37.保存部屋の進化……知っている味?

親玉さんがまさかの成長をげていた。今の大きさは日本のLサイズのスイカサイズ。羽も成長していてなんだかとても神秘的な雰囲気に見える。蜘蛛なのに。

ところで、もしかしてまだ成長するのだろうか? それはいったい、どれくらいのサイズになるのだろう。ここの果物も大きい、オオカミも犬も大きい。地下一階はほかの階よりも天井が高かった、まさか……ね?

只今、保存部屋について悩み中だ。

今まで保存するものはお肉だけだったので、地下一階の部屋に冷蔵庫としての機能だけを付けて保存していた。

トイレを作った時に偶然できた自動クリーンの応用だ。岩に魔力を行き渡らせた状態で、加工するとイメージしたことが再現できると分かったのだ。日本で使っていた冷蔵庫をイメージして、保存室の岩に魔法を行き渡らせた。結果は巨大な冷蔵庫として活躍してくれている。

が、今日の収穫は果物と葉野菜。葉野菜の収穫が多かったので、冷蔵庫では鮮度が落ちてしまう。冷凍庫を作って凍らせる方法も考えたが、前に葉野菜は冷凍させると食感が変わると聞いたことがある。冷凍庫で葉野菜を美味しく保存する方法もあるのだろうが、俺が知らないので却下。

なので、別の何か、便利な機能がないかと悩み中だ。そのままの鮮度をキープしたい。

バッグから葉野菜と果物を取り出しながら考える。見た目が普通のバッグから、ありえない量が出てくる。何とも、不思議な光景だ。

ちなみにバッグをひっくり返すと、全ての物が一気に出てきた。数えた以上の果物と野菜が出てきた。しっかり数えて入れたはずなのに……なぜだろう?

鮮度をキープしたい。つまり、鮮度をそのままの状態に保ちたい。この言葉をイメージに……難しいな。言葉にするのは簡単なんだけどな。もっと簡単に状態を維持しているイメージってできないか? 冷たい物は難しいな、見た目が変わらない。暖かい物だと湯気が出ているから分かりやすいか。暖かいご飯をイメージして……カレンダーで、時間の経過をイメージしてみるか。

とりあえず湯気の立った白ご飯をイメージしてみよう。二〇一八年一月一日のカレンダーで二〇一八年の年を二一一八年に状態キープというより時間停止、なので、

「時間停止」

部屋全体が少し強い光に包まれて、元に戻る。部屋を見渡すが変化は見られない、こればかりは実践で確かめるしかないな。

とりあえず野菜を入れて様子を見るか。失敗していないことを祈ろう。

岩を棚のように加工して、食品ごとに区別して置けるようにする。部屋の機能が心配だったので、時間停止の魔法を棚にもプラスしておく。少しずつ高性能な食糧庫へと部屋が進化中だな。収納しているものはまだ少ないが、森の探索一日目にしては想像以上の収穫だ。

子蜘蛛さん達には感謝だ。……驚いたけど。

黄緑の鮮やかな実は、レモンとオレンジを混ぜたような香りで、お肉にかけるとさっぱり食べることもできて、ちょっと感動した。葉野菜の方はお肉を巻いて食べると美味い。……焼肉のたれがほしい……。

青みがかった実は、皮をむくと甘酸っぱい香りが広がった。食べると……ん? イチゴのような……、いや、違うかな? 食感はリンゴのようにサクサクした食べごたえだ。……やっぱり味はイチゴに似ているような気がする。美味しいが、なんだが複雑な印象を持つ果物だった。