳房がこぼれた。ぶるぶると震える乳房が柔らかそうだ。藤倉は肩ひもを落とすと、乳房に顔を埋めた。
「お、予想通り三根チャンのおっぱい柔らかいな」
「やだ、もう! 藤倉さんてばぁ」
「どれどれ、感度はどうですか?」
藤倉はおどけながら柔らかな双丘に手を添えた。手のひらに収まりきらず溢れる白い肉に、自然顔がほころぶ。
「お前、やっぱり胸大きいな」
「ひどいですぅ、気にしてるんですよぉ」
「気にしてるの? このブラウスなんて胸を強調してるじゃん。むしろ見せたくて仕方ないってかんじするけど」
「そんなぁ……あんっ」
藤倉は手に力を込めた。指の間から肉が溢れる。何度か揉みしだくうちに、乳首が固くなる。小さめの乳首だった。
「んっ、あんっ」
「気持ちいいんだ? 三根ちゃん感度良好~」
「ひいんっ!」
藤倉は三根の乳首を摘まむと、ぎゅうと引っ張った。丸い乳房がいびつに歪む。眉をひそめ声を上げる三根は身体をゆする。幼い顔と大きな乳房。そのアンバランスさが藤倉を嗜虐的な気持ちにさせる。
「あっ、くうっ」
「うわ、やーらしい、三根チャンのおっぱい。こーんなに伸びちゃってるよ、わかる?」
藤倉は三根に見えるように乳首を引っ張り、乳房を持ち上げる。そして引っ張ったまま乳首を指先でぐりとねじった。
「ふあっ、ああんっ!」
三根は自分の乳首を見ながら喘いだ。興奮しているのか肌がピンク色に染まっている。
「や、やらしいですぅ、藤倉さぁん」
三根の口端から涎が溢れそうになっている。藤倉は舌舐めずりすると、空いている方の乳首を口に含んで、舌先でちろちろと舐めた。
「はぁあ、ああん」
三根が喘ぐのを見て、藤倉は乳首に歯を立てた。
「ひんっ!」
三根がびくびくと身体を震わせる。尚もこりこりと噛むと、三根は藤倉の頭を抱えた。ぶるぶると震えている。
「ああ、はああっ、だめぇ藤倉さぁん、乳首気持ちよすぎるぅ」
「え、乳首でイッちゃうの? すげぇいやらしいじゃん三根ちゃん、イッちゃえよ」
「はああん」
がくがくと腰を揺らし始める三根。藤倉は乳首をこねくり回しながら、何度も歯を立てる。強い刺激が三根を襲った。
「ひっ、い、いっちゃぁあう!」
びくりと大きく身体を揺らし、三根がその場に崩れそうになる。藤倉が慌てて身体を支える。見れば、潤んだ瞳で息を荒くしていた。身体が時折ひくひくと反応している。
「あれぇ、もうイッちゃったの三根チャン。やーらしい」
藤倉は三根をその場に座らせると、脱ぎかけだったジーンズをすべて脱いだ。トランクスから肉棒を取り出すと、ぱんぱんに膨れ上がった肉棒が姿を現した。
「もうこんなになってるんだけどさ、舐めてよ三根チャン」
言いながら三根の目の前で肉棒を揺らした。先走り液が垂れそうになる。
「い、いいですよぉ」
三根は藤倉の肉棒に手を添えた。大きさを確かめるように扱く。ヘアスプレーの缶ほどの太さだ。
「藤倉さんのおちんちん、固ぁい。すごぉい」
三根は膝立ちになると、目の前で揺れる肉棒に舌を這わせた。肉棒全体をゆっくりと舐めあげると、口に含んだ。ふっくらとした唇が柔らかく肉棒を包む。
「んむっ」
三根は肉棒に舌を絡ませながら、上目づかいで藤倉を見た。真っ赤な唇が肉棒を行き来している。右手で竿を扱きながら、左手で玉を柔らかく刺激し始めた。
「うわ、三根チャンの顔、やーらしい」
「ん、ぶふうっ」
藤倉は三根の頭に手を添えると、奥まで押し込んだ。むせ返る三根の頭を両手で掴み、肉棒をぐいぐいと押し込み、咥内を犯す。
「三根チャンのここ、気持ちいいぜ、まるでマ○コだな」
「んっ、ぐううっ」
狭まった喉奥に肉棒の先端が当たる。三根の舌がねっとりとまとわりつき、唾液が愛液のように後から後から溢れてくる。咥内を行き来するたびに裏筋から先端までを舌の腹が擦り上げる。まるで膣内のような感覚に、藤倉はたまらず射精感をもよおした。
「そろそろ出すぞ、全部飲めよ」
「ぶっ、んっ、ふぐっ」
藤倉は三根の頭を押さえ、肉棒を叩き込む。絶頂間際の肉棒は太さを増し、三根の咥内いっぱいだった。息が出来ず苦しそうに呻く三根を見ながら、藤倉は征服欲を満たすべく、絶頂へと突き進んだ。
「ん、出るっ」
藤倉は三根の喉奥へと射精した。三根が不意に襲って来た生臭い液体にむせ返る。離れようとする三根の頭を掴むと、肉棒をこれでもかと押し込んだ。鼓動するたびに白濁液が三根の喉奥に吐き出される。
「三根チャン、全部飲めよぉ?」
「ぐ……っ、んぶっ」
三根が涙ぐみながら精液を飲み込み始めた。苦しいのかと思いきや、三根は自分で自分の乳房を扱いている。左手で乳首を摘まみ扱きながら、右手は秘所に伸びており、ショーツに差し込んだ手がぶちゅりと音を立てた。
「なにお前、精液飲みながらオナニーしてんの?」
返事の代わりのように三根がふるふると震えた。目がとろんとしている。軽くイッたようだ。
「うわ、いやらしいんだぁ、三根チャン。精液飲みながらイッちゃうなんて」
藤倉は三根の口から肉棒を抜いた。三根の唇の端から飲み切れなかった精液が溢れ、ふくよかな双丘に垂れた。三根を見れば時折身体をひくつかせている。目はうっとりと蕩け、どこを見ているかわからない。
その顔を見ながら、藤倉は自らの肉棒を扱きはじめた。
「三根チャン、目の前でオナニーしてよ。見たいなぁ、いやらしい三根チャンを」
「ん……」
三根はショーツを脱ぐと、その場に座り足を広げた。スカートをまくり上げるとすでにぐっしょりと濡れた秘所が現れた。女の匂いが鼻孔をくすぐる。
「ふあぁ」
三根は左手で自分の乳房を掴むと、大きく揉みあげた。指の間に乳首を挟み、強く引っ張る。右手は茂みへと伸び、女芯をつまみ上げる。すでに皮が剥けた女芯は、指の刺激を受けふるふると震えた。
「ん、んうっ」
「いいねぇ、三根チャン。どんなオナニーしてるか見せてよ」
藤倉はまた立ち上がり始めた肉棒をさらに扱いた。一気に高まってくる。
三根は赤く充血した女芯を擦り上げていた。割れ目から溢れる愛液を人差し指ですくうと、女芯に塗りつけ擦った。愛液で滑りすぎるのか、今度は下からひっかくように擦り上げる。肉棒で言えば裏筋の部分だろう。三根は一心不乱に擦り始めた。
「ひっ、んっ、んふうっ!」
三根が藤倉を見た。口端から涎が垂れている。
「気持ちいいよぉ、藤倉さぁん、いっちゃうよぉ」
「いいぜ三根チャン、イッちゃいな、その顔と胸にぶっかけてやるよ」
三根は蕩けきった顔でにっこりと微笑むと、指の速度を早くした。びちゅ、と水っぽい音が響く。腰が勝手に動いているのか、くねくねと円を描いている。いやらしいその動きに、藤倉の肉棒が震えた。
「い、いくぅ、藤倉さぁん!」
「口開けろ、三根っ!」
「んぐっ!」
三根の足がぎゅっとつっぱった。背中を反らせた拍子にベッドサイドのテーブルに身体をぶつける。何かが床に落ちたが二人には聞こえない。三根は喉を反らせてがくがくと震えた。
「あっ……あああーっ!!
藤倉は三根の顔めがけ、射精した。三根の開いた口に向け、白濁液が降りかかる。
「ひぐっ!」
三根が大きく震えた。イッた瞬間に中に指を入れたのだ。三根の顔が揺れ、肉棒から放たれた精液が床に垂れた。
「あーあもう、急に動くんじゃねぇよ、床に飛んじゃったじゃねかよ、三根ぇ」
藤倉は肉棒を扱き、最後の一滴まで三根の顔に注いだ。三根の顔や髪にべっとりと精液がつく。
「ごめ……なさぁい」
藤倉は肉棒を三根の口に押し付けた。半開きの唇に押し入れると、舌で掃除させる。
「三根、あとで床、掃除しとけよ?」
三根は返事の代わりに藤倉の肉棒を舐めあげると、中に残った精液を吸い取った。
床に垂れた精液は、テーブルから転がり落ちた何かにも降りかかった。ねっとりとした液体が急速に吸い込まれていく。
テーブルから落ちた何か――コインは、満足げに微かに震えた。そしてゆっくりと動くと、床に垂れた精液を探しだし、また吸い込み始めた。