◆エピローグ
ナナと一緒にベッドに入ってから、しばらくの間眠れなかった。
色々あって疲れただろうからすぐ眠れてもいいはずなのに、空間が空間だからか、眠ることが出来ない。
「ねえ……?」
起き上がってみんなの様子を伺うけど、誰も起きていないようだ。
エリムはメイさんと手を
二人とも安心しきっているようで、なんだかすごく羨ましく感じる。
そんなに安心出来る相手が家族以外にいるんだっていう羨ましさというか、なんか、そんな感じ。
ナナも、寝息立てて寝てるし……。
そんなナナはいつも
エリムもそうだ。
絵の才能を開花させて、毎日充実した日々を手に入れている。
それに今回で、いろいろあったらしい過去ともしっかり向き合おうとしている。
私はなんにしても中途半端で、
その上で、進路のことについても考えなくちゃいけなくなってしまった。
何かしたいことはないのかって先生や両親には聞かれるけど、分からない。
したいことなんて、なに一つない。
しいていえば、何も考えることなく誰とも触れ合わずに寝ていたいってことだけど……そんなことを言ったら怒られるのが目に見えているので、言うわけにはいかない。
そう思っていたのに、違った。
『学力的に行けるか分からないけど、目指してる大学はあるよ』
『将来なりたい職業ならあるっていうか……専門学校に通おうと思ってさ』
二人はやりたいこと、学びたいことがすでにあるようだった。
唯一身近に感じていた二人すらも、私を置いていってしまっているようで……それらを聞いた時は、思わず泣きそうになってしまったくらいだ。
そのあと「これから考えればいいんだよ」って励まされたのも、内心ではちょっとヘコんでしまった。
それがないから困ってるって、分かってないっていうか……きっと、目指すところがある人には、伝わらないんだろうな。
そんな
そんなことを思いながら、スマホを開くことすら
いや、開いてもいいんだろうけど……そのせいで誰かが目覚めたら、ちょっと申し訳ない。
それで罪悪感が募るのが怖くて、スマホで時間を確認することすら出来ないままでいる。
みんな、私と違ってしっかり眠ってるみたいだし。
「……ちょっと、ムカついてきた」
ムカついてしまった衝動のまま、ナナのほっぺをつんってしてみる。
してみてから起きたら絶対に怒られると思って慌てたけど、どうやら起きる気配はないようだ。
ホニャホニャとした寝言を言いながら笑った顔をしているので、いい夢でも見ているんだろう。
こっちは眠れてすらいないのにと余計にムカついてきてしまったが、これ以上触るのは怖くて、やっぱりぼうっとするしかないのかと思ってしまう。
「……めっ」
思い出したように小さな声でそう言い、ささいなことでムカついてしまう自分を戒めてみる。
なんだか、虚しくなってしまうだけだった。
ため息が出てしまう。
そして眠気は、まだこない。