「ふうん、んん……」
女の爪がシーツに皺を作った。その皺を男が別の形に変える。普段は清楚な女が今は甘い声を上げ、男が与える快楽にうち震えている。
その男――藤倉は、今自分の下で悶えている女、冴木を愛していた。否、女という生き物の身体を愛していた。熱い肉の塊を、自分のモノを受け入れ包み込む肉壺を愛していた。心から女を愛する――まだ二十歳そこそこの藤倉には、愛などわからなかった。肉体的な愛だけしか理解してはいない。
藤倉は冴木の上に覆いかぶさり、肉棒を突き立てていた。突き入れるたびに冴木の大きめの乳房が円を描くようにぶるりと揺れる。
「ああ、いい、藤倉く……ん」
「どこがいいの、冴木」
ゆっくりと腰をグラインドさせ場所を探る。腰を引いて浅いところを先端で擦ると、冴木の腰が震えた。
「あっ、あうっ!」
「ここがいいの、ふうん」
「あ、だめ! あああっ!」
藤倉は冴木の声を無視して、一点を目指し腰を打ち付けた。冴木が声を上げのけ反る。無意識に逃れようとする冴木の腰を掴むと、怒張したモノを何度も強く叩き込む。
「お、すげっ、冴木の中、すごい締め付けてくる」
「ひっ、いっ、んううううっ!」
藤倉は押し出そうとする襞に歯向うように押し込んだ。じゅっ、じゅっ、と水っぽい音が室内に響く。そのたびに冴木の身体が微かに震え、汗が吹き出した。潤みきった膣に呼応するように冴木の腰も反応する。
「あっ、あううっ」
冴木のウェーブした長い黒髪が波を描く。白い肌がピンク色に染まる。汗が玉になり胸の谷間を流れていく。
「相変わらずでかい胸だな」
藤倉は冴木の大きめの乳房をわしづかんだ。冴木の身体がびくりと跳ねる。力を込めて揉みあげると、小さな叫び声が漏れた。
「いや、やめて……」
冴木がふるふると首を振った。黒い瞳が藤倉をとらえる。
「やめてほしいのか?」
藤倉はぴたりと腰の動きを止めた。乳房の先端を指で扱いてはいるが、腰は動かない。ただにやにやと冴木を見下ろしているだけだ。
「いやぁ」
「いやってのは、やめてほしいんだろ?」
冴木が眉を寄せ、潤んだ瞳で藤倉を見た。薄く開いた唇が濡れ光っている。いつもは無表情な冴木だが、ことセックスとなると変貌する。その乱れた姿に藤倉はにやりとしてしまう。
「ね、冴木の腰が動いてるみたいだけど、なんで?」
言われて冴木の顔が真っ赤に染まる。顔を逸らすと、小さく呟いた。
「やめないで……」
藤倉はさらににやついた。腰を再び動かすと、強く打ち付けた。先端が子宮口に当たると、膣がリズムを刻みながらぎゅっぎゅっと収縮し、肉棒を締め上げる。
「あ! や! いっちゃう、いっちゃうっ!」
「イケよ、冴木! イッちまえ!」
「あ、ああっ!」
冴木が足をぴんと突っ張らせ、腰を突きあげた。膣がひときわ強く締まる。藤倉は締まる膣に肉棒を強く押し込んだ。熱く潤んだ襞が擦れる。
「あああーっ!!
冴木は大きな声を上げると、びくびくと震え気をやった。
「あ、ああ……」
冴木の身体から一気に力が抜ける。だが膣内は顫動したままだ。肉棒にしっかりと絡み、しがみついている。冴木は大きく肩で息をしながら、虚ろな目でどこかを見ていた。そこに藤倉は映ってはいない。
そう、それでいい。
藤倉は満足だった。
俺の手で女が乱れ、漏らし、懇願する――この瞬間が、藤倉は好きだった。男の持つ所有欲や支配欲、独占欲を刺激され、それを満足させるこの瞬間が。
女に振られたことなど、藤倉にはなかった。飽きたらすぐに振っていた。冴木も大学で声をかけた中の一人だった。いつも本を読み、一人でいた。他の女たちのように笑いもさえずりもしない。無表情で愛想のない女だった。ただの興味本位で声をかけたが、予想以上に収穫があった。
冴木は金やプレゼントをせびらなかった。むしろ藤倉が金をせびればある程度はくれた。声をかけたその日のうちにホテルに行った。性格同様面白味のない身体かと思っていたが、中身は極上だった。何度も食したいと思うような、男好きのする身体。だがそれだけだ。女はすべて同じ、区別などない、藤倉はそう思っている。
「あ、ああ、んっ」
イッたばかりの冴木の中を、肉棒でこづく。冴木の声が甘く漏れた。瞼をぎゅっとつむり、眉を寄せる。白い指が藤倉の腕を掴み、爪を立てた。また絶頂へと昇り始めたのだ。与えられる快楽を貪欲にむさぼり、飽くことなく求め続ける女という生き物。我儘で傲慢だとつくづく思う。藤倉は苦笑すると、じっとりと潤んだ中を執拗に擦り始めた。
「またイクのか? なら、中にくれてやる」
「なかは、だめ、いやぁ」
冴木の訴えなど無視して、藤倉は肉棒を強く押し込む。ぬるりとした感触がねっとりと肉棒を包んだ。肉棒がひときわ大きく怒張した。一気に射精感がこみあげてくる。
「ひっ、いっ、いくっ!」
「もうイクのか? いやらしいな、冴木は」
冴木の爪が藤倉の腕に食い込んだ。痛みを無視してさらに突き込む。冴木が髪を振り乱し悶えた。
「あっ、ああーっ!!
「イケよ、たっぷり中に出してやる!」
藤倉は二回目の絶頂を迎えた冴木の腰を強く掴むと、白濁液を我慢することなく子宮へと注ぎ込んだ。