シエラが笑うと、コーカスはククっと笑った。
「くだらない物でも持ってくるようであれば、シエラを獲物にしてやるつもりだったがな」
コーカスの言葉に、シエラは青ざめる。
「ほ、ほんとによかったです。気に入っていただけて……」
あはは、と乾いた笑いを浮かべるシエラに、トーカスがすりすりとすり寄ってきた。
「心配はいらん。どうやらトーカスはお主を気に入っているようだしな。悪いようにはせんよ」
「そ、そうなんですか?」
ちらりとトーカスを見ると、目を細めて、シエラにまた、すり寄ってくる。なんとなくその様子が可愛くて、シエラは小さく笑い、トーカスを撫でた。
「トーカスが成長するまでの間、しばらくここにいるつもりだ。シエラはいつでも来るがいい。マイスを持ってくるなら、歓迎するぞ?」
コーカスの言葉に、シエラは頭を下げた。
「あはは、ありがとうございます。また、いいマイスが手に入ったときは、お持ちしますね」
(できる限り、会いたくはないので、できる限りそんな機会が来ないことを祈ってますけどね)
心の内は悟られないようにしつつお礼を言い、シエラは来た道を戻り、ゲートを使って、街へと戻った。