……なるほど、やはり俺の名前は知られているか。

 まあフレイヤ神との戦闘を経て、俺のことは広い地域で知られることになったからな。これも当然のことだろう。

「そしてさらに……そこにいる女は傭兵さんだよねぇ。ひょっとして、大好きなパパでも追ってきたのかなぁ?」

「…………っ!」

 瞬時、リュシアの目がいっぱいに見開かれた。

「ど、どういうことですか!? あなた、私たちのこと知ってるんですか!?

「あっはは、さあどうだろうねぇ。僕は女には厳しいんだ♡」

 レシアータはそう言って意味深な笑みを浮かべると、最後に俺たちを見渡した。

「まあ、今日のは軽いごあいさつさ。腑抜けた帝国軍と、そして愛するルズベルト帝国に侵入してきた不届き者たちへ向けてね」

「ぐぬ……」

 門番兵が悔しそうに歯がみする。

「特にアルフ君はかのフレイヤ神を討ち倒したようだけど……それしきでうぬれないようにするんだよ? 邪神はフレイヤ神だけじゃないんだ」

「……おいおい、その様子だといろいろと事情を知ってそうじゃないか?」

「さぁてどうかなぁ? 僕はミステリアスな男を目指してるんだ♪」

 レシアータはまたも面妖な表情を浮かべると、最後にくるりと振り向き、片手をひらひらと振ってきた。

「それじゃあね、みんな。次会った時は殺しちゃうかもしれないから、せいぜい覚悟しておくんだよ?♡」