――まさか彼とこんなことをするなんて思わなかった。
「フェルナン、さまっ」
熱い吐息混じりに彼の名を呼ぶと、すぐに口づけが降ってくる。
何度も角度を変えて重なり、唇を割るように彼の舌が入ってくると口腔内を掻き混ぜるように蠢いた。舌先で歯列をなぞられ、下唇がちゅうっと吸われる。彼の舌が私の舌を見つけると、もう離さないと言わんばかりに絡まり扱かれた。
ぴちゃ、ちゅく、と絡みつくような淫猥な音を溢れさせながら貪るように口づけを交わす。
(ここは外だってわかってるのに)
天然の絨毯に敷かれた彼の上着。その上へと組み敷かれ、乱雑に脱がされた私にはシャツ一枚しかもう残っていなかった。そのシャツも前ボタンは全て外され、大きく開かれているので何も隠せておらず彼の性急な動きに合わせてふるふると両胸が揺れている。
「ジュリア、ジュリア……!」
「ん、あぁっ、や、それっ、気持ちい……っ」
蠱惑的に揺れるその膨らみを鷲掴むように握った彼だが、力加減はしてくれていたのか痛みはなかった。その代わり絶妙な力加減で揉みしだかれ、彼の手のひらの中でむにゅりと何度も形を変える。
胸を揉みながら何度も下から突き上げられ、膣壁を抉られると最初は確かに痛かったはずなのにいつの間にか快感で体を弓のようにしならせていた。
「あっ、はぁんっ、一緒にしちゃっ」
「だがジュリアのここは赤く尖って、触って欲しそうにしているが?」
「ひぁっ!」
キュッと乳首をつねられ甲高い嬌声が溢れる。ナカも胸も同時に攻められ怖いほどの快感を与えられた私は、訳もわからずその快感から逃れようと必死に腰を動かした。けれどその動きすら許さず一際強く腰を打ち付けられる。ぐちゅんと粘りのある音を響かせて抽挿されると、瞳の奥がパチパチと白く弾けた。何度目かわからない絶頂を与えられ、気付けば羞恥心なんてどこかへいって彼との行為に夢中になる。
「く、ジュリアのナカがうねって絡みついてくる」
「あんっ、や、深いですっ、ナカが凄く熱くてっ」
この行為を先に望んだのは私で、そしてこうやって彼に求められることは私にとって嬉しいと感じることだった。
私たちは恋人ではない。婚約者でもない。そんなことわかっているけれど――
(それでも、どうしてかしら。心が躍るの)
触れる彼の手が優しくて、それなのに口づけは激しくて。私に欲情し、いまだ萎えない剛直でナカを抉るように擦られる。その事実が堪らない。
「可愛い、ジュリア、本当に可愛い」
私へ囁くというより、本音が溢れるように呟かれ降ってくる言葉の数々が胸の奥を熱くさせた。
「どこまでも誘われているようだ」
はっと短く息を吐いたフェルナン様が奥を突きながら私の乳首へとむしゃぶりつく。そのまま舌で何度も弾かれ、その度に先端から甘い痺れがほとばしる。
脳の奥まで快感に侵され、いまにも達してしまいそうになるのを必死に堪えるが、そんな私にはお構いなしに彼の猛りが最奥を穿った。その瞬間に堪えていた快感が弾け瞳の奥にチカチカと星が散る。びゅくびゅくと胎内に注がれる彼の劣情を感じながらそっと腹部を撫でると、何かが変わった訳ではないはずなのに嬉しさが込み上げた。自然と頬が緩み、そして意識が遠くなる。
私たちの関係を表現するとすればそれはどんな言葉なのだろうか。友人くらいにはなれている? それともこんなことをしてしまったら、もう友人とは呼ばないの?
「ジュリア、体は……ジュリア?」
まとまらない思考の中どこか他人事のように、彼の労わるような声を聞きながら私はそっと意識を手放したのだった――