53.魔物の石……バーベキュー。

獲物から出てきた石を見つめる。魔物とはいえ動物、動物から石……まさか呪い関係か? 今まで考えたこともなかったが……。浄化をしてみたが変化はなし、安心はしたが……何も解決はしていない、これは何? どうしようかな。

とりあえず、石に魔力を通してみる。びっくりした! まさか、一瞬で石に魔力が行き渡るとは。岩よりもかなり早いスピードだ……だが、使い方が分からない。もう少し色々としてみよう。

岩みたいに魔力を溜められるだろうか?

魔法を自動で動かすには、魔力を溜めることが大切だと、少し前に理解した。

一階トイレの自動洗浄がいきなり動かなくなったのだ。壊れたのかと調べてみると、いつもは感じる魔力を感じない。もしかしてと思いトイレの部屋全体に魔力を溜めてみたら大正解。自動洗浄が動き出した。食料の保存部屋でも自動で動く魔法を使用している、動かなくなったのがトイレでよかった。食料の保存部屋だと食材が腐ってしまったかもしれない。運が良かったと言える。

さて、石を手に持って魔力を注ぐ、注ぐ、注ぐ……石はそれほど大きくないが、結構な量の魔力が溜められるようだ。

ふわっと光が一瞬溢れ出す。

おぉっ、びっくり!

石を見ると緑のきれいな石に変わっている。岩とは違う反応だな、岩は魔力を溜めても岩だった。

魔物から出る石は黒っぽい色をしていたんだが。今は透明感がある緑の石になっている。何がどうなっているのか、正直さっぱり分からない。

もう少し魔力を注いでみよう。ん? 魔力が入らない。満タンってことかな?

とりあえずほかの石にも魔力を込めてみる。

目の前には、緑の石、赤い石、濃い赤い石、水色の石、青い石。

何とも色とりどりの石が、出来上がった。何か役割でもあるのかな?……色が違うのだから、何か違いがあるのだろうが、どうやって調べるかが問題だな。

そういえば溜めることはできたが、出すことはできるのか? やってみよう……うまくいかないな。

ん~使い方がいまいち分からない。さて、どうしよう?

ん? コア?

コアが口から火をいた。……ビビった、急にどうしたんだろう?

というか、コアってば魔法が使えたのか。そうかなっては思ってはいたけど……。

そうか、すごいな~。

……ところでなぜ今、火を噴いたんだろう?

次にコアは、赤い石を前足で押さえて、もう一度火を噴いた。威力が倍増している、なんか恐ろしい勢いだ。

……そして火を噴く理由が分からない。何か俺、コアにしたかな?

……? 

なぜかコアは、同じことをもう一回繰り返した。きっと何か意味があるのだろう、落ち着いて考えなければ。……いつまでも、隣で火を噴かれそうだ。

深呼吸した時に、コアの手が石に置かれているのが見えた。もしかして石で魔力が倍増しているのか?

ちょっと実験。空のコップを用して、赤い石を持って「飲み水」魔法を発動させる。コップに現れた水の量はいつもと変わらない。

あれ? おかしいな、倍増するわけではないのか?

俺の様子を見てだろう、コアが水色と青い石を、前足で俺の前に移動させてきた。

もしかして、火は赤、水は青か水色ってことかな。水色の石を持って「飲み水」魔法をもう一度発動。

……いつもの五倍ぐらいの水が現れた。

二倍ではないのか、周り水浸し。当たり前だ、一回目の魔法でコップはすでにいっぱい、そこに追加で注げば溢れる、しかも五倍だ。……馬鹿か俺は。

「蒸発・クリーン」

溢れた水とコップの水を蒸発させて、汚れたところを綺麗にしておく。

これで、証拠隠滅完了!

とりあえずもう一つの青い石を持って「飲み水」魔法を再チャレンジ。

ありえない量の水が現れた。というか、水色の石でも、コップに収まらない量の水が現れたのに、どうしてまたコップに水を入れようとしたんだろう。……とりあえず素早く証拠隠滅! 何だか疲れたな。

でも、とりあえずは、獲物から出て来る石が魔法を強くすることは分かった。しかし魔法の強化って、何の役立つんだ?……ん~? 今のところ、魔法を強化したいと感じることはないな。

とりあえずコア達が必要ならあげよう。狩りをする時に役立つかもしれない。あっ、戦闘などには役立つのか。攻撃力倍増!……恐ろしい。


岩を拳ぐらいの丸い形にして魔力をこめて熱の魔法をかける。同じものを五〇個作成。岩の加工はお手の物だ。銀の鉱石を横幅一メートル、縦五〇センチのシンクの形に加工して、その中に作った丸い岩を敷き詰める。これで、バーベキュー台の準備が完了だ。

金の鉱石を細長く加工。そこにカットしたお肉を刺してお肉の準備完了。

シンクの上に手をかざして、発熱している炭をイメージ。

「発熱」

様子を見ると、どうやら成功したようで、熱を程よく感じる。作った丸い岩が炭のように継続して発熱しているのだ。希望通りの出来に満足だ!

肉の刺さった櫛をバーベキュー台に載せていく。焼けてきたら塩を振ってもう一度。

うまい……いつもは火の魔法で、なんとなく焼いていたけど、やはり形も重要だと思う。

これからは調理台も色々と考えていこう。……タレがほしい、調味料もまだまだほしい。頑張って森を探そう。

匂いに誘われたのか、調理したモノに興味を示さなかったコア達とチャイが焼けた肉を見つめている。

塩を振る前の肉を岩のお皿に載せてあげた。迷っていたが、どうやら気に入ったらしい。

親玉さん達は相変わらず焼いた肉が大好きだ。蜘蛛として正しいのかは知らない。

シュリは生肉派だ。ただ、子アリ達は最近、血抜きしたモノを要求するようになった。子アリ達は、シュリに怒られないかな?……まぁ、大丈夫だろう。きっと。