40.チュエアレニエ 親玉さん。

─大きな蜘蛛 親玉さん視点─


木の枠に板を載せる小さいゴーレムの後ろ姿を眺める。

不思議な光景である。ゴーレムとは人間が作り上げた一つの武器。魔物や魔獣対策にあみだされた物である。それが何とも愛嬌があるサイズで、先ほどから何やら作っておる。こんなゴーレムは見たことがない。

まぁ、主の作りだす魔法は、どれも知らないものばかりなのだが。

しかし、主はいったいどれほどのゴーレムを同時に作り出せるのか。一体のゴーレムを作り出すのにも相当な魔力が必要なはず、そしてそれを維持して行くことにも魔力が必要となる。しかも、小さいとはいえ主のゴーレムには膨大な魔力を感じる。それが一〇体以上……。

そして主のゴーレムにはあり得ない自我を感じる。ゴーレムとは主の命令を聞き実行する存在。それ以上のことはできない無機物のはずなのだが。……どうにも、無機の存在に意思を感じるのだ。

疑問に思うも、目の前の二対のゴーレムが、木の枠に板を載せて、うまくいくと互いの手をパンと合わせて……おそらくは、喜んでいるのだろう。他にも、一体がミスリルのナイフで板を削っているがうまく削れていない。その様子を見て、ほかのゴーレムが手伝いに。そのことに、ゴーレムが頭を下げている……これはおそらく感謝なのだろう。最初のは喜び、次が感謝。無機の存在であるゴーレムでは考えられない行動だ。