65.種いっぱい……思い出した!

目の前の大量の種。どうなるかも分からないのに大量に採ってきてしまった。

失敗したら……痛いな~。

まぁ何事もやってみることが大切ということで。

油を……どうやって油って作られるんだ? え~絞って、みようかな。絞るには種を細かく潰して……。まぁやってみよう。

綺麗に洗って、汚れを落として。種の細かく……細かく……硬い!

魔法! 一瞬で木端微塵、完成。

絞る方法は……布で砕いた種を包んで絞ってみる。なんとなく布にじわっとしたが……それだけ。ん~絞る力が弱いのか。

金の鉱石を準備する。鉱石で丸い穴の開いた机と穴に合う筒を作る、机の穴には網に加工した鉱石をおく。机の穴に合うように筒をのせて、魔法で網も一緒にくっつけて絞り機もどきの土台が完成。筒に布で包んだ種を入れて、その上から銀の鉱石を穴のサイズに合わせて加工したものを押し込む。

あとは魔法でじわじわと圧をかけていく。机の下に用意したボールに、種から出たものが少しずつ集まりだす。魔法なので大変ではないが、途中で網が割れた。

圧をかけすぎたのかな? まぁ絞り機は壊れたがある程度、種は絞れた。良しとしよう。

色は薄ピンク。ちょっと馴染みのない色だ。匂いはかすかに甘い香りがするが、嫌な香りではないので問題なし。

次になめてみる……お、油っぽい。知っている油よりさらっとしているのだが、似ている。

問題ないかな? さて、どうやって確かめるかな。そろそろフライパンがほしいな~。

岩を熱して油っぽいモノに熱を通す。少しさまして舐めてみる。味に変化はないようなので、問題なしとする。

油っぽいモノを高温に熱する。油によっては、低温でも火が起こりやすいモノがあるかもしれない。……大丈夫みたいだな。料理中に、いきなり火を噴くことはないだろう。

シオンが隣に来たので食べられるか聞いてみる。固まった……分からないのかな。

とりあえず、油は成功だ。

絞り機を改良して収穫した種を全部油に変えよう。絞り機を五つ壊して、種を全て油にすることができた。結構な量を絞ることに成功したのでうれしいが、絞り機はまだまだ改善の余地ありだな。とりあえず強度が問題だ。

ナスに似た実を素揚げしてみた。魚醤をかけて……う~うまい。

油の甘い香りが心配だったが、食材を揚げてみるとほとんど気にならないので、香りも問題なし。

チャイ達はかぼちゃっぽい野菜の素揚げが好きみたいだ。親玉さんは揚げたてのナスっぽい野菜と格闘していた。熱いからね。火傷には気を付けろよ。

油を一日置いておくと二層に分離していた。上のモノをなめると油の感じが増していた。上澄みだけとって別容器へと移す。下の層も舐めてみたが、油ではあるが、甘味を強く感じる。炒め物をする時に役立ちそうだ。一つで二つの油を得られた。


この世界に飛ばされた時の荷物を調べる。記憶が正しければ入っているはず……あった! 手に持ったのは磁石だ。

油が手にはいると、どうしても鉄のフライパンがほしくなった。色々手に入れる方法を考えていて思い出したのだ。鉄は鉄鉱石の中に含まれている、その鉄鉱石には磁石をくっつけるという性質があることを。そしてバッグに入っているはずの磁石の存在を。

明日から、見つけたすべての岩や石に磁石をくっつけてみよう。きっとある……たぶんある。