一歩外に出ると、そこは夏だった。
ホテルをチェックアウトした藤倉は目を細めた。まだ十時前だというのに、陽光がじりじりと皮膚を焼く。手で顔を覆うが、日差しの強さは避けられない。アスファルトに照り返した熱が更に蒸し暑さを演出していた。数分とかからずどっと汗が吹き出した。
街路樹が陽光を照り返し、青々とした輝きを放っている。セミはけたたましく鳴き叫び、耳を支配する。道行く人もまばらだ。藤倉は舌打ちすると、日陰を探してそそくさと歩き始めた。
今朝、冴木に振られた。藤倉にしてみれば生まれて初めて女に振られたのだ。気落ちも半端ない。「下を向いていたら運気が下がる」と一代で成功した父親の教えを思い出すが、今はどうやっても上を向く気になれなかった。自然、視線を落としてしまう。
地面には干からびたミミズの死骸が何匹も落ちていた。時折カエルが平べったく干されミイラに成り果てている。誰かに踏みつけられそのまま命を落としたのだろう。
藤倉は腕で額を拭った。茶髪が汗で濡れているのがわかる。拭うそばから汗がだらだらと垂れてきた。大きく舌打ちすると、ハンカチを取り出そうとジーンズのポケットを探った。
ふと、固いものに指が触れた。
探り出すと、古い外国製のコインだった。五百円玉よりやや小さい。くすんだ銀色をしているが、材質はなんなのかわからない。形があるようなないような、見ようによっては何にでも見えてしまう、変わった模様が描かれていた。昨日、冴木と美術館に行った。そのときに拾ったものだった。
藤倉は昨日のことを思い出した。数日前、珍しく冴木からデートに誘ってきたのだ。付き合ってまだ半年程度だが、今までになかったことだけに、物珍しさも手伝って即オーケーした。世間の出来事など無関心に見える冴木が選んだ場所だ。興味があった。
冴木は言葉少なに「古い美術館よ」としか言わず、場所を聞いてはみたがピンとこなかった。仕方なくサークルでもそちら方面に強い友人に聞いてみると、曰く「ちょっとしたお化け屋敷みたいだぞ」と笑い交じりに言われた。行ってみれば、なるほどその通りだった。
どこかの富裕層が外国から持ち込んだと噂のその建物は、かなり異質な存在だった。いつからそこにあったのかはわからないが、時代も歴史も場所もかけ離れた、まるで中世の城がそこにはあった。
とにかく、その大きさに驚いた。
おとぎの城とでも呼べそうなその城は、ひどく大きな造りだった。日本の城、たとえば大阪城も大きいが、それと比べても高さも幅も大きい。外壁はかなりの時代を経ているのか、石の角は丸く削れている。ところどころに青々とした蔦や苔が這い茂り、城の半分を覆うほどだった。
城の周りには堀があった。水が張られていたが、あまり深くはないのか、青や赤の睡蓮の花が咲き乱れていた。その間を白い水鳥が優雅に泳いでいる。
園庭は東京ドーム何個分だろうと計算したくなるほど広かった。隅々までよく手入れされており、夏の花であるノウゼンカズラやムクゲが咲き誇っていた。甘い香りに誘われ振り向くと、クチナシの花が咲いている。冴木によれば、園庭の一角には熱帯植物園や野鳥園も備わっているらしい。とにかく存在自体が夢幻のように、すべてが広く大きく美しかった。
「なぁ冴木、ここって穴場?」
藤倉は隣を歩く冴木に尋ねた。ただ単に知られていないだけなのか人気がないのか、客は藤倉たち以外にはほとんどいなかった。
「そうね」
冴木は前を見たまま答えた。
「にしたって、こんなでかい建物なんだぜ、もちょっと人がいたってよさそうなものだろ」
「選ばれた人しかこれないのよ」
「は?」
藤倉は予想外の返答に驚き、冴木に聞き返した。冴木はいつもの無表情のままで言葉を紡ぐ。
「いつかわかるわ、藤倉くんにも。……たぶんね」
それきり冴木は口をつぐんだ。藤倉は開きかけた口を閉じると、ぐるりとあたりを見渡した。視界に巨大な城が圧倒的な威圧感をもってそびえ立っている。藤倉は怪訝そうな顔をした。こんなにも大きなものなら、旅行雑誌やレジャー施設の情報誌などに掲載されてもいいはずだ。世間の話題にさえ上らないのはどうしてだろう。友人でさえ、尋ねてやっと答えた程度だった。藤倉はなんとなく違和感を覚えた。
それに、と思う。この建物も園庭も立派だが、なぜか薄暗さを感じるのだ。真夏なのに肌寒く、足元には冷気が漂っていた。異様な気配がざわざわと無数にうごめき、地面の下から這い上がってくるようだ。堀があり緑が多いからという理由では説明がつかない。
藤倉は自然、身震いした。見れば全身に鳥肌が立っている。ざらざらとした腕をさする。
城の正式名称は妙に長いものだった。冴木はさらりと口にしたが、藤倉には正しく聞き取れず、また発音もできなかった。パンフレットさえもなく、カタカナでの読み仮名を確認することはできなかった。
友人が例えた「お化け屋敷」とはよく言ったものだ。妙な違和感が不安を誘うのだ。藤倉は苦笑した。
城に入ると、広々としたホールが現れた。天井は高く、微細な文様が彫り込まれ、色とりどりの天井画が描かれていた。何を題材にしたのかはわからなかったが、妙に赤の色彩が生々しい。真っ赤な絨毯は毛足が長く、藤倉の足をゆっくりと覆った。壁には大小さまざまな絵画がかけられており、一つの連作になっているのか、人類の起源から中世にいたるまでの経緯が描かれているようだった。華々しいものは一枚としてなく、どことなく薄暗い絵画ばかりだ。城の主の趣味がうかがえた。
ふと気付くと、ホールに一人の男が立っていた。黒い執事服を着た初老の男だった。今時珍しい片眼鏡をしていた。眼窩にはめ込んで装着するタイプだった。彫りの深い顔をしているので、もしかしたら日本人ではないのかもしれない。藤倉には判断が付きかねた。
「ようこそいらっしゃいました」
男は深々とお辞儀をした。ぴっちりと整えられたロマンスグレイは、一筋の乱れも無い。
「私はこの城の案内をしております。名前は特にありませんが、ご不便でしたら執事とでもお呼びください」
「あ、はぁ」
藤倉は曖昧な返事をした。案内役のいる美術館など初めてだった。そもそも美術館自体殆ど行ったことはないのだが。
「案内が必要でしたら、お気軽にお声掛けください」
「じゃあその時はよろしくお願いします」
「承知いたしました」
執事はにこりと微笑むと、また深くお辞儀をした。ちらりと藤倉と冴木を見て、どこともなく去って行く。
「行きましょう、藤倉くん」
「ああ」
冴木は慣れた様子で、案内の矢印の方向へとすたすたと進んでいった。藤倉も後を追う。毛の長い絨毯が音もなく沈み、少しの間足跡を残した。
一般に開放された城内には、おびただしい量の絵画や骨董品が所狭しと飾られていた。部屋はもちろんのこと、廊下にも飾られている。そのひとつひとつに解説が付き、美術館としてそれっぽくなっている。だが、特に有名な作品があるわけではないようだった。無名どころか作者名が不明のものが多数ある。
なによりも。藤倉は自然と身震いした。どれもこれも、妙に薄暗く気味が悪い。
特に何かがあるわけではない。絵画自体は多種多様なものが雑多になっている。中世もあれば近代もあり、人物画もあれば静物画もある。だが、なにかがおかしい。ざわざわとした気配のようなものを感じるのだ。それもすべての美術品から。見られている感覚、いや、監視されているのか? 刺すような視線と、気配。美術品が意志を持ってこちらを見て……。藤倉はまた身震いした。
「なぁ、冴木。これってこの城の持ち主が集めたのか?」
「そうみたいね」
藤倉の問いに冴木はそっけなく答えると、次の絵画へとさっさと進んでいく。自分の気のせいだったのか。藤倉は一つ頭を振り、冴木の後を追った。
こういうとき、冴木と来ても楽しくはない。デートなら、一緒にいてにぎやかな女の方が断然いい。
藤倉は、冴木とのデートに映画や買い物を選択したことがなかった。逆もまた然りだ。デートといってもホテルばかり。勿論、冴木のおごりで、だ。
藤倉は前を行く冴木の後ろ姿を目で追った。長い黒髪が緩やかに揺れ、同時にふくよかな尻が揺れる。途端、欲情にかられた。
今日の冴木は薄手の白いワンピースを着ていた。前から見ただけではわからないが、背中が大きく開いたデザインで、背中がほとんど丸見えだった。図書室に常駐する委員長といった清楚なイメージからは想像できない。隙間から垣間見える胸は、それとわかるほどに大きい。藤倉は冴木の乳房がことのほか好きだった。何より柔らかく、感度がいい。
冴木の身体は味がいい、と藤倉は思う。締りがよく、いつでも潤む。他の女と遊んでも怒らないばかりか、他の女とやったすぐ後でも、冴木は藤倉と身体を重ねた。藤倉は何度も女を変えてはそのたびに冴木に見せつけたが、冴木はたいして興味もなさそうにしているばかりだった。
今日も今日とて、冴木の挑発とも取れる大胆な後ろ姿に欲情した。血が下半身に集まっていくのがわかる。最早絵画を鑑賞するどころではなかった。藤倉はそっと冴木の背後に近づくと、耳元に息を吹きかけた。丸い尻を撫でる。
「どうしたの、藤倉くん」
振り返りもせずに冴木が応える。いつもと同じ冷めた物言いだ。
「なぁ、いいだろ?」
藤倉は冴木の耳元で囁くと、尻の形を確かめるようにゆっくりと撫ぜる。生地が薄いのか、小さめのショーツの感触が指に伝わってくる。
「駄目よ、絵画鑑賞中よ」
冴木は振り向きもせずに答えるが、声色がやや甘みを持ち始めた。藤倉は冴木の言葉など気にせずに、尚も尻を撫でた。そのうち、冴木の表情が変わり始めた。何より撫ぜる尻から伝わる熱が増している。
「なぁ、冴木」
「ふ、藤倉くん、だめ」
微かに震える冴木の声はすっかり甘く、蕩けている。
普段は冷たい冴木が、快楽に弱いことはわかっている。快楽のスイッチが入ると途端に表情を変え、乱れる。藤倉はそこも気に入っている。
「駄目ならやめちゃうよ? いいの?」
「え……」
意地悪く耳元で囁く。首筋まで赤く色づき始めた冴木の首筋に唇を当てると、冴木がぴくりと震えた。
「他に客もいないし、な?」
後ろから尻を撫でまわしながら、空いた手で背中を撫でた。指をゆっくりと背骨に沿わせ、降ろす。冴木の口から軽く声が漏れ、背中が反った。
「これ以上、したくない? ねぇ、冴木」
藤倉は大きく開いた背中から手を差し入れた。驚いたことにブラジャーをつけてはいなかった。藤倉は苦笑すると、乳房の下部を撫ぜた。柔らかく滑らかな感触が伝わってくる。たまらず手のひらで鷲掴んだ。
「ひうんっ!」
こらえきれなかった声が漏れる。すでに固く尖り始めた乳首を指の間に挟むと、乳房全体を揉みしだいた。時折強く挟み引っ張る。冴木の押し殺した喘ぎ声が漏れ、身体が震えた。
「冴木さ、ここ、もう固く尖ってるけど?」
「ひうん、ふう……んっ」
「我慢したいの? 返事しないと止めるよ?」
「い、いや……っ」
「どうしたいの? 言わないとやめるよ」
「し、したい……藤倉くん、とっ、今、すぐ!」
「いい返事だ」
褒美とばかりにぎゅうと乳首をつねる。
「ひっ!」
冴木がびくりと大きく震え、がくがくと腰を揺らした。軽く達してしまったようだった。藤倉はほくそ笑んだ。
藤倉は冴木の手を引くと、展示室の端に張られたロープをくぐった。ロープには「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたプレートが下がっていた。藤倉は人目につかない薄暗い階段の踊り場へと冴木を連れ込むと、壁に押し付け、唇を重ねた。
「ん、んふう」
藤倉は冴木の真っ赤に濡れ光る唇に吸い付いた。舌先で上唇をなぞり、だんだんと咥内へと差し込んでいく。歯を割って咥内に入ると、舌であちこちつつく。冴木の舌も藤倉の動きに反射的に応じ、絡めてきた。藤倉がわざと音が聞こえるように唾液を啜ると、冴木の身体がぶるぶると震えた。そう、それでいい。藤倉は冴木と唇を重ねながら、膝を割って身体を押し入れた。
藤倉は右手でワンピースの裾をまくり上げながら、太ももをゆっくりとさすった。ストッキングのさらさらとした手触りが伝わってくる。破りたくなる気持ちを抑え、焦らすように愛撫する。
「ん、んむ、んん」
冴木が甘い声を上げる。唇が塞がれているため、言葉になっていない。
「冴木は撫ぜられるのが好きだよな」
藤倉は冴木の唇を塞ぎながら、ワンピースの上から胸を揉みしだいた。先ほどの刺激で固くしこり始めた乳首が、さらに強張る。布の上からでも存在を強調している乳首がひどくいやらしい。指先でかりかりとひっかくと、面白いように冴木の身体が震えた。
「あ、ああん」
「ここはどう?」
右手で太ももを撫でながら、ついと手を伸ばす。指先が軽くショーツに当たった。冴木が微かに震える。
「あっ!」
「ねぇ、いいなよ」
先ほど軽くイッたのもあって、ショーツはぐっしょりと濡れていた。指の腹で形を確かめるようにふくらみをなぞると、割れ目の先端がこりこりと固かった。そこに指を当てると、藤倉は軽く押した。
「ひうっ!」
「あれ? ずいぶん濡れてるじゃん。もしかしてさっきイッちゃったの? あれだけで? やらしいなぁ、冴木は」
言いながら執拗に何度も押す。次第に湿り気が増してくる。藤倉は力を込めて押した。そのままぐりぐりとこねる。
「あっ、あん、んうっ!」
ショーツの下で固く尖った女芯が擦れているのが布地を通して伝わってくる。かなりぬめっているのか、指で押す度に女芯がすべり、うまく弄れない。
「どこが気持ちいいの? 冴木」
「ん、う……」
「言わないとやめちゃうよー?」
藤倉は布地の上から女芯を摘まむと、強く擦り上げた。冴木は声を上げると、切れ切れに言葉を紡いだ。
「き、気持ち、いいっ。乳首も、あそこも、両方、気持ち……いいっ」
「くすくすくす、よくできましたー。じゃあ今度はこれ、脱いでみて?」
藤倉がショーツをくいと引っ張る。と同時にストッキングが伝線し、一気に足元まで裂けてしまう。
「あっ」
「あーあ、穴開いちゃった。うーん、そうだな。じゃあこうしよう」
藤倉はワンピースの裾を大きくまくり上げると冴木の下半身を露わにした。白いショーツがぐっしょりと濡れ、茂みが淡く透けて見える。藤倉は冴木にスカートの端を持たせると、両手でストッキングのクロッチ部分を破いた。微かな音と共に手が入る程度の大きな穴が開いた。
「んっ」
「これくらいでいいかな」
そこに右手を差しこむと、濡れたパンティを片方にずらした。途端に熟れた女の匂いがむわっと漂う。茂みに隠れているはずの女芯はすっかり皮がめくれ、真っ赤に膨れていた。大きめの襞は入り口を外気に晒し、ひくつく入り口が丸見えだった。愛液を垂らしながら、肉棒の侵入を待っているようだ。
「うわぁ、すっかり出来上がってるじゃん、冴木のココ。ひくひくしてる」
藤倉は言いながら中指を差し込んだ。熱くねっとりと潤んだ蜜壺は、藤倉の指に絡み歓迎する。藤倉は奥まで入れると、指を折り曲げ、ぐりと内壁を擦った。
「あ、はあああ」
冴木の腰が震え、ぱしゃぱしゃと何かが吹き出される。赤い絨毯に落ち、飛び散った。
「潮吹いてるぜ、すげぇな」
藤倉は感心するように声を上げると、更に指を動かす。前側の膨らんだ部分を重点的に擦り上げる。
「あ、だめ、ひいいんっ!」
冴木が藤倉を押し返そうとする。藤倉は冴木を左手で抱きしめると、指の動きを早めた。じゅぶじゅぶと水っぽい音が踊り場に響く。
「あ! いや、だめっ!」
また潮が吹き出した。先ほどよりも量が多い。藤倉は中指を入れたまま、親指を女芯に当てぐりぐりと擦り上げた。滑り、逃げる女芯を追うように親指を激しく動かした。と同時に中に入れた中指も膨らみを擦り上げる。無意識に逃げそうになる身体を押さえ、同時に責める。
「ひっ! いや、指で、指でイッちゃううっ!」
「イケよ、冴木!」
ぎゅっと身体全体が硬直した。と同時にびしゃびしゃと潮が吹き出した。液体は藤倉の腕を濡らし、絨毯を濡らした。足元の赤い絨毯が濃い色彩に変わっていくる。
「すげぇな冴木。こんなに潮吹いて、いやらしい女」
「そ、んなこと……言わないで」
大きく肩で息をする冴木は、その場にへたり込んだ。口端からは涎が垂れている。
「あれ? もう満足しちゃった? これ、欲しくないの?」
藤倉はジーパンから肉棒を取り出すと、座り込んだ冴木の目の前にちらつかせた。すでにがちがちに固く反り返った肉棒は、先端から先走り液を滴らせていた。牡特有の強い匂いが鼻孔を刺激する。
「欲しい、欲しいです……」
冴木は目の前で揺れる肉棒にうっとりとしていた。真っ赤な唇が半開きになっており、濡れ光っている。
藤倉はにやりと笑った。冴木を立たせて、壁に両手をつかせると、足を開かせ背中を低くさせる。スカートをまくり上げ、ショーツとストッキングをはいたままの丸く肉付きのいい尻を突き出させた。ショーツをずらした部分からは、赤黒い襞が見て取れた。破けたストッキングがいやらしさを助長する。藤倉の肉棒が大きく反応した。
「どこに欲しいんだ? ほら、自分で開いてみせて、ねだりなよ」
藤倉は肉棒を扱きながら冴木に命令した。
「……」
冴木は左手を伸ばすと、自分の尻を掴み、押し広げた。襞がいやらしい音を立ててぱっくりと開く。ピンク色の裂け目がひくひくと蠢き、愛液がねっとりと垂れた。冴木が藤倉を見ながら呟いた。
「びちゃびちゃに濡れた私のオマ○コに、藤倉くんの固くて太いの、ください……」
藤倉はにやりと笑うと、肉棒の先端を割れ目にあてがった。
「よくできまし、たっ!」
「んふうっ!!
」
言うなり一気に押し込んだ。勢いで冴木の身体が前に逃げそうになるのを両手で押さえると、腰を掴んでさらに突き込んだ。先端が奥に突き当たる。
「ひっ! んっ! んぐうっ!」
二回イッた後の中はぐっしょりと潤み、熱を持っていた。待ちわびた肉棒を味わうように襞が吸い付いてくる。動かすたびに愛液がどんどんと溢れてきた。
「もうびちゃびちゃだね、冴木。どんだけ我慢できなかったのさ」
いやらしい音を立てながら肉棒が割れ目に飲み込まれ、間髪いれず引き抜かれる。
「あっ、んっ、ふうんっ!」
「すごい音がするぜ冴木、聞こえるか?」
藤倉はわざと音が出るように肉棒を押し込んだ。ぶぽっという音が踊り場に響く。
「いや、誰かに聞こえちゃうっ」
「本当は聞かれたいんじゃないの? ねぇ、いやらしい冴木チャン」
今度は腰を強く押し付ける。藤倉の腰に冴木の尻が当たる。ぱちんとはじけるような音がして、冴木が震えた。
「感じてるじゃないか、締め付けてくるぞ」
「あ、ああう、うううんっ!」
「どんな感じ? 教えてよ冴木チャン」
藤倉は腰を打ち付けながら冴木に質問をはじめた。いつもは無表情な女からいやらしい言葉を聞くのは興奮する。期待で肉棒が大きく鼓動する。
「じ、じんじんするっ!」
冴木はよほど気持ちがいいのか、すっかり出来上がっていた。ちゃんとした言葉になってはいない。眉を寄せ、虚ろな目で空を見つめている。
「うん、それで?」
藤倉は先を促す。背中から手を差し入れて乳房を揉んだ。手に余る大きさだ。指で挟みながらしごくと、冴木が震えながら声を漏らした。かいた汗が手のひらから伝わってくる。
「むりむりって、いっぱい、おちんちんが……私の、なか……ふうんっ!」
「そうだね、いっぱい入ってるね」
「あそこが、なかが、あついの、じんじんする」
「冴木の中、すごい熱いよ」
「きもちいい、きもちいいのっ」
「もっと欲しい?」
「欲しいっ、藤倉くんの、ほしいっ」
「あー……、いっちゃうよおっ、またいっちゃうよおっ」
「そうか、じゃあもっと気持ちよくなってイッちゃいな!」
「ふぐうっ!」
藤倉が乱暴に腰を突きいれた。絶頂を迎えようとする膣がぎゅっと収縮し、肉棒を奥へ奥へと誘う。狭まった襞の中を押し込めると、藤倉の肉棒が更に太さを増した。ますます中が狭くなり、刺激が強くなる。
「あ、あー、あー」
「締め付けてくるよ、冴木。どんだけ待ってるんだっつうの」
「いくぅ、また、いくぅっ」
「たくさんやるよ、イケっ! イッちまえ!」
「あっ、あああーっ!!
」
冴木が背中をのけ反らせ、絶頂に達した。膣内が痙攣しぎゅうぎゅうと締まる。肉棒をとらえ吸い込もうとする。
「俺の精液、中にくれてやる」
「なか、なかはだめ……っ」
藤倉は冴木の言葉を無視すると、腰を打ち付けた。藤倉の下ではショーツのずらされた白い尻がぶるぶると震えている。パンと一つ平手で打つと、冴木が声を上げてのけ反った。
「こっち見ろよ」
藤倉は冴木の顔を掴むと唇を重ねた。すでに動けなくなっている冴木の舌を吸うと、唾液を流し込む。冴木の中がふいに蠢いた。
「イクぞっ」
藤倉は肉棒を奥まで突き込むと絶頂を迎えた。ありったけの精液を吐き出すつもりで、冴木の中へと注ぎ込む。
肉棒を引き抜くと、冴木がその場に崩れた。膝立ちになった状態で尻を突き出している。ぱっくりと開いた女の穴からは、冴木が震えるたびに愛液とも精液ともつかぬ液体がどろりと溢れ、赤い絨毯を汚した。
冴木は口端から涎を垂らしていた。潤んだ瞳はどこを見ているかわからない。
「いやらしい女だな、冴木は。もっと犯してやるよ」
その姿に欲情し、さらに突き犯そうとしたときだった。
ふと、何者かの気配を感じ、藤倉は振り向いた。だがそこには誰もおらず、陽の届かない暗闇ばかりが見える。
藤倉はイッたばかりの冴木をそこに置いて、気配のした方へと足を向けた。階下を覗いても誰もいない。階上を覗こうとしたとき、足元に光るものを見つけた。拾い上げると、それは異国のコインのようなものだった。何かよくわからない模様がうっすらと見える。他の客が落としたのか、だが視線を巡らせても藤倉と冴木以外の客はいない。
「藤倉君、どうかした?」
冴木が背後から声をかけた。振り向くと、すでに身づくろいを整えはじめた冴木がこちらを見ていた。いつもの無表情に戻っている。
「ん、いや、なんでも」
藤倉はコインをジーンズのポケットに押し込めた。
「それよりさ、この後ホテル行かない?」
藤倉は冴木の元に戻ると、肩に腕を置き耳元で囁いた。冴木がちらりと藤倉を見る。
「もっと、欲しいだろ?」
藤倉はにやりと笑うと、冴木の乳房に指を押し当てた。柔らかな弾力が指先から伝わってくる。乳首が固くせり上がってくるのがわかる。
「ここがまだ弄られ足りないって言ってるぜ?」
「んん……」
冴木が身体を動かした。乳首はすっかり立ち上がっている。指先で弄りながら、耳元で囁いた。
「ちゃんと言わないと行かないよ?」
「……まだ」
「なぁに?」
「まだ、足りないの……」
「はい、よくできました、冴木チャン」