ある日、娘から宅配便が届いた。

 中に入っていたのは、ちょっとしたお菓子で、そんなものを送ってくる理由がわからなかった。

 そしてそれから、毎日宅配便が届くようになった。

 差し出し人は娘だけではなく、息子であったり、息子の嫁であったり、孫であったりとさまざまで、送られてくるものも、たわいのないものばかりで特に関連性はない。

 妻に先立たれた私は、子どもたちの世話にならず、一人で暮らしている。子ども達が遺産を狙って、何かをたくらんでいるのではないか、とも考えた。

 とにかく、何かの意図があるに違いない。私は、差し出し人の一人でもある孫に電話して、真相を探ることにした。

「タケ坊、いつも宅配便を送ってもらって悪いなぁ。じいちゃんのわがままでお願いしてるけど、タケ坊、めんどくさいだろ?」

 孫は、少し意外そうな声で、逆に聞き返してきた。

「あれ、じいちゃんのお願いだったの? てっきり、ママのアイデアだと思ってた」

 やはり子どもだ。あっさりと誘導尋問にひっかかった。

「じいちゃん、この間、骨折して入院したろ? 入院してずっと寝たきりだと、起き上がれなくなることがあるって、ママが言ってた。宅配便だと、受け取りで玄関まで歩くし、ちゃんと相手に手渡せたかが、配達番号から追えるから、じいちゃんが倒れたりしてないかわかるんだって」

 子どもだと思っていた孫が、すべてを見透かしたように言った。

「じいちゃん、意地を張らないで一緒に暮らそうよ。せめて、スマホくらいは持ってよ。僕が教えてあげるから」