主の力は未知数すぎて我では理解が及ばない。

主と言えば、不思議なのはその魔力だ。森に、結界に、そして我々にも惜しみなく魔力が流れている。

おかげで、少しずつ失われた力が戻ってきているのが分かる。長い間に、仲間を守るために使い続け、枯渇寸前まできていた魔力。それが主の暖かな魔力で癒され、内包する魔力が日々増えている。それはうれしいが、結界を維持するだけでも相当な魔力が必要となる。大丈夫なのだろうかと、心配になるがいつも平然と魔力を使っていく。心配をするのが馬鹿らしくなるほどだ。

おそらく主の魔力は我々王をもしのぐのだろうな。

主の希望で糸を作る魔物スワソワを紹介したが、まさか主に攻撃するとは思わなかった。

とはいえ主の結界で毒が回ることはなかったが。スワソワの毒は猛毒。我には効かぬが人ではひとたまりもない。中途半端な結界では通り抜けてしまう厄介な毒なのだ。まぁ主ほどの丈夫さと硬さのある結界の前では、あの猛毒でも意味がないだろう。

しかし、あの時は本当にビビった。主の結界には攻撃魔法が付与されておる、それもかなり強力な攻撃魔法が。

スワソワが攻撃をした瞬間に死を覚悟したからな。結果的には攻撃魔法は発動しなかったので今があるのだが……。今、思い出しただけでも寒気がする。主の攻撃魔法の前ではスワソワだけでなく我もおそらく一撃で消滅間違いなしだ。

そういえば以前、真夜中に起こった結界への攻撃。その次に夜空を走り抜けた反撃の光。攻撃の光とはいえ、しばしその美しさに見惚れてしまったものだ。わが身では決して受けたくはないが……。