「しかし、お前もずいぶん数奇な運命を持っているよな。コーストガードへ出されたかと思ったら、今度はあの殿下の道楽に付き合わされるとはな。まあ、昇進したことだし、それで我慢するんだな」

え?

何この人。

思ったことを口にするタイプか。

そんなんで、何で人事なんか担当できるんだよ。

それよりも、そんな性格なのになぜ将官まで出世できたんだ。

実に不思議な人だ。

しかし、言い方はあれだが、嫌味がないんだよな、この人の言うことには。

しかも、俺への差別的な感情も感じないし、ましてや敵意も感じない。

俺なんか歯牙にも掛けないって感じか。

でも、そういうの俺は嫌いじゃないな。

「決して悪い子じゃないし、頭は良いんだがな。悪いが、もう少し殿下に付き合ってくれや」

あれ?

この人、第三王女殿下の知り合いかな。

言葉の端に愛情を感じるのだが、親戚なのかな。

となると、有力貴族か何かかな。

それなら頷ける話だ。

結局誰だか分からないうちに辞令を貰って俺は本部から出された。