23.親玉さん……躓 き防止。
頭の上からピョンと、飛び降り、ヒビにささっと突入して、小さい銀色の鉱石を持って親玉蜘蛛さんが登場。
親玉蜘蛛さんの行動力にびっくりした。差し出されているようなので、一〇円玉くらいの鉱石を受け取る。ヒビの向こうにあるのは、この綺麗な銀色の鉱石なのか。
「ありがとう、親玉さん」
……なんとなく親玉さんと言ってしまったが、大丈夫だろうか。そういえばまだ名前を付けてなかったな。親玉蜘蛛さんはすでに親玉さんって感じだな~。子蜘蛛は…………待って、見分けがつくまで待って。同じサイズに、同じ色、同じ種類……見分けがつく時が来るのだろうか?
ヒビは細く、さすがに入れない。銀色の鉱石の空間に違うヒビや穴がないかは空間認識で細部まで確認する。なし! ようやく岩山制覇!
とりあえず銀色の鉱石はポケットへ。鉱石の名前は知らないが、親玉さんからもらった鉱石だから大切だ。
地上へ戻りながら、落ちていた岩の欠片を拾う。そういえば洞窟って、岩がいっぱい落ちている印象があるんだが今、拾ったのが初めての岩の欠片だな……この岩って硬いのか?
しかしこれ、加工できないかな。この住処を拠点にして、周りを探索して人を探す予定なんだけど。周りを見る。どこを見ても、デコボコしている。何度も躓くのはデコボコのせいだ。そしていつか本気で
ん~加工って難しいかな。岩だもんな。表面を綺麗にするのはやすりかな、木ならやすりで綺麗になるんだけど。以前、趣味で作った棚を思い出す。手に
「ん~加工」
あれ? 手の中の、デコボコだった岩がきれいな表面になっている。掌のざらざらとしたモノは、おそらく岩のカスだろう。魔法で加工もできるのか。まじ、すごいな魔法って。
肩にいるカレンと、頭から降りていた親玉さんが、なぜがつるつるになった鉱石を見つめている。コア達やいつもちょっと離れているチャイも近づく。というか、ものすごく近い。なんだろうか? つるつるになった岩が珍しいのか? 自然の中ではなかなか見ないのか?
まぁ、でもこれでこの住処の住み心地を、もう少しよくできるな。とりあえず空間の表面を、すべて磨きあげよう。チャイから子蜘蛛が一匹、つるつるの岩に向かってジャンプした。そのまま滑って落下していく……。…………滑らない床にしよう。
親玉さん、子蜘蛛さん、床を走るの禁止! あぶなかった~。踏まなくてよかった~。