57.森を探索……チャイの仲間。
畑が思ったよりも、すごいことになっている。農業隊に、ちびアリ、ちび蜘蛛が大活躍だ。
一つ目の希望に沿って、木を加工して置いておくと、畑に中に木の枠が畝に沿って立っていた。そこをちび蜘蛛とちびアリが移動している。
なるほど、踏んだらどうしようと、足の置き場に困った俺の対策用かな。
一つ目達、ありがとう。
農業隊は、日々作業の仕方が変化している。
色々なことが効率よくなっている。おかしいな、知識ってどうやって増やしているんだろう? 謎だ。
子鬼さん達は、完璧に皮の加工をマスターしたようだ。
最初の頃に比べると、毛皮のふわふわ感がレベルアップしている。どうやっているかは不明。ただ、すごい。
三つ目達が持ってくる服もレベルアップした。
上から
朝起きると、その日、着る服が用意されているのだが……最近、同じ服が出てきていないような気がする。まさかね?
森の探索は継続中だ。
森は最初の印象とは違い、食材がとても豊富にあった。
そのため、保存庫が当初の数では間に合わなくなり、冷蔵庫の三部屋と時間停止の五部屋が追加で作られ、ただ今活躍中だ。
保存庫については、冬の食料の量を考えなければならない。
冬が、この世界にもあるのかどうかまだ不明だが、ある場合、冬の期間が予測ができないのが問題だ。食料が尽きれば、そこでお終いだ、安心のためにも、もう少し保存庫を作って食料を確保した方が、いいかもしれない。
岩の家が広くてよかった。保存庫を作る場所には困らない。
今日も新しい方向をふらふらと探索中だ。
お供はチャイとコア。チャイの上に、また成長した拳サイズの子蜘蛛が乗っている。
……それでいいのか?
上を見れば、拳より大きなサイズの子蜘蛛達が、木の間を自由にピョンピョンと渡っているのが見える。
最近子蜘蛛さん達の成長が個々になってきた。大きくなるモノもいれば、ならないモノもいる。不思議だ。
「洞窟だ」
新しい洞窟を発見。
一つ目の洞窟でコアの仲間達、二つ目の洞窟でシュリ、次も何かいるかな?
異様な暗さが気になるが、洞窟に入ってみる。
入った瞬間に攻撃された。もしかしてと結界を強化していたので怪我はなし。よかった。
目の前には、ん? チャイによく似た犬が七匹。
チャイが前に出て吠えているが、反応がない。子蜘蛛さん達が威嚇の音を出すが、これにも反応が見られない。
シュリの時のような黒い模様はないが、雰囲気が近い。もしかしたら憑依されているのかな? 除霊したいが、動き回っていて難しい。
仕方がない。
「拘束」
紐で縛るイメージはちょっと不安があったので、檻に閉じ込めるイメージだ。
無事に動きを止めることに成功した、よかった。
七匹はよく見ると、異様な痩せ方をしているように見える。怪我をしている子もいる。
「呪縛解除」
それぞれ七匹の周りに光の輪。そのまま覆うように光の壁が生まれ、光が注がれる。
光が消えると七匹すべてが倒れた。中には血を吐いている子までいる。
「ヒール!」
慌てた、まさか倒れるとは。よく今まで倒れなかったな。もしかして乗り移っていたからか?
痩せた体を順番に撫でていくと、七匹の呼吸は落ち着きを見せた。
血を吐いた子を見て、チャイが一瞬呻り声を上げたが、七匹の落ち着いた様子に、チャイも落ち着いたようだ。
色合いから見て、チャイと同じ種類の犬だろう。もしかしたら仲間かもしれない。
死なせなくてよかった、本当に。
犬達は意識を取り戻すと、ビビって小さくなってしまった。チャイが説明でもしたのか、徐々に落ち着いていき、周りを確認している。
よかった。
安心したらふつふつと怒りがこみ上げる。呪いの元凶に向かって、雷が落ちるイメージが浮かぶ。
「天罰」
イメージはしっかりとできてはいるが、呪いの元凶が不明だ。天罰と言っても何も起こらないだろうが、まぁ俺の気持ちの問題だ。
怒りがちょっとだけ、スッキリした。