48.塩づくり……一つ目はどこまでも。

新しい巨大アリを仲間にして家に帰る。

洞窟に居なくていいのかと気にしたが、巨大アリは気にした様子が見られない。問題ないのだろう。

チャイが巨大アリを見てしっぽを巻いた。……え? 怖くないけど、大丈夫だよね?

巨大アリを見ると、何か反応をしているわけではないので大丈夫だろう。まだ、雰囲気を完全には読めないけど問題がないと信じる。

チャイ大丈夫だよ、仲間だ。

巨大アリ、言いにくいので名前を決めた。一方的だがいつものことだ。

朱俐シュリ

気に入ってくれたと信じたい。


目の前に広がる、切り株畑も何とかしないと駄目なのだが、ごめん後回しだ。

今日は何より、塩味がする果物を確かめたい。それは果汁から塩のような結晶ができるかどうかだ。調味料として使うなら、調整しやすい結晶がいい。なので、キッチンへ一直線。

みんな今日は、自由にしていいよ。……いつも自由だけど。

収穫した数は全部で六五個。結構な量だけど、塩として使えるので問題なし。保存部屋もあるしね。

果物を切って、銀の鉱石で作ったボールに、布で濾過ろかした果汁を溜める。果汁が思ったより多く、五個でもそれなりの量になった。とりあえずは五個で試すか、大量に挑戦して失敗したら、ダメージがデカい。

銀の鉱石で作ったボールを、魔法で少しずつ温めて水分を飛ばしていく。水分が少しずつ蒸発していくと、少し汚れが気になったのでもう一度濾過をする。焦がさないように混ぜながら、少しずつ、少しずつ、水分を飛ばして……シャーベット状の塩が完成した。

少し手に付けてなめてみると、希望通りにしょっぱい。はぁ~、ちょっと感動だ。

綺麗な布で、もう一度濾過して残ったものを風魔法で乾燥させた。ようやく塩を手に入れることに成功した。まさか果汁から取れるとは、さすが異世界、想像を超える。

シュリと出会って塩を手に入れて、今日はいい日だ。

金の鉱石に魔力をいきわたらせる。イメージするのは蓋のついた入れ物。

「変形」

作った塩を入れて、残りの果物を塩に変えるため、一心不乱に頑張った。

最終的に入れ物四つ分の塩が出来上がった。うれしい、念願の塩だ!

魔法の微調整が何気に上達した。

塩を焦がさないように、相当集中して魔法を使い続けたようだ。気を抜くと、すぐに温まりすぎて焦げができたからな、失敗は一回で十分だ。目の前の人参ってやつだな。

塩のピリッと効いたお肉を食べながら至福の一時。いつものお肉が数倍うまくなっている。

次は卵がほしい。マヨネーズ、ニンニクもいいな、……出汁、ほしい物はまだまだある。

……欲張らない。一つ一つクリアしていこう、絶対!


外に出ると切り株が見当たらない。……あの大量の切り株はどこに行った?

??

見渡すと開拓した一角に穴が空いている。巨大な穴だ。そこから顔を出すシュリ。

……あぁ、アリだもんね、巣穴か。

切り株があった……がなぜか移動をしている。よく見ると、切り株を運ぶ子アリ達を発見。そのまま見ていると、穴の中に運んでいる……使うのだろうか? ただ、仕事を減らしてくれた、ありがたい。切り株をどうしたらいいか、分からなかったのだ。

一つ目達が穴の開いた周辺を木で囲っている姿が見える。雨が入らないように屋根まで作ろうとしているみたいだ。外での仕事もできるのか、すごいな。

……ちなみにその知識は、どこから手に入れたのだろう? 俺ではない。