エピローグ



 特別じゃなくても、人を助けたい。

 そう思える自分は、とっくに特別だ。

 そんな風なことに気付けたわたしは、ルルカのいない学校生活をなんとか乗り切れていた。思ったよりわたし一人でもちゃんと話をして笑うことが出来たし、頼み事を引き受けたり、逆に引き受けてもらうこともあった。

 ちょっとは成長出来てるってあかしなんだろう。

 うれしいけど、一緒にハイタッチをして喜んでくれるルルカがいない。それはとても寂しいし、悲しくなる。

 同級生の子たちによると、ルルカは用事で寮から実家に帰っているらしい。

「そういう風に認識するように力をちょっと使った」んだと、ハピポンが言っていた。

 その力のすごさには驚くけど……こんなことになってしまった現状をどうすればいいのかは、教えてくれなかった。

 それどころか、何もしなくていいと言われてしまった。

 わたしに出来ることは、何もないからと。

 いつもの明るい口調で、はっきりと言われた。

 だからって、本当に何もしないわけにはいかなかった。

 わたしが行ける限りで、ルルカが行きそうな場所を探した。けれどいなかった。

 帰っているという実家に行くことも、考えなかったといえばうそになる。けれど、そこにはいないという確信があった。それはハピポンの作った嘘だからというのもあったからだろう。

 それに行ってみて本当にいないことを確認してしまったら、心が折れてしまうかもしれないと思った。嘘だとしても今は、実家に帰っているんだと思っていたかった。

 矛盾しているような感情はずっと頭から離れなくて、じわじわと頭をむしばむように痛みに変わる。

 けれどなにかしなくちゃという意志だけは、しっかり残っていた。

 だって、わたしはこれからも魔法少女として頑張れるようになったのに、ルルカがいないんじゃ意味がない。

 ルルカは一緒に頑張っていこうと言ってくれた。ディジェネレーターはまだ現れる。

 今は一人でなんとか倒せる怪物ばかりだけど……いつまた怪人が現れてピンチになるか分からない。

「それとも……」

 痛みとともに、ずっと脳裏をよぎりそうになる思考を振り払う。

 ルルカが魔法少女をやめるなんてそんな、そんなことはないだろう。

 そんなことを考えてしまう自分が、また嫌いになってしまいそうだった。