第1話 麒麟児と呼ばれる少女。立派に成ってしまって。

5月2日。

今日は学園が本格的に稼働する日である。具体的に言えば1年生初登校日だ。

大いににぎわせ、涙と夢と大望を与えられた測定最終日から一夜明け、学園は一時の平穏を取り戻していた。

昨日、夢が叶った者も、叶わなかった者も、泣いても笑っても今日からは新学期。

気持ちを切り替え、自分の職業ジョブと見つめ合い。これからの人生に向けて勉学に励むのだ。


しかし、切り替えられない子がここに。

「ねえゼフィルス君、私もそっち行っちゃダメかな?」

「いや、ハンナは〈生産専攻〉だろ。こっちは〈攻略専攻〉だから無理だって」

新学期という晴れの日に、とある分かれ道で学園の制服に身を包み、問答を繰り返している男女2人がいた。

俺とハンナである。

「もう何度も言っているだろうが、ダメなものはダメだ。というより不可能だから。【錬金術師】は〈攻略専攻〉には入れないから」

「うぅ~。でも〈エデン〉の皆は私以外〈攻略専攻〉なのに私だけ〈生産専攻〉なんてぇ」

「いや、【錬金術師】から転向されても困るから。ハンナはそのままでいてください」

「むぅ」

俺の言い分は分かるけど納得は出来ないとばかりに頬を膨らませるハンナが可愛らしい。