第7話 お馴染みの〈金箱〉回! 最初の〈金箱〉はギルドマスターが開ける!

はい。毎度お馴染みの〈金箱〉回です。

テンション上げ上げでお送りさせていただきます。

「「〈金箱〉!」」

早速後衛のラナとハンナが声を上げて走り出す。

なんとなく俺も走った。近接アタッカーだった俺が最初にたどり着く。

「ふはは、俺が一番だ!」

「ちょっとゼフィルス卑怯よ! ゼフィルスは近くにいたじゃない!」

「そ、そうだよゼフィルス君、大人気ないよ」

なぜかラナとハンナがプンスコ怒っていた。どんだけ本気なんだこの2人は。

俺も本気だけど。

「今回の〈金箱〉だが、俺が開ける」

「横暴よ! そんなの許さないわ!」

「そうだよゼフィルス君、話し合い、話し合いしよう?」

中級ダンジョンに入って初めての〈金箱〉だ。今回ばかりは俺も譲らない。

「これは中級ダンジョンで初めての〈金箱〉だ。最初だし、まずはギルドマスターが開けるのが筋だろ?」

「そんなことないわ、聞いたこと無いもの! ここは王女の私に譲るべきよ。王女が先に開けるべきだわ!」

「ラナ殿下の話も聞いたことがありません。もちろんゼフィルス君のもだよ。ここは間を取って2人とも開けないというのはどうかな? 代わりに私が開けるよ」

「「却下(よ)」」

何と言うことだ。

いつもと違い俺が本気で立候補しただけでラナとハンナと俺の3人が対立してしまった。

〈金箱〉とは恐ろしい魔性のアイテム。

それを開けたいがために争いが起こり、もう誰にも止められない。

「何やってるのよ、あなたたち。さっさと開けなさい、時間が勿体無いわ」

そこへシエラがやってきて呆れた様子で窘める。さすがシエラ。この争いに怯みもせず介入するとは。

俺とハンナはシエラの目にされて口を閉ざしたが、それでも主張する者が1人、ラナである。

「シエラ聞いてよ! ゼフィルスは中級ダンジョン最初の〈金箱〉を自分が開けるって言うのよ! 私も最初に開けたいわ!」

「……ラナ殿下、〈金箱〉は我慢してください」

「うぐぅっ!?

ぴしゃりと告げた。シエラの有無を言わさないあつの一言にぐぅの音が洩れるラナ。鬼だ、シエラが鬼に見える。