19.食料……安定の呪い付き。

黒い塊。カレンを見つけた時の印象に、似ている。つまりあれは、生き物の可能性があるということだ。

そういえば、この森には妹が話していた魔物っているのかな? 会ったのはオオカミに犬に鳥だ。魔物には、まだ出会っていないな。

カレンやコア達が魔物ってことも? ん~魔物って、人を襲う生き物だよな。確か勇者が強くなるために、倒すのが魔物だと妹が言っていたような気がする。あれ? 違うか、魔族が……ん? 襲いかかって来る生き物が、魔物ってことでいいか。と、いうことは襲わないコア達は、魔物とは違うということだ。あ、カレンは襲ってきたな……まぁ、あれは呪いが原因の可能性もあるしな。出会ってからずっと、俺の肩に止まっているカレンを見る。つぶらな瞳で見つめ返してくれた。魔物ではなし!

問題は、あの塊の中に何が閉じ込められているかだな。とりあえず、地下に行くべきか。

結界の外から音が近づいてくる。木々が揺れている音のようだ。視線を向けると、ちょうど走り去った三匹の姿が見えた。ん? 呪われた何かを、引きずっている。え、なに、すごく怖いんですが。というか、嫌な予感がする。ヒオとシオンとクロウが帰ってきてくれて、うれしい。目の前には、呪いのかかった巨大な獲物がいるけどね。食料を探していたから、わざわざ狩って、持ってきてくれたようだ。

呪われてるけど。呪われてるけど! 

三匹は、しっぽをふりふりして、褒めて褒めてと言っているように見える。頭を思いっきり撫でて褒めました。可愛いやつらめ!

で、冷静に。

さすがに、捕ってきてくれたので食べないという選択肢はない。呪いは浄化で綺麗にする! もう隅から隅まで綺麗にしてやる!

「……浄化」

掃除機で細部の埃を吸い込むようにイメージ。ついでに呪いにイラついたので、呪いをかけたのだが誰かは知らないが、帰れ~って心の中で絶叫! 声に気持ちを十分にのせて、祈るように浄化をした。

目の前には、影が全くどこにも見えない獲物がある。大満足です。

これが今まで見なかった、魔物だろうな。イノシシのようだけど牙が四本。そのどれもがでかい。何よりサイズが……分からないがでかい。うん、食べごたえがありそうだ。

あれ? これ誰が解体するんだ? コア達は、おそらくそのまま食べることができる。チャイも。カレンはどうだろう、肉食なら大丈夫か。解体が必要なのは俺だけ! つまり俺が解体するのか!!

視線を彷徨さまよわせると、シオンの期待のこもった目と合う。……食べます、解体して食べさせていただきます。

大丈夫、俺はやればできる子! 解体方法さえ分かればな!