ハンナが両腕をボスに向けると、筒からはパンッという音と共に黄緑色のエナジーボールが、杖型のアイテムからは炎の光線が放たれた。そして見事に命中。
「ギュララララッ!?」
ドカンドカンッと大きな音をたてて爆発するハンナの攻撃。アレがハンナの〈爆弾〉系アイテム。
お披露目だ。
筒の方が〈筒砲:エナジー〉、杖の方が〈炎光線の杖〉。
両方とも回数制限のある攻撃アイテムである。
どう見ても爆弾ではないが、〈爆弾〉とは攻撃アイテムのカテゴリーなので〈筒砲〉も〈杖〉も一応は〈爆弾〉に分類されている。
ちなみに本物の爆弾っぽいものもあったのだが、ハンナが投げるのが壊滅的に下手だったので『スロー』系装備が手に入るまで実戦の出番は無い。早く『スロー』欲しい。
『スロー』系装備が手に入らなかったため、とりあえず射撃型の〈筒砲〉と〈杖〉のみ運用である。
ハンナは射撃系なら素早い〈ウルフ〉にも当てられるくらいにはコントロールが良いからな。
素材と生産というコストは掛かるもののその威力はかなりのもの、なんとラナの『光の刃』並の威力を誇る。クールタイムも無いので撃ち放題だ。回数制限はあるけどな。
盛大に撃ちまくった影響で〈ジュラ・サウガス〉のHPが目に見えてガクンと減っていた。
「つつつ強い!!」
ハンナが自分で使ったアイテムの未だかつて無いダメージにビックリしていた。今までのハンナじゃ出せない威力だったのだ。
攻撃アイテムの回数がなくなるギリギリまで撃ちつくしたハンナの与ダメージ数はラナに迫っていた。半端無い。
しかも途中でクリティカルが発生し〈ジュラ・サウガス〉がクリティカルダウンしていたのも大きかった。おかげでハンナの攻撃は全て吸い込まれるように〈ジュラ・サウガス〉に命中したのだ。
ちなみに俺も遠距離から魔法を撃ち込み、ハンナの攻撃が
大きくダメージが入ったためヘイトが入り乱れてしまったが、シエラが全力でヘイトを取りに行きすぐに戦況は安定。その後はボスの強力な攻撃にもシエラは崩れずに耐え切ったため安定したままボスを削ることが出来た。
そしてボスのHPがレッドゾーンへと至り、怒り状態になる。
「ギュラララララ!!!!」
「威力と速度が5割増しになるぞ! だがあとほんの少しで倒せる! 全員全力で行け!」
「「はい!!」」
中級ダンジョンからのボスは怒り状態になると攻撃の威力が5割増しになるだけではなく速度も上がる。
その速度に即対応出来なければ戦闘不能に追い込まれることもあるため中級からは特にボスの難易度が上がるのだ。
「行かせないわ! 『城塞盾』!」
シエラが後衛の方へ行きそうな〈ジュラ・サウガス〉の正面に割って入り、その場で壁と化す。
「ギュララララ!!」
そこに突進する〈ジュラ・サウガス〉。先ほどとは違い非常に強力な一撃だ。防御力の低い素のラナなら7割以上はHPを削られるだろうその一撃。しかし、シエラも先ほどとは違う。今回は『守護』のバフに加え『城塞盾』という防御スキルを使っているのだ。
ではどちらが勝ったのかというと。
「ふ!」
「ギュラ!?」
シエラ、微動だにせず。完全にシエラが防御勝ちする形となった。
攻撃したはずなのに逆に弾かれた〈ジュラ・サウガス〉が
「攻撃しろ! 『ライトニングスラッシュ』! 『ハヤブサストライク』!」
「『プレシャススラスト』! 『閃光一閃突き』! 『ロングスラスト』!」
「ギュララガガッ!!!?」
「! 周囲攻撃だ!」
「はい!」
俺とエステルによってガツンと削られた〈ジュラ・サウガス〉が苦し紛れに回転攻撃をして追い払おうとするが、そりゃよくない一手だな。
「チャンスよハンナ! 『聖光の耀剣』! 『聖光の宝樹』!」
「はい! 倒されちゃってください! 錬金砲!」
俺とエステルが急いで離れた直後、ラナとハンナの大威力が襲った。
「ギュ……ガ……ラ……」
そしてとうとうHPがゼロになり、膨大なエフェクトと共に〈ジュラ・サウガス〉は沈んで消えた。
そしてその場所には、金色に輝く〈金箱〉が鎮座していたのだった。