その惑星は、罪を犯した犯罪者を更生させる矯正施設の役割をもっていた。

 囚人たちは、その惑星で自由に暮らせるのだが、実は、常に高性能の衛星カメラで監視されている。どんなに小さなことでも、その監獄星内で罪を犯せば、人工衛星からの攻撃を受け、死に至ることも珍しくなかった。

 囚人たちは、「監視されている」という意識から、罪を犯すことがなくなり、矯正されるのである。

 あるとき、囚人たちを送りこんでいた母星内で戦争が起こった。

 最終兵器が使用され、その星は宇宙から消滅した。取り残された監獄星の、高度な機器は機能停止し、囚人たちは、原始的な生活を余儀なくされた。


 それから数十万年──

 当然ながら、かつての監視体制はしている。原始生活を送っていた人々の子孫たちは、その監獄星で、新しい独自の文明を築き始めた。

「おい、リョウタ。駄菓子屋のおばあさん、また、うたた寝してるぜ。誰も見ていないから、おかし取っちゃおうぜ」

「ダメだよ。神様が見てるよ」

「神様って、何だよ。神様なんて、どこにいるんだよ。何で神様が、俺たちを見張ってるんだよ!?

「神様は、僕たちが悪いことをしたら罰を与えるために、僕たちをずっと見ているんだ。わからないけど、そんな気がするんだ」