「折角俺の色のドレスを着てくれているんだ、もう少し堪能したっていいよな?」
「やっ、こんな場所じゃ……あぁんっ」
彼に抱き上げられたままフローレンス公爵家の馬車に乗り込んだ私は、そのまま彼の膝の上で横抱きにされ座らされていた。一見お姫様抱っこのように見える体勢で、彼の左手が私の背中に回され動く馬車内で私をしっかりと支えてくれている――のはいいのだが、彼の膝に座っているため本来のお姫様抱っことは違い右手を膝下に入れ抱き上げておく必要がなく、自由に動かせる彼の右手が私の胸を揉んでいる。
「あまり声を出すと御者に聞こえるぞ。まぁ、すでに何かを察しているかもしれないが」
「そんな!」
「大丈夫だ、こんなところで最後まではしない」
くすりと笑ってそう言われ、一瞬納得しかけた私だったが、それはつまりそのギリギリまではするということなのかと気付き愕然とした。その考えを肯定するように、ドレスの上から胸を揉む手が段々と激しくなる。全体を覆い、形と弾力を確かめるようにやわやわと揉んだかと思えば先端があるであろう辺りに狙いを定め指先でカリカリと引っ掻くように刺激された。
「あ、んんっ、待っ」
布越しの微かな刺激が逆にもどかしく私の羞恥を鈍らせる。彼と体を重ねたあの日のことを思い出し、徐々にドレスの上からじゃ足りなくなってしまった私は、ここが馬車の中だというのにまるで懇願するように名前を呼んだ。
「フェルナン様……っ」
その声を合図に彼の指先が首元のリボンを解く。はらりと赤いドレスのレースがはだけ首から胸元までの肌が露出すると、すかさず彼の手が肌に直接触れた。そしてそのまま胸元のドレス生地に指がかけられグッと下にずらされると、コルセットで押さえつけていたはずの胸が逆に反動でふるりと溢れる。
「ひゃっ」
「はは、ジュリアのここも触れて欲しくて仕方なかったようだな」
「ちが、あッ!」
楽しそうに笑ったフェルナン様がキュッと先端を摘まむと、布越しのもどかしい刺激しか与えられていなかった私の体は敏感に反応し、ビクリと体を跳ねさせて嬌声をあげた。
「いいのか? 御者に聞こえてしまうが」
クスクスとそんなことを言いながらもフェルナン様は愛撫を止める気がないらしく、摘まんだ乳首を捏ねるように指先で刺激する。あっという間に柔らかかったはずの乳首がツンと尖ると、主張する先端に導かれるように彼がむしゃぶりついた。
「――! ぁあ……っ」
舌先で乳首を転がされると、指とは違った快感が私を襲う。ちゅぱちゅぱと淫猥な音が馬車内に反響し、羞恥と快感でくらくらと眩暈がした。甘く痺れるような快感に堪らず彼の頭を抱きかかえるように腕を回すと、結果的に彼の顔に胸をより押し付ける形になってしまう。気付けば反対の胸も揉まれ、指先がカリカリと引っ掻くように弄ばれている。
「可愛いな」
ぽそりとそう呟いたフェルナン様が、胸の上部に唇を滑らせぢゅっと強く吸うと、ピリッとした僅かな痛みが走り赤い鬱血痕を残した。
「あ、だめ、見えちゃう」
「隠れるところならいいのか?」
「そういう意味じゃ……んっ」
最初につけられたその痕より乳首に近い位置へ再び吸い付くと、新たな赤い痕を残す。そんな行為を何度か繰り返され、私の胸はまるで花びらが散ったかのように赤い痕で彩られていた。その痕が彼の私への想いを実感させ、恥ずかしいのに喜びも感じてしまう。結局私は彼に求められていることが嬉しく、また私自身も彼を求めてしまっているということなのだろう。そのことに気付いた私はどんどん声を我慢することが難しくなり、手の甲で唇を塞ぐことでなんとか耐える。だがそんな私に気付いたフェルナン様は、耳元へ唇を寄せ囁きながら耳たぶを食んだ。
「そうやって隠すな。口づけれない」
「っ」
彼の舌が耳穴に入り、くちゅりと音を立てる。鼓膜に直接響くその音にぞくりと震えた。そして誘われるように手を外すと、ちゅ、と軽く口づけられる。彼の唇で蓋をして貰ったはいいが、相変わらず指先は乳首をクリクリと刺激し続けている。このままでは結局声が漏れてしまうだろう。そう思い下唇を甘噛みする彼に自身の唇をより押し付けると、私の唇を割るように口腔内へと彼の舌が入って来た。私の口の中を彼の舌が蠢き、舌と舌を絡ませると扱くように更に動く。
「んん、は……ぁん」
舌を強く吸われ、快感から脳の奥がじぃんと痺れる。かき回すように口腔内を蹂躙されると、私は無意識に太股同士を擦り合わせていた。
「こっちも触って欲しくなったのか?」
くすりと笑ったフェルナン様がドレスのスカートを大きく捲ると両足が露わになる。ガーターベルトと肌の隙間に手を入れたフェルナン様は、そのまま軽くガーターの紐を摘まんで弾いた。
「ふぅん、普段のジュリアはこんなえっちなの着けているんだ?」
「だっ、だって今日は決戦だったからっ」
「へぇ、気合いを入れて来たってこか」
彼と初めて体を重ねた時は遠駆けに出ており、乗馬服だったのでドレスは着ていなかった。
(なんだか全部脱がされるよりこうやって見られる方が恥ずかしいわ)
劣情を孕んだ彼の瞳で見つめられると、じわじわと羞恥心を煽られる。堪らず両手でドレスのスカートをおろそうとするが、私のそんな抵抗なんて気にも留めずするりと手のひらがあがり下着の上から蜜口へと触れた。
「布越しでもジュリアのここが濡れてるのがわかる」
「あ……っ」
両目を細めてそう言われ、思わずごくりと喉を鳴らす。くちくちと蜜口を擦っていた彼の指先が下着の中へと入れられる。滴る愛液を指で掬い、馴染ませるように浅いところを刺激されると私の体はびくびくと反応した。
「気持ちいい?」
「――ん、くぅっ」
楽しそうにそんなことを囁きながらツプリと指が挿入されると、きゅうきゅうと肉襞が彼の指を締め付ける。彼からの問いには答えなかったが、体の反応でバレているのだろう。ちゅ、ちゅと額や頬に口づけながら指の抽挿が徐々に速度をあげた。
(ダメ、こんなの声が出ちゃう……!)
彼の服をぎゅうっと握り精一杯耐えるが、彼の指の腹が膣壁を強く擦り上げるとどうしても嬌声が溢れてしまう。走る馬車のその音でどうかかき消されていますようにと願いつつ、彼の服をグイッと無理やり引き寄せ自身の唇を相手の口へと押し付ける。すると、少しフェルナン様が目を見開いた。
「おねが、ちゃんと、塞いで……くださっ」
「それは可愛すぎるだろ」
「んんっ」
何故か一瞬呆然としたフェルナン様の唇が私の唇と重なると、すぐに口づけが深くなる。くちゅくちゅと淫猥な水音を溢れさせているのが口づけなのか、それとも彼の指なのかももうわからない。ナカを抉るように彼の指が深くなり、いつの間にか二本に増えていた指が蜜壺を掻き混ぜる。その度に愛液がぐちゅりと溢れ、臀部へと滴り下着を濡らした。
「そろそろ着く頃か」
ふとそんなことをフェルナン様が呟き、私のナカからちゅぽんと指を抜く。若干ぼんやりとした意識の私ににこりと笑いかけた彼が、何故かスルッと私の足から下着を脱がし愕然とした。
「なっ」
「濡れた下着で風邪をひいたら大変だからな。脱がしておこう」
至極真っ当な意見と言わんばかりの表情で、とんでもないことを言い出したフェルナン様に愕然としてしまう。だがどうやら本気のようで、脱がした私の下着をポケットにしまった彼は、下着以外のドレスを元の形へと着せ始めた。
「歩けるか?」
「あ、歩けます、けど……」
彼の言葉を合図にしたかのように、丁度のタイミングで到着したのは彼の普段住むタウンハウスだった。平然とした表情で先に馬車を降りたフェルナン様が手を差し出す。その彼の手を取って馬車を降りるが、今心許ないのは足ではなく下半身だった。
(うう、スースーするわ)
足首まであるドレスで、しかも生地もしっかりとしたものだ。だから少々の風では捲りあがらないとわかっているのに、不安でドレスを押さえてしまう。
「お帰りなさいませ」
さっとお辞儀した執事に「帰った」と短く一言で返したフェルナン様は、何を思ったか突然足を止め私の方へと顔を向けた。そして意地悪そうな笑顔を向けられ、嫌な予感がした私は思わず唾を呑む。
「そうだ、茶会の途中で連れ出してしまったからな。お腹はすいていないか? 何か作らせようか」
「!」
しれっと告げられたその言葉に絶句し、はくはくと口を動かす私を見る彼は終始楽しそうで、その余裕のある笑顔に腹が立つ。その苛立ちのまま彼の腕をドンと叩くと、とうとうフェルナン様が吹き出した。
「い、意地悪です……!」
「あはは、ごめんごめん。可愛くてつい」
クックッと笑いを零す彼をジロリと睨むが彼には何の効果もなく、そのまま私の腰を引き寄せるように再び足を進めた。
一瞬本当に食事を取りに行くのではと不安になったが、流石にそこまで意地悪ではなかったようで連れられたのは彼の私室だった。初めて入った彼の私室は全体的に物が少なく、一際大きな本棚とその本棚にぎゅうぎゅうに詰められた本が目を引いた。
(フェルナン様は色んなことを知っていたもの)
男性の知識では珍しい石言葉だってそのひとつだ。きっと彼は自身を磨くため、そしてなにより公爵家の嫡男としてありとあらゆる勉強をしてきたのだろう。そこまで考えふと思い出すのは、結局まだ教えて貰っていないアイオライトの石言葉のことだ。頑なに教えてくれなかった彼だが、どうしてか今ならば教えてくれるような気がした。
「フェルナン様」
「うん?」
今日も彼の耳に輝いているアイオライトのピアス。そのピアスへとそっと手を伸ばす。フェルナン様も私の手を避ける気がないのか、簡単に指先へと触れたピアスがなんだか心を許されているようでくすぐったい。
「このピアスの石言葉は何なのですか?」
「それは」
「愛を?」
「――愛を、愛を貫く、だ」
「愛を貫く……」
自分の色にそんな意味があったのかと思うと少し驚き、そしてそれと同時にその石を彼が選んだことがなんだか嬉しい。
「そんな意味がある石を貴方に贈れて嬉しいです」
「ジュリア……。俺も、この石と同じように君だけをずっと愛すると誓うよ」
「はい、信じています」
にこりと笑って頷くと、掠めるような口づけをされる。そしてそのまま私を抱き上げると、部屋の奥のベッドへとおろされた。口づけながら押し倒された私は、あっという間に組み敷かれ、思い切り両足を左右に開かれる。
「ひゃあっ!?」
その強行とも思える行為に思わず悲鳴をあげた。大きく開かれたことで下着を着けていない秘部が露わになる。馬車内で散々弄られた余韻のせいで、冷気に触れたようにそこがひやりとし慌てて両手で隠そうとするが、それより彼が顔を埋めるのが早かった。
「待っ、そんなところ、汚い……!」
「ジュリアの体で汚いところなんてないよ」
「そんなこと、あ、あぁッ!」
ねっとりと熱いものが蜜口をなぞり、それがすぐに彼の舌だと気付き私は腰を震わせる。入り口を何度も舐められると、羞恥心から体が一気に熱くなった。ぐちゅりと舌が蜜口へ挿入り、ヒクヒクとする媚肉の感覚を楽しむように舌を動かされる。
「まだ触ってないのにここももう尖ってる」
くすりと笑ったフェルナン様の指が蜜口のすぐ上にある愛芽を覆った皮膜を剥き、敏感なそこをちゅうっと吸った。
「あ、アァ――ッ」
その瞬間ビクリと一際大きく体が跳ね、怖いほどの快感が体に走る。そんな私の反応を見て、逃がさないと言わんばかりに腰を押さえつけたフェルナン様が愛芽をちゅぱちゅぱと音を立てて舐め、舌でグリッと押しつぶした。絶え間なく与えられる愛撫に背を思い切り仰け反らして快感を少しでも逃がそうとするが、カリッと軽く歯を立てられ一気に絶頂させられる。チカチカと目の前がまたたき痙攣したかのように体を震えさせた私が放心していると、ぐったりとした私の体から彼が彼と同じ色のドレスを全て剥ぎ取った。
「や、やだ……」
「本当に嫌? ここはこんなに悦んでいるようだが」
「ひんっ」
彼の指が愛液を零す蜜壺へと挿し込まれる。馬車内ですでに解されていたため、あっさりと彼の指を飲み込んだそこを強く擦られると、達したばかりの体がすぐにまた快感を拾い熱くなった。
「待って、おねが、私まだ――あぁんっ」
ぐちゅぐちゅと粘液質な音を響かせながら膣壁が擦られ、深くまで彼の指を咥え込む。ナカでバラバラと動く彼の指がいつの間にか三本に増やされると、圧迫感と、そしてそれ以上の快感に私はピンと足のつま先まで伸ばし必死に耐えた。だがそんな私の耐えを嘲笑うように彼の指がクニッと曲げられナカを抉る。結局私はまた彼の愛撫であっさりと達してしまった。体をピクピクと跳ねさせる私を満足気に見下ろすフェルナン様。はぁはぁと荒い呼吸に合わせ胸が大きく揺れる私の姿をしばらく見つめていた彼の手が、今度は胸へと伸び、乳首をピンと弾いた。
「あぅっ」
思わず小さな悲鳴をあげると、くすりと笑みを溢す。彼の赤い瞳が細められ、仄暗い劣情を滲ませていた。
「ジュリアはこっちを触られるのも好きだよな」
「あ、あぁん、あっ」
私の体に覆いかぶさった彼の舌が乳首を這うと、もう返事なんて出来ず喘ぎ声を溢れさせた。
(やっとフェルナン様の愛撫が終わったと思ったのに)
散々秘部を暴かれ、怠くなりベッドに投げ出された体。だが彼の愛撫は終わることなく、今度は胸の愛撫を開始される。鷲掴むように荒々しく胸が揉まれ、彼の手のひらで形が変わる自身の胸を若干放心しながら見つめていると、そんな私に見せつけるように彼の舌が乳輪をなぞるようにゆっくりと舐め上げた。馬車内で散々舐められたせいですでにぽってりと腫れぼったくなっている乳首が、彼の唾液でてらてらと光を反射する。その淫猥な様に下腹部の奥がじゅんと熱を孕んだ。
「どうされたい? 舐められたい? それとも指でされたいのかな」
そんなことを言いながら左右の乳首が指と舌で触れられる。結局どっちもするんじゃない、なんて私からの抗議は結局言葉になることはなかった。
ぢゅ、と強く吸われ、舐めしゃぶられると先端から甘い痺れがほとばしった。反対の乳首はキュッと摘ままれ軽く捩じられる。痛みに似たその快感に堪らず嬌声をあげると、より機嫌が良さそうな顔をしたフェルナン様が乳首を齧った。
「ひっ、や、あぁあ!」
「少し痛いくらいが気持ちいいのかな」
確かめるようにそう口に出し、彼の指の腹がグリッと乳首を押しつぶす。そして今度は引っ張られた。わざと強い刺激にしているらしく、以前よりずっと強い刺激を与えられるが、彼の触れる全てが気持ちよくて堪らない。決して被虐趣味なんて持っていないはずだが、彼と想いが通じ合ったという実感からか全てを受け入れたいと思ってしまう。それになによりもっと彼と触れ合いたかった。
「……フェルナン、さま」
ポツリと名前を呼ぶと、その声に反応して彼の動きが少し止まる。その隙に彼の下半身を膝で触れると、くっと眉間に皺を寄せたフェルナン様が片側だけ口角をあげた。
「悪戯してくれるじゃないか」
「それはフェルナン様の方です」
ムスッとそう言うと、少し考えた彼が小さく笑う。思い当たることがあったのだろう。いや、私としては思い当たることしかないはずだが。
「フェルナン様も脱いでください」
「あぁ」
素直に頷いた彼が自身の服を一枚一枚脱いでいく。その様子を見ようとベッドの上で体を起こした。
(初めてシた時は外だったから、こうやってフェルナン様の裸を見るのは初めてだわ)
私を軽々と抱き上げられるのだ。それなりにしっかりと鍛えられた体だとは思っていたが、改めて彼の上裸を見るとしなやかな肢体にしっかりと引き締まった筋肉がそこに現れ私はごくりと唾を呑んだ。上の服を全て脱ぎ終わったフェルナン様の手が下半身へと移る。トラウザーズが取り払われ下履きのみになると、とうとう下履きに彼の手がかけられた――が、なかなかおろされずに首を傾げた。
「ジュリア、その、そんなに見られたら脱ぎにくいんだが」
「え! あっ、ごめんなさ――」
指摘され慌てて謝罪を口にするが、全部言い終わる前に口を閉じる。そしてふと、散々私の体を見たのに? なんて疑問が芽生えた。一度そう思うと、一方的に触れられていた意趣返しがしたくなる。僅かな悪戯心に突き動かされるように彼の猛りへと手を伸ばすと、下履きの上からだというのにしっかりと硬い感触が手に伝わった。
「な、ジュリア!」
焦るフェルナン様の声が聞こえるが、私は興味を引かれるまま彼の剛直をゆっくり擦る。どんどん硬度を増すその様子にドキドキと心臓が早鐘を打った。
「ま、待て……っ」
制止する声を無視し指先で下履きの上部を引っかけると、そのままぐい、と引き下ろす。ぶるんと勢いよく現れた彼の剛直の先端はすでに濡れていた。
「凄いわ。こんなに大きいものが私のナカに入っていたの?」
「うっ」
「今日も挿れるんですよね?」
「それは」
指先でつつくとふるふると揺れる。それがなんだか面白くて何度も触れながら熱く弾力のあるそこをじっと見ていると、フェルナン様の片手のひらが私の両目を覆った。
「くそ、本当にジュリアは……っ! どれだけ俺を翻弄すれば気が済むんだ!?」
恥ずかしさを誤魔化すように声を荒げたフェルナン様。正直彼を翻弄した覚えなんてただの一度もないのだが、彼がそうだというのならそうだったのだろう。
その言葉の勢いのまま再びベッドへ押し倒された私は、自身の足を左右に割った彼が体を入れたことに気付きドキリとする。あの昂った剛直の切っ先が蜜口をなぞると、ぬちぬちとした淫猥な音が部屋に響いた。下腹部の奥が甘く疼き、彼の熱を求めてきゅうきゅうと収縮する。そのことに彼も気付いたのか、ゆっくりと腰を進められると、くぷりと愛液を溢れさせながら彼のモノが挿入された。
「あっ、はぁ……ん!」
十分解されていたが、まだ二度目の交わりのせいか痛みこそないものの圧迫感が凄い。膣壁を押し広げるようにぬぷぷと奥まで挿入されると、ビクンと体が大きく跳ねる。それだけでチカチカと視界の奥に星が散った。腰を膣から彼のモノが抜けるギリギリまで引き、すぐに勢いよく腰を打ち付ける。何度も貫かれ、ナカを抉られた私の口からは言葉にならない嬌声だけがひたすらあがった。
「く、気持ちいい、ジュリアのナカがきゅうきゅうと締め付けてくる……!」
「あっ、やぁっ、はげし、あぁん!」
ぱんぱんと肌と肌がぶつかる音が部屋に響き、その音に混じってぬちゃぴちゃと淫靡な水音もこだまする。彼がナカを穿つ度に胸がぶるぶると揺れ、その胸を捕まえるようにフェルナン様が握った。両手で胸を鷲掴みながら奥を突かれると、その度に快感が走り脳の奥が甘く痺れる。何度も揺さぶられ、擦られた。次第に思考が溶け気持ちいいということしかわからなくなる。そしてそれは彼もだったのだろう。
「ジュリア、ジュリア……っ」
私の名前を呼びながら抽挿の速度をあげたフェルナン様が、最奥を貫いたまま更に奥へと深く挿入する。びゅくりと彼の剛直が私のナカで震え、劣情が放たれた。
胎の中にじわじわと熱が広がると、私の視界も一気に白く染まり三度目の絶頂へと導かれる。
「あ、……はぁ、はぁ」
私は浅い呼吸を繰り返しながら、ベッドに四肢をだらんと投げ出していた。少しはしたない気もしたが、全身が怠くてどうすることも出来ない。そんな私を気遣うように汗ばんだ額にそっと触れたフェルナン様が、前髪を掻き分け口づけを落とす。ちゅ、と小さな音を鳴らしながら目元にも吸い付かれ、そのまま頬へも口づけられた。まるで小鳥に啄まれているような可愛らしい口づけに心が癒やされくすりと笑みを溢すと、唇にも口づけられる。掠めただけの唇に物足りなさを感じ、もう一度口づけたいとそっと目を開いて愕然とした。彼の瞳にはまだ劣情が揺らめいていたのである。
(嘘、出したばかりなのにっ)
男性のソコは射精してすぐには復活しないと聞いていた。だからこそ彼のその口づけが可愛く思えていたのに、これは違う。まずい。話が違うにもほどがある。
「あの、私今度こそ少し休みた――ひゃあっ!?」
焦った私が慌てて口を開くが、そんな私の腕を掴んで俯せにすると臀部を揉む。むにむにとその柔らかさを確かめられたかと思ったらぐにゅっと左右に開かれ、すでに硬さを取り戻していた彼の剛直がぢゅぷんと挿入された。
「あ、あぁ……ッ!」
腰を掴まれ持ち上げられると、膝立ちになったフェルナン様に何度も腰を打ち付けられる。彼の猛りが蜜壺を貫く度に快感がせり上がり、剛直を抱きしめるようにぎゅうっと収縮した。先ほど出された精液と私の愛液がナカで混ざり、ぢゅぷぢゅぷと纏わりつくような粘り気のある音を奏でる。その音に羞恥を感じる暇なく喘ぎ声をあげ続け、私の喉は枯れてしまいそうだった。
「ジュリア、可愛い……愛してる」
「んんっ、あっ、はぁん」
あられもない声をあげながら彼から与えられる暴力的なまでの快感に必死に耐える。じわりと視界が滲むが、それは決して嫌だからではなく感情の昂りからくるものだった。
好きな人から囁かれる愛の言葉ほど心を震わせるものはないだろう。その言葉が熱っぽく、切羽詰まった声ならば尚更だ。
(私もフェルナン様を愛しているわ)
残念ながら言葉にする余裕が私にはないが、きっと伝わっているだろう。それくらい私の体は彼の言葉に反応し熱く震えているのだから。
「く、可愛い、本当に可愛いな」
後ろから突きながら上体を倒しフェルナン様が私に覆いかぶさる。不埒な彼の手のひらが前へと回され、ベッドで潰された胸を揉んだ。くにくにと先端を摘まみ何度も捏ねる。
「ひぁっ、だめ、一緒にしちゃ……!」
「いつでも達していい、ジュリアっ」
「あんっ、だめ、きちゃう、きちゃうぅっ」
ぎゅっと乳首が強く摘ままれ、快感ですっかり降りて来ていた子宮口の入り口をグリッと強く貫かれた瞬間、再び私の視界は白く染まり快感が爆ぜた。びゅくびゅくと彼も私のナカで達し、最後の一滴まで注ぐようにゆっくりと抽挿される。
ずっと挿入っていた彼の猛りが抜かれると、ドロリと白濁した精液が零れ太股まで滴った。だがそこへ注意を向ける余裕は私にはもうなく、ごろんとベッドに寝転がり彼の方へと視線を向ける。流石にフェルナン様にも疲れがあったのか、彼も私に倣いごろんと横になると、腕を伸ばし抱きしめられた。熱い彼の肌に体を寄せると心地良く、言い表せない幸福感に包まれる。腕枕のような体勢になった私は、そのまま自身の頭を彼の腕に擦り寄せた。
(あぁ、そうだ。さっき言えなかったから)
心地良い疲労で微睡むが、これだけは言っておこうと手放しそうになる意識を精一杯繋ぎ止めながら彼を見上げる。柔らかく細められる彼の赤い瞳を見つめながら、私はゆっくり口を開いた。
「私も愛しています、フェルナン様」
「……ジュリアはもしかしてまだシたいということか?」
「……はい?」
さっきは気持ちを口に出来ていなかったからと告げたつもりだったのに、なんだか恐ろしい返しをされて一瞬で覚醒する。だが覚醒したのは彼もだったようで、私の太股に何やら硬いモノが当たり――
「だ、だめです、もう限界です、一度休まないと死んでしまうかもしれませんっ」
「大丈夫だ、ちゃんと加減するから」
「出来てない、すでに出来ていないから言って……ひんっ!」
次は絶対休んでからしかこういったことは言わないと、私は心に固く誓ったのだった。
* * *
「ん……」
微睡みの中から目覚めた私は相変わらず彼の腕の中にいた。正直いつ寝たのかは覚えていないが、最後の記憶を辿ると私は服を着ていなかったはずなので、今しっかりと服を着ているということはフェルナン様が着せてくれたのだろう。心なしか体もサッパリしている気がするので、また初めて体を繋げた時のように彼が清めてくれたのだと思った。
外がすっかり暗くなっているところを見ると、結構な時間寝てしまったのかもしれない。お茶会に行くと昼前から出掛けたのにこんな時間まで帰ってこなければ、きっと父と叔母は心配しているはずだ。
(ううん、乗って行った馬車には乗らずフローレンス公爵家の馬車に乗り込んだことは我が家の御者が見ているはずだから行き先はわかっているわね)
それはそれで心配をかけていそうだと思うと、少しおかしくてくすりと笑う。
「どうしたんだ?」
「起きていたんですか?」
「今な」
私が笑ったことで目が覚めたのか、彼が少し眠そうに目を擦る。彼の腕の中は心地良いが、いつまでもこうしている訳にはいかないだろう。けれど彼と結婚すればこのまま朝を迎えられるのだと思い、心が躍った。
「そういえば、どうして家に婚約を申し込んではくださらなかったんですか?」
それがたとえ恋愛であれ政略であれ、貴族であれば婚約はまず家に申し込むのが常識だ。だがアルヘル伯爵家に婚約の申し込みはなかった。
「あぁ。ジュリアは親が決めた婚約者に裏切られたばかりだっただろう。だから、まずは家ではなく君に婚約を申し込みたかったんだ」
あっさりと告げられるその言葉に胸の奥が熱くなる。つまり彼は貴族の常識よりも、私の気持ちを優先しようとしてくれたということだった。
「沢山時間をかけようと思ってくださっていたんですね」
「いや、すでに一度プロポーズしようとしてるんだが……まぁジュリアが気付いてないならそれでもいいか」
何故か一瞬複雑そうな表情を浮かべたフェルナン様に首を傾げるが、すぐに彼が笑みを溢したのを見て私からも笑みが溢れる。きっとこんな穏やかな日常を彼となら過ごせるのだろう。
そろそろ起きなくちゃとわかっているのに彼の腕の中が温かくて、そして幸せでもう少しこうしていたい気がする。その気持ちが彼にも通じたのか、はたまた彼も同じ気持ちだったのかはわからないが、ぎゅうっと強く抱きしめられた。あと少し、もう少し。そんな想いに委ねるように、私はついうとうととしてしまった。
(これ以上遅くなったら、今度こそ怒られてしまうのに)
私と一緒に父に頭を下げるフェルナン様を想像する。公爵家の彼が伯爵家の我が家に頭を下げる必要なんて本当はないのだが、きっと彼ならば一緒になって頭を下げてくれるだろう。そう考えるとそれも案外悪くないと、そんなことを考えながら再び意識を手放したのだった――